ポケモンXY感想−38話目

第39話「ポケモン・サマーキャンプ! ライバル三人組登場!!」


  プラターヌ 「やぁみんな、お久しぶり。僕はプラターヌ。このカロス地方で、新人トレーナーたちの旅立ちを支援している、ポケモンの研究者だ」

  プラターヌ 「いよいよ恒例のポケモンサマーキャンプ。ポケモンとトレーナーで、マーベラスな思い出を一緒に作ろう!」

 のっけから何言ってんだよ博士は……。
 自分としては「ミナミちゃん口説き事件」以降、博士をまともな目で見れなくなってしまっているので、こうも堂々と視聴者にアピールされると、何とも言えない感覚を抱いてしまうのだが……。


 サトシたち一行は、シャラシティに向かう途中でこのサマーキャンプに参加する。プラターヌ博士に招待して貰ったらしい。ちょうど映画公開期間、変に話を進めないための足踏みイベントと捉えるべきか。

 それにしてもプラターヌ博士、テンション高い。メガルカリオの話題を聞いて、またマーベラス。もうホント、マーベラスが口癖なんじゃないかってくらいマーベラスを連呼する当たり、マーベラスに相当な思い入れがあるのではないかと勘ぐってしまうほどマーベラス好きなんだろうなこのミスター・マーベラスことプラターヌ博士
 もっとも、「マーベラス(marvellous)」とは英語で“素晴らしい”というような意味(主にイギリスで用いられる)。カロスであるフランス語では「メルヴェィ(merveille)」が相当することを、付け加えておこう。


 そんな中、背後ではロケット団が調理師に扮して夕食の準備中。プラターヌ博士主催のキャンプに参加することを見越しての潜入らしい。ついでに参加者のポケモン総強奪と、志は高い。「信頼第一で頑張るわよ〜!」と言っている当たり好感が持てる。
 でもこの人たち、バイトなんですよねぇ。資金調達しつつ〜のスキを見てポケモン奪う〜のパターンは、当初から続くロケット団の王道パターン。仕事に嵌って悪事を忘れることもあったりするが、それがまたロケット団らしくて良い。ホント、BW編では何があったと言うのか……。


 キャンプ参加者は、いくつかのチームに分かれるらしい。サトシたち一行はチーム・ケロマツ。チームごとに部屋が割り振られ、海辺のコテージに腰を下ろすサトシたち。
 さっそく二段ベッドの上段をキープするユリーカが相変わらず可愛らしい。
 窓からは海が一望でき、これがサマーキャンプと言うことで、アニメ本編初の水着が期待できる。

  シトロン 「キャンプと言えば、セレナとサトシは、初めて会った時のことを思い出すんじゃないですか?」
  サトシ 「そうだな。また良いキャンプにしようぜセレナ!」
  セレナ 「もちろん!」
 早いもので、あれからもう18年以上経ってるんだね。……あれ?(笑)


 その時、海岸からバトルの声が聞こえて来た。
 ローブシンの相手をするのは、こう、妙にぐわんぐわん動いているゼニガメ。そのトレーナーは踊るデブ。

  *** 「だぁ〜! チョロチョロするな!」
  デブ 「ちょろちょろしちゃうYO! このステップが僕らのやり方〜!」
 何だろう、この、心の底から湧いてくる、殴りたい衝動は。

 ただ、ゼニガメは楽しそうにバトルをしていた。ダンスのステップを取り入れたバトル――コンテストに通ずるものがある。

  デブ 「勝利の秘訣はこのステップにアリ〜♪」

 ごめん、やっぱりこいつ殴りたい。


 やっぱりと言うか、サトシは踊るデブにバトルを申し込む。と同時に自己紹介。マサラタウン出身であることを驚かれたが、やはりカロスとカントーは相当な距離があるらしい。そう言えば今さらながら、主人公ズで黒髪はサトシだけだ。

 で、踊るデブはセレナに心当たりがあるらしい。デブに似合わぬ機敏な動きで、1人の少女を連れて来た。
  デブ 「ほら、この子!」
  サナ 「ホントだ! 初めまして。セレナだよね!?」
  セレナ 「なんで……名前知ってるの?」
  サナ 「だって見たもん、ポケビジョン!」
  セレナ 「えぇっ?」
  サトシ 「ポケビジョンって確か……」
  ユリーカ 「あの時のプロモーションビデオ!」
 おっと、まさか“あの時の”ポケビジョンが再度登場するとは。完全に使い捨てだと思っていただけに、ここでのすくい上げはちょっと意外。

 そして、完全にオチ担当だと思っていたシトロンver.も堂々と再登場。まさかこっちも取り上げるとは……。ってか後悔するなよアレ……。


  サナ 「アタシはサナ! よろしくね!」
  セレナ 「サナ……よろしく!」
  サナ 「アタシね、セレナのこともフォッコのことも、とってもキュート〜って、要チェックしてたんだよ!」
  セレナ 「ありがとう」
 公式のセレナ美少女設定、再び来ました。

