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公益財団法人渋沢栄一記念財団情報資源センターがお送りするブログです。
渋沢栄一、社史を始めとする実業史、アーカイブズや図書館に関連する情報をご紹介しています。

 1894(明治27)年10月28日 (54歳) 王子製紙創業20年祝賀式 【『渋沢栄一伝記資料』第11巻掲載】

栄一当会社創業二十年祝賀式に臨み祝辞を述ぶ。席上感謝状及び記念品を贈らる。

出典:『渋沢栄一伝記資料』 2編 実業界指導並ニ社会公共事業尽力時代 明治六年−四十二年 / 1部 実業・経済 / 3章 商工業 / 6節 製紙業 / 1款 抄紙会社・製紙会社・王子製紙株式会社 【第11巻 p.84-92】
・『渋沢栄一伝記資料』第11巻目次詳細
http://www.shibusawa.or.jp/SH/denki/11.html

1873(明治6)年、渋沢栄一は「抄紙会社」を設立しました。同社は洋紙産業の魁となり、1876(明治9)年に「製紙会社」、1893年明治26年)には「王子製紙」と名称を変更しました。
渋沢栄一伝記資料』第11巻p.85-91には、1894(明治27)年に開催された創業20年祝賀式での栄一による祝辞が、『竜門雑誌』第78号(1894.11)p.1-17からの転載として紹介されています。その中で栄一は、学問・文化の発展には廉価で迅速な印刷が関係する、それを支えるのは製紙事業である、と述べています。

    青渊先生の祝辞(簗轍君 速記)
 左に掲ぐるは本年十月廿八日、王子製紙株式会社創業二十年祝典の節、先生の演説せられたる筆記なり
[前略] 明治維新後第一に進むべきものは文運である、此文運が進歩致さねば国家の智識は発達する訳に参らぬ、智識が発達せねば凡ての事業も挙らぬ、故に西洋各国は総て此文運の発達に大層注意をする、扨て其文運の発達は百種のことがござりませうが、之を要するに印刷が便利で夫が且つ速でなければならぬと云ふことは最も関係の多いものである、其印刷が価廉く、且つ便利にして速になるのは何かと云へば、即ち紙を製する事業与つて大に力あると云ふことは、欧羅巴なり亜米利加なり各国に例のあることである、当会社は此に見る所があつて始めて此洋紙製造の事業を企て起したのでござります、[中略] 日本の工業と申すものゝ中で、濫觴若くは嚆矢と申得らるゝものは此製紙会社であらうと思ふ、[後略]
(『渋沢栄一伝記資料』第11巻p.85-86,91)

参考:沿革 - 企業情報
王子製紙株式会社〕
http://www.ojipaper.co.jp/comp/about/history.html
渋沢栄一関連会社社名変遷図 >> 製紙業
渋沢栄一記念財団 渋沢栄一
http://www.shibusawa.or.jp/eiichi/companyname/001.html
渋沢栄一関連会社社名変遷図 製紙業
 

 「ビジネス・アーカイブズ通信」No.10掲載

10月20日に配信したメールマガジン「ビジネス・アーカイブズ通信」No.10を、10月27日、実業史研究情報センターのウェブサイトに掲載しました。
ビジネス・アーカイブズ通信(BA通信) No.10
渋沢栄一記念財団 実業史研究情報センター〕
http://www.shibusawa.or.jp/center/ba/bn/20081020.html

■文献情報:アーカイブズと金融危機 1
  □リーマン・ブラザーズ・コレクション
   ハーバード・ビジネス・スクール ベイカー図書館
■行事情報:ビジネス・アーカイブズ・カウンシル(BAC)年次大会 2008年11月12日 ロンドン(イギリス)
  □大会テーマ: 「いつものやり方を超えて:持続可能なビジネス・アーカイブズのための戦略」
■行事情報:スコットランド・ビジネス・アーカイブズ・カウンシル(BACS)会議 2008年10月 グラスゴー(イギリス)
  □テーマ:「スコットランドのエネルギー:石炭から再生可能なエネルギーへ - 1945年以降のものがたり」
■文献情報:ビジネス・アーカイブズ ウェブサイト 2
  □ウェルズ・ファーゴ社のウェルズ・ファーゴ・ヒストリー・ドット・コム
■文献情報:ビジネス・アーカイブズ論文集 1
  □『企業アーカイブズと歴史:過去を活かす』(1993年)

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