碁の戦術

碁の戦術 (マイコミ囲碁文庫シリーズ)

碁の戦術 (マイコミ囲碁文庫シリーズ)

今年読んだ十数冊の中では一番良かった本です。我流でやってきて、かつ低段くらいの人*1が読むと、得るものが多いと思います。
まさに私がそうなんですが、我流でやってると、基本的なことを知らなかったりします。知識として知ってはいても、理屈が分からなくて身に付いてないことがあるのです。たとえば、「むやみに形を決めない」「利かした石は軽く見る」とかいったことですね。こういった知識は、本などでは知っていて当然の前提として扱われますし、読者としても「何故かは知らないけど、そういうものらしい」くらいの理解で放置していたりするものです。
はじめのうちはそれで良いのです。最初から細かいところばかり気にしていると、混乱して打てなくなっちゃいますし。それに、まあ、だんだんと分かってくる部分もあるので、さほど問題にはなりません。
でも、少し上達してくると分かってきた分だけ「だから何でそうなるんだよ!」なんて消化不良を起こすことも徐々に増えてきます。それに、やっぱり知識の鵜呑みでは上達の限界がありますし、ある段階で、基本的な知識の理解を深めておくことは必要でしょう。
そういう知識の解説が1冊にまとまっていて、かつ、分かりやすい本はあまり多くありません。というか、私が気になっていたところがまとまっていたのはこの本だけかも。一桁級上位〜低段くらいの間で一度は読んでおくべき本だと思います。

*1:まあ、私のことですw