小笠原諸島旅行記③〜二日目後編〜

後編

予定は決まったので後は移動手段。
通常の旅行であればレンタカーを借りるところだが、小さい島なので原付を借りればいいやと
行く前から決めていたので、メイン通りのレンタカー屋さんっぽいお店へと向かう。
ちなみに島内の公共交通はコミュニティーバス的なバスとタクシーがある。
ただし、タクシーは台数が限られているらしく、また時間も限られているとのこと。
もはやタクシーと呼べるのかさえ不明だけど、とにかく島内で自由に動き回りたければ何かしら借りた方が良いです。
もっともツアー等に参加する場合は業者の車で迎えに来てもらえるので、車は不要。
店頭に居た地元の高校を卒業したばかりっぽい感じの女の子に、原付を借りたい旨を伝えたところ
「普段原付は乗られますか?」と尋ねられた。
実を言うと、原付には普段乗るどころかただの一度も乗った事が無い。
まあ、車の運転は慣れているし、おばさんでも乗っているから大丈夫だろと考えていたので
こんな質問は想定の範囲内!と思い素直に「普段は乗りません!」と答えたところ。
「普段乗られない方には電動アシスト自転車をお勧めしています」とキッパリ言われてしまった。
うーんと数秒考えていると「事故も多いので」と更なる追い打ちを食らう。
まあここで事故を起こしても仕方ないので、あっさり懐柔され、電動アシスト自転車を借りる事になった。
レンタル代は三時間で数百円くらい(よく憶えていない)

借りた自転車でとりあえず島の高台にある「ウェザーステーション」向かう。
高台と言うだけあって、途中の道は物凄い激坂。電動アシスト自転車で良かったとしみじみ。
頂上に着くと十数人の先客が。午後からのツアーがもう始まっているらしく、ガイドの方が何やら解説している。
どうやら自転車でここまでやってきたのは自分一人だけらしい…。
肝心の眺めはというと、とても素晴らしい。
太平洋の大海原が見渡せ、絶海の孤島(諸島だけど)に来てしまったことを否が応でも実感させられる。
ウェザーステーションはなにゆえ「ウェザーステーション」と呼ぶのかよく分からないが
想像するに、海況がよく見渡せるから「ウェザーステーション」なのではないだろうか。
父島では山が多く港も入り江の奥まった場所にあるので、外洋が見渡せる場所は多くは無いので。

ウェザーステーションを離れ、一旦山の中腹まで降り、そこから港の裏側にある宮之浜まで降りる。
宮之浜は隠れ家的でとてもきれいな砂浜だった。人影もまばら。

また坂を登り、山の中腹まで戻る。そして反対側の港まで一気に降りる。
自転車のバッテリーを気にしつつ、島のメインストリートを抜け、島の南方向へ進む。
父島は一応東京都なので、ゆとりある財政状況のお陰なのかは分からないが、割と立派な道が整備されている。
意外と交通量は多いし、大型トラックも結構通るので、自転車で走るのは中々神経を使う。
いくつかのトンネルを抜けてたどり着いたのが、境浦海岸。
ここには第二次大戦中に座礁した貨物船が朽ち果てた姿で残っている。
米軍の魚雷をくらった末に、ここまで流れ着いてきたとの事。
海岸、というか砂浜には人影もまばらで、何とも哀愁漂う雰囲気だ。

自転車のバッテリーも減ってきたので、そろそろ自転車を返却しに港へと戻る事にする。
今回は諦めたが、頑張れば電動アシスト自転車で島一週することも可能だと思う。

薄々気が付いてきたが、父島は全体に人影がまばらだ。
狭い島なのにあまり人が目につかない。
300人以上船に乗ってきたはずなのに、他の人達は一体どこにいるのだろうか。
唯一の例外がスーパーマーケットだ。
自転車を返却し、民宿に戻る。
夕食の買い出しにスーパーマーケットに行くことをフジコさんに告げると
「袋はもっているの?袋は有料だからこれ持っていきなさい」とビニール袋を渡される。
そして、いざスーパーマーケットに行ってみると、物凄い人・人・人。
それもそのはず。船の入港日は食料品の入荷日でもあるので、買い物客がすごい事になるらしい。
また、今回はおが丸のドッグ入り前の最後の入港なので、この後は3週間荷物が来ない。
その為、いつもにも増して凄い人出となっているようだった。
店内はレジに並ぶ人の行列で溢れている。
通りの向かいのスーパーマーケットも同様。
これじゃ買えるまで何時間掛かるか分からないなと思い、素直に外食に切り替えることにした。

※飲食店の事はまとめて書く予定です。

三日目に続く。