世界は環境問題をどう見ているか(55)

A new 'solar paint' lets you transform your entire house into a source of clean energy
新しい“ソーラー塗料”はあなたの家全体をまるごとクリーンエネルギー源にします。

今回は、ソーラー塗料の話です。ソーラーパネルはご存知の通り空き地や住宅の屋根などに取り付けて、太陽光をエネルギー源として発電するものです。しかし、ある特殊な塗料を塗るだけで、その屋根や壁がソーラーパネルのようにエネルギーを生み出すようになるという画期的な研究が進行中のようです。出典は、米国のビジネスニュースサイト”Business Insider”です。

http://www.businessinsider.com/solar-paint-transforms-your-house-into-a-source-of-clean-energy-2017-6

2017.6.17

<本文要約>
イーロン・マスク氏が会長を務めるテスラ社は、景観にも配慮した発電機能を有する屋根タイルを開発した。さらにこのたび、オーストラリアにて、それを凌ぐようなクリーンエネルギーを生み出す新技術が発明された。
ロイヤルメルボルン工科大学(RMIT)の研究チームはクリーンなエネルギーを生み出す塗料を開発した。その塗料は従来から壁用塗料としてよく使われている酸化チタンを、新しい混合物である合成硫化モリブデンとを混合したものである。RMITのウェブサイトに掲載された報告によれば、その物質はあたかも空気中から湿気を吸収するように太陽光エネルギーを吸収する。そしてそれは水を水素と酸素に分解することができ、その水素を集めれば燃料電池や車の動力として使える。「つまりこのような塗料を塗るだけで、ただのブロック壁をエネルギー生成型の燃料創造体とすることができる。」と主任研究員のトーベン・ダネーク博士は説明した。
この新素材が最終的に消費者の手に渡るようになったとき、ますます増えるであろう革新的な技術のリストに加わる。そしてその革新的な技術は、化石燃料から離れ人間らしさを取り戻し将来的にはクリーンな再生可能エネルギーへ向かう。

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<所感>
 とても面白いです。屋根や壁に塗るだけでクリーンなエネルギー源である水素が発生するんですね。これはこれでもちろん素晴らしい研究成果ですが、実際にはその発生した水素をどのように回収するのでしょうか。それが気になります。
 というわけで、まだまだ課題はありそうです。