超ホワイトクリスマス

予定は未定。
天候次第。
まさに南極では自然の前に人間は無力であると感じることが多い。
予定では22日、ザクロ池という場所と大池という場所で地温計の保守作業を行ってから、とっつき岬という場所に取り付けたGPS装置を回収し、S16という内陸の地点へ地震計の回収作業へ行く予定だったのだが、雪が降り視程が悪いためヘリが着陸できないという判断で、地温計の保守作業だけして昭和基地に戻ってきた。
ヘリからの景色は素人目に見ても、大陸と空の境目がわからないくらいで、納得の判断だった。
私たちとは別にS16には先に大きな自衛隊のヘリで3名の隊員と荷物が到着済みだった。その到着済みの荷物には、ありったけの靴下や防寒着を詰め込んだ自分の荷物も含まれていた。荷物だけが内陸に無事到着し、自分は届かず、自分の部屋に残った靴下在庫は洗濯前の汚れた靴下だけという靴下問題発生。
S16には4泊する予定だったので(ロンモチ風呂なし)、せめて靴下くらいは変えようかと思い荷造りしたのだった。
22日の夜には58次隊主催の59次隊歓迎会があり、出席できないはずだった盛大なパーティーにおよばれできたのは幸いながら、靴下の洗濯が気になって仕方なかった。部屋が乾燥しているので、すぐに乾き結局のところ問題はなかった。
それにしても、先にS16へ入った3名の方には、あの大荷物の運搬と雪の中に埋もれた地震計の掘り出し作業を押しつけることになり、大変心苦しかった。
翌日も風が強くヘリは欠航。私達がS16に入れたのは結局クリスマスイブだった。S16は昭和基地と違い、見渡す限り真っ白な世界。
超ホワイトクリスマス!
たぶん一般的に南極といって想像するような景色ではないだろうか。

地吹雪がふきさらし、あらゆるものが雪の中に埋もれていく。地震計も例外ではない。
ここには地震計とインフラサウンドという微気圧の変化をとらえる観測機器が設置してあり、ほぼ毎年データ回収を行っているのだが、年々、それらは雪の中に埋もれていき、蓋を開けるために掘った今年1番深い穴は約185cmだった。

予定していた回収作業も無事に終え、こんな遊びもやってみた↓

風が強くてスプーンですくった氷がぶっとび、うまく食べるのが難しい(^_^;

安全長靴は鉄板が入っているので重くてなかり飛びづらい、、、

宿泊は雪上車。中に二段ベッドがついていて、コンロを広げて料理できたりするスペースもある。トイレはペール缶トイレといって、缶の中に用を足すのだが、ちゃんと便座もついていて、なかなか快適。冷凍品なんかも、外に置いておけば凍ったまま。使いたいお肉なんかは雪上車の中に持ってきて解凍する。

雪上車の燃料はというと、ドラム缶をのっけた橇が置いてあり、そこから適当に給油する。南極大陸版セルフガススタだ。

何もかもが新鮮でおもしろい。
帰りのヘリも風の影響でめちゃくちゃ遅れはしたけど、天気は良くて上空からの眺めが素晴らしかった。