フィルム回帰

前回の記事で扱ったWERRA4、気になっていたので実写してきたのですがどうもフィルムを押さえる力が弱く巻き上げ時にパーフォレーションギアが空回りを起こして半数ちかくに二重露光が起こってしまいました。

二重に写っておりますな。とは言えやはりTessar 50mm F2.8の発色には目を見張るものがありますね。特に空の色。あ、空中に大きなゴミが見えますね。EPSON GT-X820 でスキャンニングした際に付いたようです。みっともないですね。
で、WERRA4の名誉のためにもう一枚

WERRA4にはフジのPROVIA100Fを放り込んで写したのですがこれが今日唯一入手できるリバーサルフィルムになってしまいましたね。熟練が必要な外式処理のコダクロームはもちろんの事、好きだったエクタクロームも消え失せてしまいました。やはりデジタル化の大波にフィルム文化が飲み込まれてしまったみたいです。フィルムが無くなることは非常に残念でなりません。2012年のイーストマン・コダック社の倒産はまさにこの時代の流れを象徴する出来事といえますね。でもリバーサルフィルムは何としても残しておいてほしいのです。といういのもステレオ写真にはこれがないとどうにもなりませんから。

僕もご他聞に漏れず普段はデジカメを使って写真を撮っています。でも最近なんか気分が乗らない事が多くなってきていました。よくよく考えてみると電気的に処理されたものを写真とは言い難い気持ちがあることが分かりました。所詮デジカメは家電製品です。自分の感じたものを表現するプロセスに電気的なものを介入させることへの違和感が拭えないのですね。写真表現はあくまで印画紙の上に自分の思いを焼き付ける行為であってディスプレイ上でサクサクッと作るものではないのだと。
ということで、暗室を復活しました。引き伸ばし機は今まで使っていたフジB690が光線漏れを起こしてしまいお釈迦になったのでサブ機のF670MFを据えました。どうせ35mmで四つ切り以下なのでこれで充分でしょう。
一応カメラはご覧の二台

手前がNikonF100、左奥がF3hpです。F100が最近気に入って使ってます。一世代前のフィルム機のフラッグシップF5の機能そのままをギュッと小さくしたカメラでモードラが最初から付いたF5のデカさに躊躇していた僕が速攻で買ったカメラです。乱視が進んだ目にAF機能が有り難いのとF3にはないスポット測光が付いたのがマニュアル派には強い味方ですね。そしてやはりカッコいいボディ。たぶんこのF100の造形がその後のNikon Dシリーズのフォルムの基本になったのではないかと思うくらいです。フィルムは当然モノクロ、フジPRESTOが長尺でまだ数巻残っていますのでそれを使い切る事にしてその後はACROSに切り替えます。というかそれしかないんです、モノクロフィルム。コダックT-MAXがまだありますが、使った事がなく現像処理にまた試行錯誤しないといけないのでひるんでいるんです。

話は変わりますが同じフィルムつながりで、最近テレシネという言葉を聞くようになりまして、つまりフィルムで撮影した動画をデジタルに置き換えることをテレシネと言うらしいのですが、これを非常に興味深く思っているんです。かなり以前ビデオカメラが世に出る前、8mmにも現をぬかした事がありその時のカメラや映写機、スプライサーがこのテレシネ作業をすることで再び陽の目を見る事になるやも知れないと思い、押し入れの奥から取り出してみました。

じゃ〜ん、手前がNikon R10 SUPER 左がR8 SUPER です。どちらもスーパー8仕様です。シングル8と違いスーパー8は操作部がカメラ左側にくるので撮影には非常に扱いやすいですね。それにしてもこうして見るとやはりNikon、二台ともカッコいいです。たしか後にも先にもNikonが手掛けたスーパー8カメラはこの二機種だけだったように思います。(あ、スーパーズームというのがあったかな)ただR8は露出計にH-D、いわゆる今は無き水銀電池を使わねばならないのとEEロックマニュアルダイアルが全面のレンズ下にあって使いづらいので、やっぱりここはひとつ真打ちR10にご登場してもらわなくてはならないでしょうね。それにしても二台ともF2フォトミックやF3とデザインに共通点があるように思いますね。さすがこの時代のNikonデザインはワクワクしますね。(ちなみに最近発売されたデジカメDfに食指が動かないのはわざとらしさがいやらしいと思うからなんですな)
幸いスーパー8フィルムはいまだに販売されているということ(さすがにサウンドはなしですが)ですので一丁撮影してみましょうかと思っています。
ちなみに昨日から沢山の撮影済みフィルムと購入した映画(ほとんど蒸気機関車もの)を懐かしさ一杯で観ています。中には秘密で買ったちょこっとエロいものもあり、これがなかなか面白いです。