研究に関する本

サンクスギビングを利用して、研究の進め方の本を2冊ほど読んだ。この2冊

Writing Your Dissertation in Fifteen Minutes a Day: A Guide to Starting, Revising, and Finishing Your Doctoral Thesis

Writing Your Dissertation in Fifteen Minutes a Day: A Guide to Starting, Revising, and Finishing Your Doctoral Thesis

How to Write a Lot: A Practical Guide to Productive Academic Writing (LifeTools: Books for the General Public)

How to Write a Lot: A Practical Guide to Productive Academic Writing (LifeTools: Books for the General Public)

どちらもそれなりにお勧め。

"Fifteen Minutes A Day"の著者は、ディサテーションに苦労した人で、最初は中世文学を志していて、5年かかって1章を書いたところでドロップした、その後、心理学に入り直して4ヶ月で博士論文を書いたということだ。その著者が、現在まったく書くことのできていない人が、どうやって書く習慣を付けて、そしてそれを博士論文の形まで持っていくのかについて、語っている。基本的なメッセージは、何でも良いので15分でも毎日書くこと、それによって書く習慣を形成しよう、という話(実際に15分ずつ書いていれば博論は終わる、という主張ではない。)できれば、朝起きてすぐに書き始めるのが良い("Write first")、とも言っている。スランプの脱出の仕方とかも書いてあるし、スランプに陥りやすい人にはお勧めな気がする。

"How To Write A Lot"の著者は、心理学を専門にしている人で、研究のアプローチとしては、僕のやっていることに近い。データを取ってコンピュータで分析する、というスタイル(彼の場合は実験が中心のようだが。)タイトルを見れば分かるように、こちらは博士論文ではなくて、キャリア的にはもっと上の人も対象としている。基本的なメッセージは、一日のうちでどの時間を書くことに当てるのかを決めておいて、その時間は外界からの刺激をシャットアウトして、書くことに専念すること*1

書くことはいつやっても良いような気がしているけど、研究は学者にとって重要なものだし、講義をさぼらないのと同様、書く時間もきちんと決めてさぼらないようにすること、と言った感じ。会議とかミーティングがその時間に入りそうになったら、断れ、と。リーティングと分析はこの時間にやってもいい、と言っている。そして、プロジェクトの優先順位をきちんとつけ、その日の始めに何についてどれほど進めるのかを決めてから、作業すること、との由。非常にシステマティック、かつ実践的だ。

こちらの本では、スランプ("writer's block"*2 )については、文学じゃねーんだから、そんなものはない、言い訳じゃないの?、というスタンス。「スランプで書けないって言うのって、書いてないから書くことができないって言ってるだけよね 。しょうもな。("Saying that you can't write because of writer's block is merely saying that you can't write because you aren't writing. It's trivial.")」だって。まあやや行き過ぎな感もあるが、そう言う考え方もあるかな、と。社会科学でも分野にはよると思うんだけど、僕みたいな分野の人にとっては、ある程度は本当だと思う*3

というわけで、どちらも良い本だと思うけど、僕にとっては後者が合ってる気がする*4そして、「時間を決める」というやり方はなかなか良さそうな気がしたので、ここ1週間ほどは、それに従って生活しているが、今のところは機能している*5

*1:彼の場合は平日の朝8時から10時。白人て朝早いよね。

*2:この表現は初めて知った

*3:分析を書く時間に入れてもいいらしいので、それが気分転換にはなるし。

*4:彼は毎日やったことをSPSSデータ形式にしているのだが、そういう心情も理解できるし。

*5:今のところは書く時間は朝10時から1時にしている。