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東京から飛んで学校図書館を考える

2018-07-25

テュービンゲンとシュトゥットガルトの大学図書館

 昨日,書きましたように,ドイツに来た主な理由は,シュトゥットガルト・メディア大学で開催されているサマースクールの見学でしたが,この3日で,テュービンゲン大学図書館シュトゥットガルトメディア大学の図書館,そしてシュトゥットガルト大学の図書館と3館を見学できたので,簡単なメモを残しておきます。
 テュービンゲン大学,創立1477年…ってほんとかよ!と思ったら,街の本屋さんの屋根に,創業1596年って。どうやらほんとだね(笑)。立教大学で,こちらの大学の4週間のサマースクールに行くというプログラムをしていて,その関係で知った大学なのですが,ドイツに着いた翌日,電車とバスを乗り継いで,行ってみました。ツイート(@RUL_Dean)もしましたけど,とにかくこちらの図書館は混んでいて,学期末ゆえでしょうが,もう大変なことになっていました。席がすべて埋まっている。この図書館,増築をしたのか,違う建物と後からつなげたのか,いくつかのブロックに分かれているのですが,すごくよくできていて,入ってすぐの1階はちょっとおしゃれなカフェテリアでまず,あふれんばかりの人が勉強したりごはん食べたりにぎやかにやっている,そして2階にあがって図書館に少し入っていく雰囲気になると,最初はリラックスした開放的な空間にいくつものソファと職員の方たちがいるサービスデスク。そしてもっと奥に行くとどんどん静かな,書架と勉強机が並ぶスペースへ,と移っていく。建物は古いし,すごく混んでいるんだけれど,とってもいい雰囲気でした。ちょっとだけおしゃべりしながら,(これはたぶんだめなんだけど)タッパーに入れて寮からもってきたフルーツを口に運びながら勉強している学生たちを見て,自由に使っているなあ!と。でも,学期末のこの時期の日曜日の図書館の目的は学習スペースの提供なんだから,いいよね。フルーツはにおいも少ないから,ちょっとくらいなら,いいよ!見て見ぬふりできる。書架の様子,サービスデスクの様子から,図書館サービスは専門職がデザインしているだろうことが推測できた。ドイツライブラリアンシップはやっぱり底固いなって印象を受けました。

 その次に見たのが,シュトゥットガルト・メディア大学の図書館。こちらの大学,実は,2001年に,100年以上の歴史をもつ印刷に関する専門大学と,1942年創立の図書館学の専門大学が合併してできたそうで。f:id:to-yurikon:20180723134515j:image:w360:right今の立地にはもともと,印刷の大学の方があって,図書館学は今の,かの有名な,シュトゥットガルト市立図書館のあるところにあったとのこと。そこはもうシュトゥットガル中央駅の近くで,ビル街なので,今の,緑あふれる立地,でも交通の便も悪くない,という場所はいいなって私は思いました。こちらの図書館のビルは,ツイートもしたので見ていただけているかもしれませんが,まだ建てて数年ということで,近代的な,新しい建築図書館の中も,とってもおしゃれで洗練されていて,素敵でした。OPACなんかは,iPadをスタンドに立てている(写真参照。この写真の右側の曲線は2階に上がる階段)。f:id:to-yurikon:20180723134130j:image:w360:leftそして,新しい,スキャナコピー機はある?と聞いたら,すんごい奥まった隅っこにあって,スキャナの方が利用者が多いのかなって感じがするくらいでした。このスキャナUSBに落とす形だそうですが,その後,テュービンゲン大学図書館でも同じ会社のものを何台も見かけました。テュービンゲン大学図書館では,コピー機は見かけなかった。
 シュトゥットガルトメディア大学は,新しいのに,ラーニングコモンズにあたるスペースは,別棟にありました。f:id:to-yurikon:20180724134435j:image:w360:rightラーニング・センターと,案内してくださった先生は英語で表現していました。こちらは,いろいろな形の椅子,机を置いて,なるべく自由に学べるような空間にしたとのこと(ピンクの大きなソファは,ここの部屋に置かれていたソファの一つ。小さなお部屋みたいになっている)。それでおしゃべりが活発になりすぎてしまうこともあって,なんと!デシベルを測っているそうな。録音はしていないよ!と強調していましたが,デシベルが高くなりすぎると,誰かが注意するんでしょうか?f:id:to-yurikon:20180724133032j:image:w360:leftこのラーニングコモンズがある建物,入ってすぐのところに,ラジオ・スタジオがありました。学生がDJをして構内にラジオが流れているそうで。いやぁ,欧米の大学は,ほんとうに,学生の自治を尊重するよなあ!

