オガール紫波

日経アーキテクチャー(7月10日号)に紹介されたオガール紫波東日本大震災後の復興のみならず、今後の地方再生の1つの姿をイノベーティブに実践している事例と感じ、さっそく現地へ。
6月20日にオープンした「オガールプラザ」のマルシェは生産者と消費者の接点として楽しそうににぎわい、カフェは人口3万人ほどの町としては驚きの雰囲気。そして8月末の開館をめざす図書館は着々と利用者の登録手続きが進められていました。
施設の運営等は日経アーキテクチャーに詳しいので補足的にこの取組みのおもしろさをあげると、1)もともと1983年頃、町にあるJRの2駅の間に新駅をつくれないかと、町の商工会青年部有志がJRに要望し、目標に向かってカンパを始めるなど地道な運動を重ねてできたのが紫波中央駅。「中央」とついているのがすごいです。2)駅周辺開発時に町有地をつくってここに主要機能を集めることを計画した。3)しかしなかなかそうした計画は進まず、、そこで、、というのが日経アーキテクチャーの記事です。4)駅自体にも工夫がこらされ、町全体でこのフロンティアを開拓(この言葉がぴったりです)していこうという意気込みが伝わってきます。5)おもしろいのはこれから。まだいくつかの「開拓」予定箇所があり、広くアイデアを募っては、その都度、より良いものを1つ1つ手がけていく仕組みが注目されます。
イノベーションというと、何か次元の違う新しいことをやらなければダメ、という感じがしてしまいますが、紫波町(しわちょう)での実践は、ごく普通の「こうありたい」という思いを、既成概念にとらわれずに、熱意をもって、また広く知恵やアイデアや力を募って、1つ1つ着実に実行していくことではないかと思わされます。

[参考]本ブログの「災害復興・地域再生の新たなしくみ」☆リンクファイル