home, homer, homest (登録商標か?)

昨日に続いて夏らしい陽気となった。
全校一斉の漢字テストに続いて、LHRは模試結果とセンター試験の得点率の相関に関して、データを交えて解説。厳しいデータといえるでしょう。
高1は、部活で抜けている生徒もいて、さらに少人数クラス。Martin Luther King, Jr. の話し。
高3は、英語使いの「頭の働かせ方」を身に着けるベクトルでは努力したくないようなので、やむを得ずひたすら類題演習。試験範囲は終わっているので、計400題くらいやることになるでしょうか。多いように見えるのは錯覚で、増えた分はみな類題ですから、突き詰めれば、問われている文法事項・語法というのは、50項目くらいで、その8分の1です。ただ、すでに読了済みの長文5題も試験範囲なんですけれどね。
高2は、段落ごとのまとめで、小見出し・タイトルをつけ、解答解説と照合。語彙と文構造を確認したらあとは、地道に音読シリーズをやりきるだけ。
その後、シュルツの描くピーナツの絵を配した「動名詞習得シリーズ」 (Love is walking hand in hand. などのやつね) で、 “happiness, security & love” を読み込み、各自でオリジナルを1つずつ作成する課題。明日が合評会。どうなりますか。
昨年の今頃だろうか、 “no +比較級 +than” などについて考えていたわけだが、今でもこのブログを訪れる検索ワードではかなりの頻度がある。中高ともに動詞の時制にはものすごくエネルギーを割いて教えるのに、動詞の意味そのものは相変わらず「イメージ」とか「フィーリング」に頼る指導法が多いのと同様に、比較や修飾の指導には時間を掛けたり、工夫を凝らしたりするのに、形容詞の意味そのものはあまり教えられず終いということが多いのだろうか。
毛利可信 『ジュニア英文典』 (研究社) では、pp. 316-317で「慣用語法」のひとつとして、 not more than fiveと no more than fiveを扱っているが、その大前提として、pp.94-105では、「形容詞」を重点的に扱っている。
1 How old are you? I am fifteen years old. (君はいくつですか --- 15歳です)
1’ Tom is now old. Tom is an old man. (トムは今やとしよりだ --- トムは老人だ)
の二つを比べて、「計量用法の性質形容詞」という項目立てをして、極めて適切な説明を加えているのである。

  • こうしてみると、1 の oldは上の oldness (年齢) に対応するものであり、人は生きている以上、<何ほどかの oldness>を持っていると考える。すなわち、生後1日の赤ちゃんは He is one day old. (生まれて1日) といえるし、読者がいま15歳であるなら、読者は自分で自分のことを I am fifteen years old. (私は15歳です) というであろう。このoldが下の<70〜100>の間に記した old (老齢) という意味でないことは明らかである。このように<数値とともに>、<年齢、長さ、大きさなどがどの目もりのまで進んでいるか>を示す形容詞は、単独でその語を用いた場合とは、違った意味に用いられる。このような、つまり上の太字のような用法を<計量用法>という、次の各例形容詞は<計量用法>である。

として、以下の例をあげている。

  • My little brother is five years old. (私の弟は5歳です)
  • This map is three feet long, and two feet wide. (この地図はたて3フィート、よこ2フィートです)
  • My watch is five minutes fast. (私の時計は5分進んでいる)
  • You are two minutes late. (あなたは2分間の遅刻ですよ)

わかりきった形容詞について、こんなくどくどと説明するまでもないと思う人も多いのかも知れないが、結局、この最後の two minutes lateなどの「計量用法の形容詞感覚」が曖昧だから、 “no + 比較級 +than” を特別視し、おまけに「オリジナル」な解説などをやってしまうのだろう。

  • 上で、<計量用法>は<数値とともに>あらわれるといったが、<比較をあらわす文>においては、<数値にあたるもの>として<ほかのものの程度>を用いるのであって、これは実質的に<数値を与えるのと同等>であるからである。(中略) したがって、これからあと、形容詞・副詞の<比較>を研究するとき、<計量用法>のことを念頭におく必要がある。

として、「比較の3級」の説明に移っていく。少々長いが、絶版の学参であり、確かめる術がない方も多いと思うので、敢えて引用しておく。

  • たとえば、 John is older than Mary. は「ジョンはメアリよりも年が上だ」ということをあらわすだけであって、<ジョンが12歳、メアリが10歳>という場合もありうる、そして、<ジョンが12歳>の場合に、John is old. (ジョンはとしよりだ) とはいえない。つまり、olderとはいえても、oldとはいえない場合があるのだから、<比較級は原級よりも程度が上だ>ということにはならない。この点をよく考えるならば、形容詞の<原級>と<比較級・最上級>とは異質の概念であることがわかる。すなわち、<原級>はその形容詞の一般用法であり、<比較級・最上級>はその<計量用法>である。

このレベルの説明が、学参の中だけでなく、教師用指導書にもきちんと書かれていて欲しいものである。もっとも、そのもとになる「教科書」が頼りにならないようでは、無いものねだりなのだが。
某社の営業が準備室まで足を運んで教科書採択に向け、積極的な営業を展開していた。熱心な人で成績も良いのだろう。進学クラスの英語はここ数年ずっと同じテキストであり、おまけに、1年次では『ぜったい音読』を扱っているくらいなので、他教科はともかく、私には声を掛けないだろうと思っていたのだが、

  • 来年度、教科書を変えるなどという…。

と意向を尋ねられたので、

  • 私が教員として英語を教える限り、あなたの会社の教科書は自分からは採用しません。

と強い口調で答えておいた。人には許せるものと許せないものがあるのですよ。

放課後は、湖へ、レース前の地元水域仕上げの練習。
初心者2Xは発艇で、ステッキボートにつけられるよう、バックローと旋回の練習も。結構小回りが利くようになりました。あとはスピードです。まだまだ、ボディーとシートが一緒に出てしまい、エントリー時にはストレッチャーで小休止、というリズムになりがちなので、しつこくリカバリーを。
1Xはようやく、芽が出てきました。最後のスタ練からのスタートスパートでは、満足のいく艇速。これが本番でも出れば十分、3年生とも戦えるのですが、どうなりますか?明日は、放課後、試合会場へと移動し、配艇練習。晴れていれば、7時くらいまでは漕げるはずなので、なんとかスプリント練習までしたいものです。
成年チームも、みな帰山の予定。それぞれが、今の所属チームで成長した姿を見せてくれると思います。努力を惜しまない人が成長していく姿というのは、いつ見ても感動的です。
本日のBGM: frames laid out (WRONG SCALE)

6月23日追記:ohapuruさんのコメントを受けて、毛利本からの更なる引用 (pp.316-317) をご容赦願いたい。

not more than fiveとno more than five
いま<1から10までの整数>だけについて考えることにすると、more than fiveとは<5を超えている数>で、<6、7、8、9、10>をいい、not more than fiveはその<補集合>であるから<1,2,3,4,5>をあらわす。すなわち<not more than five≦5>ということである。これに対し no more than fiveということは<1から数を増していって5でとまる>すなわち<5が限界である>ということで、<たった5>という意味になる。すなわち、no more than five = as few as five = only five であって、<数は5なのだが、<5とは少ない>という気持ちを含む。以上のことを応用して次例を正しく読み取ってほしい。
not less than five (5以上、5,6, 7...)
no less than five = as many as five (5個も)

not bigger than a ten-yen coin (10円硬貨より大きくない)
no bigger than a ten-yen coin (わずか10円硬貨ほどの大きさ --- そんなに小さい)