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東京から飛んで学校図書館を考える

2018-02-19

ALA冬季大会@デンバー

 ALA Midwinter Meeting 2018に行ってきました。冬季大会ははじめての参加です。2月9日から13日といつもの年より時期が遅かったこと,また,昨年11月に発表されたAASLの新しい学校図書館基準について学びたかったことから,入試業務を調整してもらい,少し免除もしてもらって,行ってきました。ありがたい機会でした。
 新学校図書館基準『学習者,学校図書館員,学校図書館のための全国学校図書館基準』(National School Library Standards for Learners, School Librarians and School Libraries)は,314ページと大部であり,会員外への定価は199.00 USDと高価でもあって,過去の基準とはちょっと違うものであろうとすぐに推測はされたのですが,入手してみて,グラフィックが多用されているものの,文化的背景を共有しない私たちには特に,理解にだいぶ時間がかかりそうだという印象を私はもちました。インターネット上にもさまざまな情報は出ているのだが,それらを入手しても,どうも腑に落ちない。しかし,今回,ALAの大会に行ってみても,学校図書館関係の集りはどれも小さく,それほど基準のことで盛りあがっている感じもない。はてさて,と思っていたら,AASL Standards and Guidelines Implementation Task Force,つまり,新基準の実現に向けての特別委員会代替わりの引継ぎミーティングに,オブザーバーとして参加を許可してもらうことができました。これが,基準策定のプロセスを(部分的にではあるが)リアルに知ることのできる,大変貴重な機会となった。デンバーまで出かけて行ってよかったと思えました。
 端的に申しまして,やっぱり,アメリカ人というのは,自治の強い意志をもつ人たちなのだなあということがよくわかりました。日本でこれができるかと言ったら,私は少なくとも今の日本では大変難しいと思います。基準を作る委員会も,その実現(現場での導入を意味する)に向けての具体的な方策提案する委員会も,別に,図書館情報学の大学教員なり,現場の学校図書館員なりをしている人たちが中心で,そこにALAの本部から担当者が貼り付けられてサポートするという進め方。文科省による指針,指導のようなものも無く,すべてを自分達で作りあげている。また,参加している人たちは,少なくとも実現に向けての特別委員会のメンバーについて言えば,自ら手をあげて参加に至っており,その献身は,life-changing event(人生が変わるようなできごと)だったと言っていた。そしてできあがっている基準は,前述のように大部で,複雑で,一朝一夕に理解できるようなものじゃない。もう少しシンプルでもいいのじゃないのと私個人は思わなくも無いが,前回の基準くらいからか,なんだか複雑化しているよね。評価・評定の視点っていうことを考えると,細かく,具体的な記述も必要になってきて,そうなっちゃうのかなあ。この新基準については,今朝,カレントアウェアネス-Eの編集部に原稿を送りました。簡単な概要説明をさせていただきました。そのうちアップされるかと思います。
 その他,おもしろかったのは,オクラホマ大学の若いライブラリアン2人の発表で,図書館のもっている情報資源を使ったボット(bot)による自動応答システム開発の報告。こちらは,日本でも,私もやってみたいと思うようなものでした。自動レファレンスサービスに展開して行くような流れかもしれないですね。あとは,ALA会長企画の「図書館は中立か(Are Libraries Neutral?: Have they ever been? Should they be?)」というパネルディスカッションや,大会閉会式を兼ねた,二人のサイエンス・ライターの対談(Bill Nye and Gregory Mone)が印象的でした。院生たちと一緒に翻訳してもいいなあと思った。申しわけないのだけど,昨年のJLAの企画と比較してみると…いやもう,昨年,記念講演のスピーカーの名前を見た瞬間に,私は行かないと思いましたもん。呼ぶ人,間違えてるよ,ほんとに。彼じゃあ,図書館の"未来"が見えない。ま,若い人が聞きたいと思う人を呼ばない時点で,きっと未来なんか考えてないんだよね。あ,すみません,また筆が滑りました,ハハハ。

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