是より先当会、其主催せる勝海舟事蹟資料展覧会の閉会後、重なる資料を宮中西溜間に陳列し、皇后陛下及び皇太子殿下の台覧に供す。栄一、是日付にて当会会長平山成信より、右に関する報告を受く。
出典：『渋沢栄一伝記資料』 3編 社会公共事業尽瘁並ニ実業界後援時代 明治四十二年−昭和六年 / 1部 社会公共事業 / 4章 道徳・宗教 / 5節 修養団体 / 6款 財団法人清明会 【第44巻 p.75-76】
・『渋沢栄一伝記資料』第44巻目次詳細
http://www.shibusawa.or.jp/SH/denki/44.html
1925（大正14）年11月3日から8日まで、上野の日本美術協会で勝海舟の事蹟を振り返る展覧会が開かれ、勝海舟の意見書、書簡、草稿やその他著書、遺品などが公開されました。『渋沢栄一伝記資料』第44巻p.75-76には、展覧会に1500余名の観覧者が訪れたことや、閉会後の11月9日から13日に主な展示物が宮中西溜間でも披露されたことが、『清明会要覧』（1929.03）からの転載として紹介されています。
展覧会を主催した「清明会」は1918（大正7）年に設立された修養団体です。展示会開催前年の1924（大正13）年、渋沢栄一は清明会の顧問に就任し、「清明文庫」（勝海舟の事蹟資料を保存するための施設）建設の資金集め等に協力しています。
参考：[今日の栄一] 1924（大正13）年10月3日 （84歳） 清明文庫の設立披露会
〔実業史研究情報センター・ブログ「情報の扉の、そのまた向こう」 - 2008年10月3日〕
http://d.hatena.ne.jp/tobira/20081003/1223005927
参考：平山成信（ひらやま・なりのぶ、1854-1929。明治・大正期の官僚、枢密顧問官）
〔『国立国会図書館月報』No.530（2005.05） - 国立国会図書館〕
http://www.ndl.go.jp/jp/publication/geppo/pdf/geppo0505.pdf#page=4
