ポケモンXY感想−35話目

第36話 「スカイバトル!? ルチャブルファイアロー!!」


 今回は明らかにヤヤコマガ進化する。しかし、それだと映画と矛盾が生じる。これどうすんだよ。

 ……と思いつつ映画を見たところ、うん(苦笑)
 まさか本編に“ 登 場 さ せ な い ”という手法があったとは。しかし、OP恒例の「ポケットモンスター、縮めてポケモン〜〜〜この少年、マサラタウンのサトシは〜〜〜」の部分で、数秒“ ヒ ノ ヤ コ マ ”が映った時には何かもう……。


 さて、雄大な自然が広がるカロスキャニオンという所で一休みするサトシたち。ポケモンを全て出す。

 こう、全ポケモンが一緒に出るシーン、かなり久々じゃないだろうか。そしてみんな楽しそう。本当にこのメンバーは見ていて微笑ましい。

 その時、突如上空を横切る何か。……鳥か!? 飛行機か!? ……いや、鳥人間だ!

 “スカイトレーナー”と さも当然のように言っているが、何でお前たちは平然と浮いてるんだよ。それ絶対滑空するスーツだよね。
 興味津々のサトシたちに、どこかの係員と思われる男性が話しかける。

  セレナ 「あれって、スカイトレーナーですよね?」
  係員 「あぁそうだよ。スカイバトルをやっていたところさ」
  サトシ 「バトル!? それってどうやったら参加できるんですか?」
  係員 「まずは飛べるようにならないと」
 ……おいちょっと待てや。なにサラッと凄いこと言ってるんだよ。飛べるように……だぞ!?

 練習をするため係員に着いて行くと、あれだけ雄大な自然が〜とか言いながら、すぐ近くにスカイトレーナー用のデカい施設が建っていた! ……でも、逆にリアルだったり。実際の観光地もこのパターンが多い。


 スカイスーツ……空飛ぶ夢のような道具だが、ユリーカは身長制限に引っ掛かる。その理由を「スーツが小さいと翼も小さくなって危険」と描かれているのが好印象。単に身長制限で済ましても問題ないことに、明確な理由付けを持ってくることで、話が丁寧に作られていることが分かる。

  ユリーカ 「あたしもやりたい〜〜〜!」
  シトロン 「ユリーカ、規則なんだから我慢我慢」
  ユリーカ 「む〜〜〜」
 おい可愛いぞユリーカ。
  セレナ 「じゃあ私、ユリーカと一緒に見学するわ」
  ユリーカ 「いいよ。セレナはやって。私はデデンネと見学するから」
  「りーま、りま」
  ユリーカ 「ハリマロンとも」
  「りぃま!」
 セレナ良い子! 完全にお姉さんだ! そして勝手に出てきたハリマロン、なかなか良い奴だな。見直した。


 着替え完了。ぴっちりスーツは細身のセレナに良く似合う。……変な意味じゃないぞ。

 飛べる原理としては、カロスキャニオンを吹き渡る風が上昇気流となって吹きあげてくるらしく、それに乗って飛ぶらしい。……いやそれ、風が止んだら終わりちゃいますか?

 専用の装置で練習しているサトシたちの横で、しょげるユリーカ。
  ユリーカ 「みんなして子ども扱いするんだから。もぅ大きいのに……」
  「でねね〜」
  「りーまりーま」
  「ぴかぴかちゅ!」
 おいやっぱりこいつら可愛いぞ!


 ヤヤコマルチャブルを出して練習中のサトシ達に、ナミと呼ばれた女性が近づいてきた。何かと思えばバトルを申し込む。

  係員 「スカイトレーナーでインストラクターのナミさんです」
  セレナ 「さっきスカイバトルしてた人ですよね!?」
  ナミ 「見ててくれたの〜? さっきの相手ホントに弱くて。次の相手探してたのよ〜」
 おい仮にもインストラクター! 対戦相手を貶すな! 一応バトル相手は客だぞ、多分。

  サトシ 「オレはヤヤコマで勝負するぜ!」
  「やっこやこー!」
  ナミ 「私のポケモンはね〜」
  「ふぁぃあー!」

  ナミ 「ファイアローヤヤコマとバトルよ」
  ファイアロ 「いや、話にならんがな」
  ヤヤコマ 「おいそれどういうこっちゃ!?」
  ファイアロ 「ルチャブルとならバトルしてやってもいいぜ?」

