新「ロンドンプラン」の評価

2011年7月22日に、「ロンドンプラン」が更新されました(それまでは2004年2月のもの)。2008年5月に当選した新市長(ボリス・ジョンソン氏)によるものです。
http://www.london.gov.uk/priorities/planning/londonplan
Town & Country Planning 9月号の評価によると(p374-377。Martin Simmons著)、評価できる点としては、①民主的手続きもしっかり経ながら短期間で新プランを策定したこと、②地域レベルの計画機関・権限が新政権のもとで廃止される中、ロンドンだけはしっかりと戦略計画を保持できたこと(特に交通分野・経済分野)、③調査や報告書などの客観的根拠がしっかりしておりそれらが公表されていること、があげられています。しかし問題点としては、④ロンドンだけが「一人勝ち」の成長志向の計画であるため(実際にそうなるという客観的根拠は③のような形で示されてはいるが)、他の地域とのバランスの観点が弱いこと、⑤ロンドンを一歩外に出れば地域戦略もその立案主体も無くなってしまっており、圏域としては一体に機能するロンドンと「調整」することがきわめて困難なこと、があげられています。