 そして最後に見たのが,シュトゥットガルト大学の図書館。この三つめに来て,共通点として気がついたのが,テュービンゲン大学図書館と同様,複本が結構あるなあ,ということ。教科書的なものは複本を躊躇なく入れている模様。そして,サービスデスクは入り口近くの一つしか開いていなくて,もっと奥の方にもデスクはあるけど人がいない(閉じている)ということ。あと,お取り置きの図書は,自分で取っていく形式だということ(写真はシュトゥットガルト大学の棚)。合理化が進んでますわ。人間は,専門的なサービスの設計,提供にあたっていると推測しました。f:id:to-yurikon:20180724172614j:image:w360:right

 さて,あとは,先ほど言及した,市立図書館の見学をしていますが,こちらはツイートにて。サマースクールのことも,ツイートします。ツイートの方が短くて,いちおう,立教大学のofficial twitterなので,慎重にしかツイートできませんが,まあやっぱり,ラクかな。ブログはそれなりに時間かかって。ブログではなにかしらオチをつけようとしているのかな,もしかして私(笑)。いや,ついてないけど。

Yui HigashiyamaYui Higashiyama 2018/07/25 13:17 気になったのでコメントさせていただきます。
ドイツの教科書は、使い終わったら学校に返す制度になっていると聞いたことがあって、(自宅にないから)図書館に「教科書的なもの」の複本が多いことと関係がある?と思ったのですが、どうでしょうか。でも、大学図書館だから別の理由があるのかなと思ったり。
ポーランドの学生はぜんぜん教科書を買わない(1冊の現物をみんなでコピーしまくっていて驚いた)印象を受けて、図書館に教科書があったのはわかる気もしたのですが、ドイツの学生は、そんなことはないですよね?

to-yurikonto-yurikon 2018/07/25 14:24 Higashiyamaさん,貴重な情報提供,ご質問,ありがとうございます。まあ,教科書を買うのって日本くらいじゃないの,というまた暴言を(笑)。一般論として,世界共通で,教科書が大学で必要なのは,基本的には理系ですよね。基礎と言ってよい,いちおうの"真理"が膨大にある学問分野。人文・社会科学でも,大学教員が(自分で書いた本を)学生に買わせているのは,たぶん日本流でしょう。もっとも,安いけど。ドイツの大学で教科書がどう使われているか,これから会うドイツ人の大学教員に聞いてみますが,私が知っているアメリカは,あと春に行ったオーストラリアでも,教科書は,学内のお店(生協のような)で,先輩たちが売ったセカンドハンドのものが売られていて,そちらが中心。それにあぶれたら新しいのを買うのでは。そもそも,紙の教科書(本)にこだわっているのは,今や世界で日本だけじゃないか?!昭和の習慣を引きずっているのだよなあ。昭和の人間の割合が,人口で多すぎるのかな。
 と,話がずれそうになったが,本文に書き落としましたが,テュービンゲン大学は長い歴史をもつ人文・社会・自然科学の大学,シュトゥットガルト大学は理系でも工学その他の応用科学系のようです。

to-yurikonto-yurikon 2018/07/26 16:12 Higashiyamaさん,聞いてきました!えっと,ドイツの大学では,教科書は買うか買わないかは本人の判断だが,何度も参照したり,書き込んだりすることになるだろう基本的なもの以外は買わないので,図書館が複本を大量購入しセメスター単位での貸出に応じてきた,ということです。かつては,そのための専用の部屋が用意されるくらいのことだったそうです。しかし今はもう,教員たちはなるべく教科書や参考文献をデジタル体で提供できるようにしているので,図書館では印刷体のものは,教科書のようによく読まれる可能性のあるものでも2〜3冊だけ所蔵すればよくなった。1冊は禁退出にして残し,残りは貸出可能にする,ということでした。複本に抵抗がない理由は,あなたの推測どおり,教科書の仕組みだったですね!ご指摘,ありがとうございました。

Yui Higashiyama Yui Higashiyama 2018/07/26 17:34 おおー!わざわざありがとうございます!
そういえば、ポーランド時代、セメスターをとおして使うテキストも毎週のリーディングも、google driveで共有していて、私の「教科書」はデジタルだったのを思い出しました(それだと心許ないと思った私は1冊だけAmazonで本を買ったら、それをマスターにされた)。こちらこそありがとうございます。お帰りもお気をつけて。

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