  ヤヤコマ 「新人に出し抜かれたやてー!? オレ30話以上前からいるのに!?」  
  サトシ 「でもヤヤコマもやる気になってるし……」
  ヤヤコマ 「もうぇぇ……グレてやる……」
  サトシ 「……あれ?」
 なんだか初めてヤヤコマガ可愛く見えた。


 なんやかんやで、ルチャブルファイアローの勝ったらヤヤコマもバトルして貰えることに。ヤヤコマをボールに戻そうとするサトシに、ユリーカが声をかける。
  ユリーカ 「サトシ、ヤヤコマは私にまかせて」
  サトシ 「……あぁ、頼むよ」
  ユリーカ 「おいで〜」
 おっと、ユリーカとヤヤコマの絡みは珍しい。確か3話あたりでデデンネポケモンフーズ横取りされて怒って泣かされてたけど、それはもう不問ということか。ここでヤヤコマを預かるのは、単にユリーカがポケモン好きだから、では無いことが、後々分かってくる。


 さっそくカロスキャニオンでスカイバトル開始。この高い崖から、命綱もないスカイスーツで、練習もそこそこに、大空へと飛び立つサトシには頭が下がる。普通だったらできません。

 ルチャブルファイアローのバトルを、しょぼ〜んとした感じで見つめるヤヤコマ

  ユリーカ 「ヤヤコマ、元気出して。あのファイアローは、ヤヤコマが小さいから見くびってるのよ。ルチャブルが勝ったら、見返してあげよ!」
  「やっこ……」
  ユリーカ 「小さくても大丈夫」
  「やっこぉ?」
  ユリーカ 「私と一緒よ。小さいからって、バカにしないで欲しいわよね。小さくても、私たちにしかできないことがあるのよ」
  「やっこ!」


 ……まぁ、ルチャブル負けたんだけどね。
 ルチャブルはその姿の通り、滑空ができるだけ。自由に空を飛び回れるわけではない。結果的に……これルチャブル1発も攻撃できなかったぞ。

  ヤヤコマ 「オレの……出番が……」
  ユリーカ 「ヤヤコマ……」

  ナミ 「アタシの勝ちね」(ドヤァ)
  サトシ 「はい……。ヤヤコマに何て言おう……」
  ユリーカ 「ナミさん、お願いがあるの。ヤヤコマと、バトルしてあげて」
  ナミ 「でもそれは、ルチャブルが勝ったらの話でしょ」
  ユリーカ 「お願い!」
  サトシ 「オレからもお願いします!」
 ユリーカ……良い子や! ホントこの子良い子!


 そんな時、ファイアローロケット団に捕まった。……今回は割と何の脈略もなく出て来たな。
  ムサシ 「このファイアローは頂いて行くわよ〜」
 何故ファイアローを奪ったのか……。
  ナミ 「アタシのファイアローを返しなさい!」
  サトシ 「待てー!」
  セレナ 「返しなさいよー!」
  サトシ 「逃がさないぞ!」

 スカイスーツを利用して、飛んで気球を追いかける4人(シトロン除く)。
  ムサシ 「えぇっ!? アンタ達、いつから飛べるようになったのよぉ!?」
  コジロウ 「卑怯だぞ!」
 ……うん。至極当然なツッコミを入れてくれた。

 で、セレナが空中でフォッコを背中に繰り出すという、絶対スカイスーツで空飛ぶの初めてじゃないだろ的なワザを披露。“かえんほうしゃ”で気球を攻撃、墜落。ファイアローにも危険が……。

  セレナ 「逃がさないって言ったでしょ!」
  ムサシ 「飛べるからって生意気な!」
 今日のセレナは攻撃的だなぁ。

 そしていつものようにバトルスタート。ヤヤコマファイアローを助け出し、素早い動きでバケッチャを倒す。何か今までで一番輝いてたような……。
 助けられたファイアローも加勢し……というより“だいもんじ”1発でロケット団を撃退した。

  コジロウ 「飛べたぁ! 飛べた飛べた!」
  ニャース 「自分の力で飛んでる訳じゃないのニャ」
  ムサシ 「あのスーツ欲しぃ!」
  「やな感じー!」
 コジロウの目が輝いていた……ように感じた。