 で、そのポケビジョンはポケモンセンターで見られると言うことで、敷地内のポケモンセンターに向かう一行。
 サナが操作するパソコンに、ポケビジョン一覧らしきものが映し出される。そこには再生数らしき数字が。

  サナ 「ほら、これがセレナの。けっこう再生数あるでしょ〜?」


 
 ……まさかの4万越えである。セレナの公式プッシュが凄まじい。
  セレナ 「そっかぁ。これ、そんなに見られてるんだ……」
  サナ 「ねぇねぇ、フォッコにも会わせて!」
  セレナ 「えぇ。出てきてフォッコ!」
   「ふぉっこぉ〜」

  サナ 「ほんものキュート過ぎ……やっぱり本物は最高ね!」
  セレナ 「ありがとう」
  サナ 「尻尾のお手入れ大変じゃない? こんだけキラキラ艶々してるんだもん」
  セレナ 「ありがと〜。いつもブラッシングしてるから。サナも、ポケビジョン作ってるの?」
  サナ 「私はいっぱい作ってるよ〜」

 これらがサナの投稿したポケビジョン。ペロッパフの人気の無さが非常に気になるところだが、イチオシらしきフシギダネポケビジョンは2万越え。
 しかしそのフシギダネは社交性が欠けているらしく(サナ談)、ピカチュウフォッコの挨拶を無視! 確かに社交性欠けてるわ。
 セレナが作ったポフレも、トレーナーであるサナから与えられないと口にしないというひねくれ者。そんなフシギダネがポフレを食べると……。

 笑ったらしい。よく分かったな……。


 とそこに、ヒトカゲが元気よく登場。「あぁヒトカゲ!」と嬉しそうに発言するサトシ、ヒトカゲには思い入れがあるもんな。BWDa編で書下ろし回想シーン出したくらいだもんな。
 元気と言うよりかはヤンチャで、いつも他のポケモンと喧嘩が始まるんだとか。
 ヒトカゲのトレーナーはトロバ。3人の中では一番影が薄い子だ。

  トロバ 「あぁ! もしかしてセレナさん!?」
  セレナ 「え……?」
  ユリーカ 「有名人! ポケビジョン効果ね!」
  トロバ 「サナが、すっごい可愛い子がいるっていつも言ってて、ポケビジョン何度も見せて貰ってたんですよ!」
 ……これ少し間違えれば告白同然じゃね? 公式のセレナ推しが凄まじい。

  セレナ 「えぇ……なんか……恥ずかしいよ……」

 おいなにこの可愛い子。なにその仕草。なにその可愛げな声。ヒロインだ! この子完全にヒロイン演じ切ってる! なんで髪で顔を隠そうとするの? 狙ってるの? 誘惑してるの? なんでそんな行動取れるの!?

 完全に我々を狙いに来てますよポケアニ。でも、こいつ↓のせいで台無しになった。

 そろそろ殴っていい?

 どうでもいいことだけど、トロバが持ってるカメラ↓

 絶対これだよな↓


  ※画像はAmazonスクリーンショット

 買おうか迷ってたからすぐに分かった(結局買わなかった)。

 そんなトロバの夢は、図鑑に登録されているポケモンを全てに会い、未知のポケモンを発見したいんだとか。
 トロバ、サナ、踊るデブ。みな同じ日に旅立って、夢に向かって頑張ってるそうで。
 トロバが尋ねる、サトシの夢は何かと。それはもちろんポケモンマスターになること。17年来の夢だ。それを聞いて、ピクッと反応するセレナ。
  セレナ 「夢か……」


 さてさて、サマーキャンプの始まりだ。
 1週間のサマーキャンプで、1日ごとに課題が与えられ、運営側でその出来栄えを評価するらしい。1位は10ポイント、2位は7ポイント、3位は3ポイントが与えられ、総合得点を競うんだとか。

 それでまぁ、1日目は顔合わせのバトル大会。得点なしで自由にバトルしていいとのこと。
  サトシ 「もちろんオレの相手はティエルノ、今度こそバトルだぜ!」
  デブ 「オーライっ!」
  サナ 「セレナ、アタシたちも!」
  セレナ 「うん!」
 以下、余り。
  トロバ 「と言うことは、僕たちですね!」
  シトロン 「お手柔らかにお願いします!」


 バトルスタート。まぁ導入部分と言うことで、なかなかあっさりとした展開だった。

 サトシと踊るデブのバトルは、ケロマツVSゼニガメプラターヌ博士から貰ったポケモン同士でバトルするらしい。……多分、ケロマツの「貰った」は、ゼニガメとは若干意味が異なってると思うが、まぁ細かいことは気にしない。
 攻撃を続けるケロマツだが、リズミカルなゼニガメに、攻撃は当たらない。踊るデブの夢はポケモンダンスユニットを作ることだけあって、ゼニガメの身のこなしは鮮やかだ。
 “こうそくスピン”で迫りくるゼニガメに対抗して“みずのはどう”を打ち込もうとするも、ゼニガメのスピードは速く、首元を突かれそうになったところで審判ストップ。踊るデブの勝ちとなった。


