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東京から飛んで学校図書館を考える

2012-01-08

石巻の学校図書館を訪問

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石巻市立大原小学校2012年1月5日10時18分時点。

 1月4日,5日と,東京学芸大学附属小の中山美由紀さんのコーディネートで,工学院大学附属中・高の有山裕美子さん,千葉県市川市の小学校の太田和順子さん,高桑弥須子さんという4人の学校司書さんたちが石巻市立大原小学校学校図書館再建のお手伝いに行かれると聞きつけ,私も加えてもらいました。saveMLAKの活動の一環でもあったらしい。日常的に学校図書館で働いているわけではない私は,下請け要員であります。
 7時過ぎの新幹線に乗り,仙台駅から石巻駅まで高速バスに乗り,石巻駅からはプロジェクト結の方たちのご案内で現地に着いたのは,お昼ころでありました。学校図書館を見ながら,お昼ご飯を食べつつ,何をしたらいいかという話を皆でしました。13時ころに実際に活動を開始。まずは書架の配置換えをしました。そして,書架で囲んだ絵本コーナーを設けました(最終的にはこの部分を座ったり寝っ転がったりできるスペースにできました)。学校図書館での継続的な雑誌の受入をしていないにもかかわらず,書架の中には面出しができる雑誌用書架がありましたが,これは,表はおすすめ本の面出し用にまた中は書庫的に使うこととしました。そして,学校図書館の入口入って左側からNDCの0類を配置するべく,その時点で,震災後に,書架から飛び出してしまってとにかく戻されていた本たち,寄贈として届いていた本たちを,いったんどんどん机に移しはじめました。そして,NDC第一区分に改めて大まかに分けながら,再度,排架していく作業をはじめました。絵本とそれ以外に本をまず分けます。後者の「それ以外の本」は,物語(9類)とそれ以外,そしてマンガに分けます。これらも悩むものは数知れず,簡単じゃないですぞ!そして,物語は,日本の物語と外国の物語に分け,そのあと文の責任表示の五十音順で並べます。このような大まかな分類の作業の一方で,あらかじめ高桑さんが作って持ってきていた,NDC第一区分の各類を示すサインを付けていって,排架作業の目安を得ました。さらに,震災後の寄贈図書を,中山さん,有山さんが持って行ったyomuparaこのバーコードリーダーを使って,リスト化しはじめました。ここまでで,15時くらいになりました。
 ちょっと,学校から差し入れていただいたおやつを食べてお休みして,作業を再開。夕方までに,書架の本を机に出し,書架をお掃除し,ということはひととおりしました。宮城県立図書館の方たちの視察があったりしても,ご挨拶、対応は一名で(つれなく?いや,失礼にもと言うべきですね)して,あとはとにかく作業継続。もう,引越し前夜の,段ボール詰めが終わらなくてしっちゃかめっちゃかで眠れなくて泣きそう,みたいな状態で,泣く泣く,学校を後にしました。
 石巻市内に夕食,そして温泉に,プロジェクト結の方たちに連れて行ってもらって,その間,ずーっと,翌日の作業の見通しを話し合ってました。明日一日でできる範囲の作業とはどのようなところまでか,ということについて真剣な意見交換。そうして,プロジェクト結の中川綾さんの非図書館専門職の視点からのご意見に納得して,キハラさんのこのシールを使うことを学校側に提案することにしました。また,NDCの分類3桁を,本の裏表紙を開いたところに鉛筆ですべての本に記載することにしました。それを,上述のシールに書き写して貼っていくことは,私たちがいなくても素人さんもできるよね,ということで。今回の私たちの2日限りの訪問の後は,プロジェクト結が公募しているボランティアグループの人たちが引き継いでくださるということでした。
 そして,翌日5日は,朝8時半少し前から15時半くらいまでずーっと,排架と分類をとにかくひたすら行いました。10時40分くらいから,低学年のお教室に,2名が,読み聞かせとおはなし(素話)とエプロンシアターをしに伺いました。しかしそのほかは,お昼の時間を除いて,ひたすら,排架と分類。そうして,終わりました!と思ったら,最後,帰る直前になって,書架1段分の分類が行えていないことが発覚。校長先生も鉛筆を持ってくださって,分類を書きこみました。これで蔵書数3000冊,震災後の寄贈本が300冊と聞いていましたが,それらすべてがひととおり書架に戻りました。この間ずっと,廃棄候補の本(重複した古い本とか,壊れている本とか,一見で廃棄候補となるものだけですが)を廊下に出して行っていて,最後は,どうだろう・・数えなかったけれど,百数十冊が,廊下にあったかなと思います。これらの一連の作業は,だいたい,学校図書館の整理,再建の活動としては,一般的なもの,流れかなと思います。新潟中越地震のときも,同様の活動をしたと,今回ご一緒した司書さんたちからもうかがいました。私も,以前,関西で,”行列のできる学校図書館”プロジェクトで,同様の作業を行ったことがありました。
 といったことで,今回は達成感いっぱいで,高揚した気分のまま学校を去りました。が・・作業中からずっと,子どもの減った,図書館のことに時間を割ける教職員のいない小規模学校の学校図書館について,これからどうなるのかなー,どうしたらいいんだろう,って思っている。図書館って,まず"継続"です。。
 12学級以上の学校には司書教諭が配置されることとなったとはいえ,11学級以下の学校は残る半分もある。なのに,それは知識としては知っていても,そこを十分に切実な気もちで見ていなかった,考えていなかったと反省しきり。12学級以上の学校の司書教諭が,図書館のために割ける時間が無い例が多いことには憤慨してたのだけど。。というのは要するに,(以下,言いわけ)学校図書館関係者と自認する人たちと関わっていると,まずは一応,学校図書館に強い関心をもつ人たちとの交流となるからなんですよね。そういう自己認識のある教職員のいない学校の事情がなかなか見えてこない。
 戻ってからここ数日,中山さんや司書の皆さんは,メールで,図書の整理作業をしながら気づいた,本の足りない分野のリストアップをして大原小学校に提案しようとかって,作業を継続しておられる。
 そんなことを横目に見ていて,私もさらにさらにさまざまさまざま思うところあり。さて,私は今回の経験をどう今後に活かせるか?
 この「さらにさらにさまざまさまざま思うところ」をもっと書きたいが,今日はちと頭,限界。明日は,5日夜から7日お昼まで滞在した,陸前高田市図書館について書きます。

(1月8日朝に追記)そう!プロジェクト結の方たちと一緒に,みなと水産のお嬢さんが私たちとずっと一緒に作業してくださった。私たちが泊めていただいたのも,元はこのお店の従業員の方たちの休憩所だったとか。この会社の明太子(楽天のサイトにリンク)--お嬢さんのお話によれば,しそ明太子が人気らしいが--ほんとおいしそー,くいしんぼう中村は,必ず注文しようと思っております!
 いやあ,地元の人たち,プロジェクト結の人たち,すごいよ。誠実に,きちんと生きてると思った。作業中はずっと,プロジェクト結の方たちがいてくださって,今回のボランティア受け入れが実現しているな,と思ってました。石巻との縁がもともとは無い私たちが,こうした作業をさせてもらえたのって,プロジェクト結への信頼からです。

(1月9日夜に追記)プロジェクト結さんのブログの記録。写真がいっぱいあるし,私の文章よりずっとよく,当日のことなど,わかる。