「渡米実業団」日録

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 今から約100年前の1909(明治42)年、東京・大阪など6大都市の商業会議所を中心とした民間人51名が3ヶ月間にわたりアメリカ合衆国の主要都市を訪問し、民間の立場から、日本とアメリカの経済界を繋ぐパイプづくりに大きく貢献しました。
 この日録では「渡米実業団」(Honorary Commercial Commissioners of Japan to the United States of America)と呼ばれた日本初の大型ビジネスミッションの日々の出来事を、『渋沢栄一伝記資料』に再録された資料等で追いながら、過去に遡る形で掲載しています。

 1909(明治42)年11月1日(月) 日本への発電「華盛頓に着す」(竜門雑誌)

竜門雑誌』 第258号 (1909.11) p.43-46

華盛頓に着す(ワシントン十一月一日発電)
今朝華盛頓に到着し、直に自働車にて市内各官衙華盛頓紀念塔・廃兵院等を見物し、次に国務省の接見室にて、国務卿ノツクス氏及ウヰリヤム次官に面会す、渋沢団長は特に一室にノツクス卿と談話を交換す、一同は陸海軍省・大蔵省に於て各次官に面会し、白堊館を見物し、正午ニユー・ウヰルラード・ホテルに入る、午後は特別仕立の汽船にてメトヴアノンに赴き華盛頓の墳墓に詣で、渋沢団長は花環を墓前に捧げ、一同紀念の撮影をなし、同宅を訪ひ、夕景旅館に帰る、夜は世界第一の図書館を見物し、上下両院を参観し、終りて商業倶楽部のレセプシヨンに臨むべし
(『渋沢栄一伝記資料』第32巻p.262掲載)


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