ポケモンXY感想−24話目

第25話「ショウヨウジム戦! ピカチュウチゴラス!!」


 ブログタイトルは「24話」、本文は「25話」ですが、「24回目の感想に、25話の内容を記載する」という意味です。

 韓国船の沈没事故。
 無理な改装、指定航路外、急激な進路変更、過積載、乗組員は先に逃げるし、救助訓練もしていなかった……。さらには日本をはじめ各国の救助支援を断り、結果、未だに200人近い行方不明者がいる……。
 被害者の多くは、まだ未来がある高校生たち。修学旅行中の事故と言うことで、救助されなかったことが悔やまれます。ただ報道を聞いていると、ここまで被害を拡大したのは、適切な救助や教育を行っていなかった韓国の船舶会社、そして救助を断った韓国政府であることに、疑いの余地はありません。


 そんな事故を受け、“沈没船を調査する”内容の、第24話クズモー回は放送延期。ショウヨウジム戦が一足早く放送される運びとなった。

 ショウヨウシティに着いたサトシたちは、この町の特色やイベント的なことを見ないまま、山の上のショウヨウジムへ。ジム内部はロッククライミングの仕掛けが巡らされた、まさしくゲームを忠実に再現したものだった。
 ピカチュウと言う重しを肩にのせ、壁を登るサトシ。やっぱり帽子をまわしてこそサトシって感じがする。続いて登ろうとしたユリーカと、それを止めるシトロンにほっこり。良い兄妹や。

 苦戦しながらも、崖を登り続けるサトシ。ふと上を見れば、険しい表情のザクロと目が合う。……あらやだカッコいい。どんな壁でも登らずにはいられない壁萌えお兄さんのイメージから一変、挑戦者を見守る、いちジムリーダーの姿だ。
 そう言えばビオラにせよザクロにせよ、バトルシャトーとジム内で服装が違うのがまた興味深い。バトルシャトーは雰囲気的に正装の必要があるためだろうが、まずゲームでは見られない表現だ。各服装からキャラの性格や恰好が読み取れそうなのは、アニメならではだろう。

 壁を登り切ったサトシに、ザクロは声をかける。
 登るときに何を考えていたか、どこを見ていたか。壁を制覇した後は、私と言う壁があります。今度は私を制覇して下さい、チャレンジャー、と。
 そして、壁を登るように、チャレンジャーにも無心で這い上がってきて欲しい、とも。
 ……やっぱりカッコいいなこの人(笑)


 フィールドに立つサトシの姿を見て、何故か硬い表情のセレナ。
  ユリーカ「セレナ……なんか顔怖いよ……」
  セレナ「ホ、ホント? やだ……」
  ユリーカ「変なの。バトルするのはサトシなのに」
  セレナ「だって……ハクダンジムの時はよく分からなかったけど、今は、バッジを取ることがどんなに大変か分かる。バトルシャトーのバトルを見てから、サトシ達は、ザクロさんに勝つことだけを目標に、ずっと頑張ってた――。サトシ達がどんなに頑張ってたか、私たちはみんな知ってる。……だから、つい力が入っちゃうの」
  ユリーカ「みんな、一生懸命特訓してたもんね」
  セレナ「みんなの努力が、実を結びますように……!」


 
 ……セレナ、完璧にヒロインだ。文句の付けようがなくヒロインだ。表情の可愛さも さることながら、これまでバトル経験の少ないセレナが、バトルを意識し始めていることの表れが感じ取れる。ビオラ戦で はしゃぎながら観戦してた時とは大違いだ。サトシを見守ることで、彼女自身も大きく成長していたのだ。
 また、ここのユリーカの言葉も、変化を敏感に感じ取る子供の表現が現れていて感心した。

 セレナやユリーカが感じるほど、ザクロ戦対策に力を入れていたサトシ。……クズモー回でどんな特訓をしていたのだろうか。


 このジムのバトルは変則的で、ザクロがポケモン2体に対し、挑戦者は全ポケモンで挑むらしい。ホミカ戦と同じパターンだ。
 そしてゲーム風のカットインでバトル開始……だけど、どうせならヤヤコマもカットに入れてあげようよ……。



 まずはケロマツVSイワーク
 ケロマツが突っ込む場面、弾かれる場面、イワークを囲む場面と、動く動く。その動きに応じたカメラワークと背景の連動も、躍動感を醸し出している。

  ザクロ「岩タイプの凄みを味わって貰いましょう。“がんせきふうじ”!」
 ……胸元でクロスさせた両腕を〜体勢を右に傾けながら両脇に払い流す! なんだその動きは!?

  シトロン「特訓の成果が試される時が来ました!」
  ユリーカ「大丈夫ー行けるー!」
 ……その特訓が見れなかった訳ですよ。

  サトシ「今だケロマツ! 特訓の成果を見せてやれ!」

 その掛け声とともに、ケロマツは“がんせきふうじ”で降り注がれる岩を足場にし、上へ上へと登って行った!

  ザクロ「こんなことが……!」
  サトシ「みんなで特訓して、この動きを編み出したんです!」
 ……その特訓が見れなかった訳ですよ。

  ザクロ「たいしたものですね!」
  サトシ「名付けて! “がんせきふうじ封じ”!」
 ……あんだって!?