 セレナとサナのバトルは、フォッコVSフシギダネ
  サナ 「フシギダネ! キュートに決めるよ!」
   「だねだねっ!」
  セレナ 「わぁ……」
   「ふぉっこぉ……」
  サナ 「もぉ〜セレナももっと盛り上がってよ〜」
  セレナ 「私、こんな風に審判がいて、公式にバトルするの初めてなの」
   「ふぉっこぉー」
  サナ 「えぇ? トレーナーなのに?」
  セレナ 「そうなんだ」
  サナ 「わぁ〜お! ってことは、今日はセレナの公式デビュー戦ってことね!」
  セレナ 「そっか……デビュー戦! 頑張っていこうね、フォッコ!」
   「ふぉっこ! ぐるるるるぅ……!」
 果たしてこの大人数で乱れた状況を公式戦と呼んでいいのか悩むところだが、ようやく、ホントようやく、セレナ本人のバトルを見れることになりそうだ。
 “かえんほうしゃ”と“エナジーボール”のぶつかり合いは、“エナジーボール”の方が威力は勝っていた。それはフシギダネが強いのか、フォッコが弱いのか。
  サナ 「アタシの夢はね! 世界一のポケモンパフォーマーなの!」
 唐突に言いだしたけど、ポケモンパフォーマーなんてあるのか。ポケモンとトレーナーが一緒に作り上げる夢のパフォーマンスらしいが、そう言われても全然実感が湧かないのは、オレの理解力が無いからなのか? ポケビジョンと違うの? 踊るデブとは違うの?


 シトロンとトロバのバトルは、ハリマロンVSヒトカゲ
 このトロトロコンビは特筆すべき点が見つからなかったので省略。


 ところで、こいつらは何をしているの?


 バトル後は夕食の場で親睦会。

  シトロン 「サトシにはいつも驚かされることばかりなんです。ポケモンのために何が出来るのか、行動で見せてくれるんですよ」
  サトシ 「いや〜それほどでも」
 いや、ポケモンを守るために生身で“おにび”を喰らったりしてる訳だから、もっと誇っていいと思うよ。

  サトシ 「だったら、科学の力、シトロンの発明も凄いんだぜ。いつもオレ達を助けてくれるんだ」
  シトロン 「発明が大好きなんです。ポケモンに役立つ発明を作っていきたいです」
 ストーリー的に、この発言をシトロンの夢と捉えて良いだろう。
  ユリーカ 「お兄ちゃんの発明は凄いんだから!」
 ……どしたユリーカ、鏡の設定を間違えて持ってきたか? という冗談は置いといて、実は兄を信頼しているユリーカが、とても可愛らしい。カレーを「あ〜むっ」って言いながら食べてたし、こういった配慮を忘れないのも、また好感が持てる。

 セレナもバトルを楽しんでいたみたいだし、限られた時間の中で、参加、ルール説明、ポケモンの性格、サブキャラの自己紹介、バトル、夢――と、よく違和感なくコンパクトに詰め込んだものだ。


 これで終わりかと思いきや、ロケット団のシーンが挟まる。そう言えばロケット団のバイト時、話のラストにちょこっとシーンを盛り込まれることが多かった気がする。

  コジロウ 「みんな美味しく食べてくれてるぞ」
  ニャース 「コジロウのレシピのおかげニャ」
  ムサシ 「アタシがいっぱい味見したからよ!」
  コジロウ 「そこは威張れないだろ」
 なんだろう。このシーンだけで、ロケット団が根は良い奴だってことが伝わってくる。ホント、BW編は何だったのか。

 そこに現れた、キャンプ地管理人のおばちゃん。子供たちの評判が良かったとのことで、ギャラのアップを宣言!
 いやぁ、やっぱりロケット団とバイトのシーンは相性が良いと言うか、見ていて気持ちが良い物だ。DP編のポケモンリーグ売店バイトでも売上アップに貢献していたし、もうホント、真面目に働けよお前ら(笑)



 これで終わりかと思いきや、最後にセレナにスポットを当ててくるとはまた憎い。
  セレナ 「ポケモンマスターかぁ……」
   「ふぉ〜?」
  セレナ 「サトシだけじゃない……シトロンやサナも、ティエルノもトロバも、みんな夢を以って旅してる……」
 ここでフォッコがセレナをなめるシーンが可愛い。
  セレナ 「ちょっと……焦っちゃうな……」

 皆、夢を持って旅をしている。対してセレナは、サトシに会うためだけに家を飛び出して、早10か月。焦るのも無理はない……と言うより、やっとセレナも自覚し始めたか。
 このサマーキャンプを通じて、セレナの目標は見つかるのだろうか――。

 
 ……水着は?


● 総括
 ついに始まったサマーキャンプ。全4回からなるその導入部は、顔合わせとキャラの特徴、そして今後の方向性を示す、ゆったりとした回だった。
 予想以上にセレナに重点を置くことが予想され、アニポケXY開始10か月にして、ようやく彼女の今後の目指すものがはっきりするかもしれない。


● おまけ
 さりげなくサトシの唇を奪うサナ。この後、セレナとサナの壮絶な死闘が繰り広げられたのだが、それはまた別のおはなし。