 助けてもらったお礼……と言う訳ではないが、ファイアローヤヤコマとバトルしてやってもいいというような表情。しかしナミは、「バトルしたがってる」と。どちらが正しいのか。

  ユリーカ 「あなたの力、見せつけてやるのよ」
  「やっこやこぉ!」

 バトル開始。
 ヤヤコマは小ささと素早さを活かしてファイアローの攻撃を避ける避ける。未進化ポケモンが進化ポケモンに対抗できる唯一の手段が、体長を活かした回避行動だ。
 “つつく”攻撃をクリーンヒットさせるも、“ブレイブバード”を喰らい、背後を崖に追い詰められて一見不利な状況に。ここでファイアローが“はがねのつばさ”攻撃を繰り出すが……。
  サトシ 「かわして上昇だ!」
 ファイアローの攻撃の“タメ”を突いて、一気に上空へと回避した。
 わざと追い詰められてこれを狙っていたらしいが……え? これ単なる回避じゃね?
 避けた隙をついて攻め込むならまだしも、そういった気配は無し。どちらかと言うと「避けたぜ凄いだろドヤァ!」みたいな印象を受けたのだが……まぁ、小ささによる小回りを活かした回避方法、という解釈でいいのだろう。

 ここからナミが焦ってくる。“ブレイブバード”、“だいもんじ”を立て続けに指示してくるが、ヤヤコマは“かげぶんしん”などを利用して華麗に回避。“かまいたち”を直撃させた。

  ナミ 「遊びの時間はここまでよ! “はがねのつばさ”!」
 ヤヤコマは回避しようとしたが、動きを読まれたのか、ファイアローの攻撃が直撃。
  ナミ 「ヤヤコマのかわし方、学習したのよ! 決めるわよ! “だいもんじ”!」
 ※これでもインストラクターです。

 “だいもんじ”はヤヤコマに直撃。これはマズい、焼き鳥になっちまう!

 ……その時、炎の中から強い光が! ここでヒノヤコマに進化した! これで安心して映画を見られるね!

 進化と同時に覚えた“ニトロチャージ”で攻めるヒノヤコマ。カロスキャニオンの崖を破壊しながらファイアローを追い詰めるが、元ネタと思われるグランドキャニオンが世界遺産に登録されていることを考えると、果たしてその攻撃はアリなのか……?
 素早さをどんどん上げながら、3回目の“ニトロチャージ”がファイアローを直撃。地面に撃ち落とされ、ダウンした。

  ナミ 「まいったわ〜。ビックリしたよ、アンタのヒノヤコマ!」
 ※これでもインストラクターです。
  ユリーカ 「ヒノヤコマ〜やったね! 私、信じてたよ! あなたがやってくれるって!」
  「やーま! やまやまやぁーま!」
  ユリーカ 「ヒノヤコマ、ばんざーい!」
 ホントユリーカ可愛過ぎないか今回。


 鳥人間を終えたサトシたちは、再びシャラシティを目指す。
  サトシ 「色々ありがとうございました」
  シトロン 「楽しかったです」
  セレナ 「また遊びに来ます」
  係員 「ねぇユリーカちゃん、もう少し大きくなったら……」
  ユリーカ 「うん! 今度こそ飛ぶから!」
  係員 「スーツ用意して待ってますねぇ!」
  ユリーカ 「うん! 絶対よ!」
 仕草と言い会話と言い、今回異常なほどユリーカ可愛いなぁ。


 ● 総括
 ヤヤコマ大活躍回。36話にしてようやく報われたような気がした。ゲストキャラである係員のふわっとした感じ、ナミのバトル一直線なキャラもなかなか良かった。
 いやそれよかやっぱり、今回はユリーカの可愛さが全部持って行ったような気がした。小さくてバカにされたヤヤコマを自分と重ね合わせ、進化や勝利を全力で喜びはしゃぐユリーカ。こうやって少しずつ成長していくんだなと、見ていて微笑ましくなるストーリーには、とても好感が持てた。やっぱり小さい子がレギュラーにいると違うね!


 ● おまけ
 これプレイヤーにダイレクトアタックする軌道だわ。