  セレナ「やった! “がんせきふうじ封じ”!」
 ……セレナもなに普通に“ふうじ封じ”とか言っちゃってるの!? ホント、クズモー回で何があったって言うんだよ!?

 イワークの上を取り、“みずのはどう”を打ち込むケロマツ
 しかしザクロもやられっぱなしではない。イワークに“アイアンテール”を指示し、ケロマツがフィールドに下り立った瞬間に打ち放す。
 それをケロマツは……体を反らして回避! イナバウアーマトリックスの要領だ。そう言えばイナバウアーって「イナ・バウアー」選手が開発したらしいですね。


 回避した瞬間、ケロマツイワークの巨体を一気に上り詰め、顔面ゼロ距離で“みずのはどう”を発射! イワークを攻略した。ケロマツ格好いいぞ!

  サトシ「攻撃は最大の防御。それがオレのバトルです!」
 久々に聞くこの響き。前作のバトルスタイルを引き継いでくれるのは嬉しい。

  ユリーカ「サトシーピカッとカッコいい!」
 やっぱりユリーカは可愛らしいな。


 さて、ザクロの2体目はチゴラス。サトシはケロマツを続投。
 イワークと同様、“かげぶんしん”で攻める一方、チゴラスイワーク同様、“がんせきふうじ”で攻めてくる。イワークのそれよりワザのスピードが早いのが、シトロンの解説だけでなくきちんと描写され分けていたのがまた良い。
 サトシは“あわ”で反撃するも、チゴラスの想像以上の脚力で上を取られ、まさかの“りゅうせいぐん”でケロマツはダウン。“りゅうせいぐん”のエフェクトがBW編から変わってなかったのは少し意外だった。

 サトシの2体目はヤヤコマ。タイトルからしヤヤコマが負けることは分かっていたが、チゴラスの脚力に対抗する手段として出したとすれば、それは納得できる選択だ。

 ……と思った矢先のシトロンの発言。
  シトロン「チゴラスのジャンプ力は驚異的です。これじゃ飛行タイプの有利性がまるで活きない!」
 残酷なこと言わんであげて!

 結局ヤヤコマは2分足らずで倒されてしまったが、チゴラスのワザを避けて“はがねのつばさ”を一発打ち込んだ。全く役に立たなかった訳ではないが、もう少し活躍させてあげてもいいような気が……。


 最後はピカチュウ
  サトシ「チゴラスのワザは分かりました! あとは勝つだけです!」
 おっとサトシにしては挑発的な発言。
  ザクロ「言ってくれますねぇ。でも“がんせきふうじ封じ”は“りゅうせいぐん”には通用しません。ましてピカチュウは電気タイプ。チゴラスの方が圧倒的に有利ですからね!」

 ……しかし、それを通用させてしまうのがサトシの凄いところ。“りゅうせいぐん”を生身で足場にするのは危ないので、“アイアンテール”で弾く形で、“りゅうせいぐん”を突破した。
 負けじとチゴラスの“ドラゴンテール”。それが“アイアンテール”と衝突し、大きな衝撃が生まれる。

 ……一瞬の間を挟み、互いに見つめなおすサトシとザクロ。
  ザクロ「大したものですサトシ君」
  サトシ「オレ達はバトルの中で進化していくんです」

 ここでザクロが勝負に出る。自分の一番好きな技だという、“がんせきふうじ”で。対してサトシは、それを“アイアンテール”で弾き返す。……と、岩がチゴラスの口に嵌った! それも、弾き返した岩が、ではなく、弾き返した岩が他の岩に当たり、その岩が口に嵌ると言う、あくまで偶発的な見せ方で。
  ザクロ「なにっ!?」
 そりゃあ口に嵌るとは思ってもいなかっただろう。

  ユリーカ「入っちゃった!」
  シトロン「これで“かみくだく”を封じた! 接近戦で行けますよ!」

  サトシ「オレも一番好きな技で行きます! “10万ボルト”だ!」
 さっそくシトロンの言った接近戦を無視。しかしここで“エレキボール”が出ないことに一安心。やっぱりピカチュウは“10万ボルト”じゃないとね!

 結果、この一撃でチゴラスはダウンした。
 バトル後のサトシの“みんなのおかげです!”という発言でも見れるように、ケロマツヤヤコマチゴラスにダメージを与えていたおかげで、“10万ボルト”で勝利できたのだろう。


 迫力のバトルを終え、印象的だったザクロの発言。
  ザクロ「このリベンジは、バトルシャトーで!」

 これはバトルシャトー再戦になるのか? はたまた“バトルシャトー編”でも打ち出すのか? それとも単なる社交辞令で終わるのか?
 何はともあれ、XY編になってから、ジムリーダーが単なる単発ゲストでは無くなっているのが非常に好印象。ザクロさん良い人なので、また出てきて欲しい。



 ● 総括
 クズモー回延期により、どんな特訓をしたかは分からない。けれどセレナの発言から見て取れるように、サトシたちの努力は決して小さいものでは無かったのだろう。
 動きや展開、キャラたちの想いなど、見ているほうもついつい感情移入できる、質の高いジム戦。多分行われていたであろう特訓の成果が実を結んだ、ビオラ戦以来の熱いバトルだった!

 そして、クズモー回は放送されるのだろうか。この先スペシャルが予定されている以上、それまでには放送しないと狂いが生じるような……。



 はじめ手を繋いでるように見えてビビった。