めっきり使わなくなったモノ。の巻

オアシス/bird


今日、

机の整理をしていると

分厚いシステム手帳が出てきた。


学生時代、

重いなぁ〜、

かさばるなぁ〜

と思いながらも、

常に肌身離さず持ち歩いていた

大事なモノだ。




今日、

『彼』

を手にしてふと気づいた。


そうだ。

パソコンや携帯電話がいつの間にか、

『彼』

の存在を追いやっていたのだ。




ということで、

その分厚い手帳を

久しぶりに開いてみると、

ものすごい量の書き込み。

開いても、

開いても、

開いても、

同じような文がズラーっと書かれてある。


あー、

やってたなぁ…

こんなこと。




詳しくいうと

それは

『文』

では無く、

ただのメモ。


つまり、


『欲しい曲のメモ』


なのだ。



例えば、

Mondo Grosso/Laughter In The Rain(Murphy's Jazz Mix)
United Future Organization/Listen Love
Stevie Wonder/Pastime Paradise


などなど、
興味の無い人が見たら
なんだこれ?


という内容。



このメモは、

好きなDJのプレイリストや、

彼らが雑誌等でリコメンドしていた曲、

試聴機で聴いた曲、

友人から教えてもらった曲、

クラブでブースにいるDJに声をかけて教えてもらった曲、

等などを、

このシステム手帳に書き溜め続けたモノだ。


今となっては、

携帯電話にメモ機能があるので、

この手帳も

いつの間にか必要が無くなってしまっていた。



当時学生の俺は

もちろんお金も無く、

髪の毛も自分で切るほどであったが、

少しでも安く、

DJ用のネタ(曲)を増やそうと

『中古レコード店

に通っていた。



ダブルスクール

ちょうど

新宿にあったので、

勉強の後によくレコ屋周りをした。

(これがメインともいう。)



電車に乗っている間や、

ヒマな時、

なにげなく空いた時間に

『彼』

をパラパラとめくり、

欲しい曲と

アーティスト名を

覚えるようにした。



なぜそうしたのか?

理由はコチラ↓




いざ、

レコ屋へ。



早速、

お目当ての曲を探していると、



隣から


『シャカ!シャカ!シャカ!』


と、

他の客がネタを次々と出し入れする音が…



そうです。

ここに居るみなさん、

音楽マニアなんです。



ジャケットを一瞬見ただけで、

『これ、ちがう。』

『これ、ちがう。』

『これ、ちがう。』

『あ、これ…(ジャケ裏を確認。)…ちがう。』



という一連の動作を繰り返しているのです。



彼らのかもし出すこの音が、

DJ初心者の俺の気持ちを一層あおるのです。


大体、左から右の棚へ…


という探し方が決まっていると思うのですが、

俺の左側にどんどん人が溜まるんですね。


じゃあ、

どうするかというと、

彼らは俺を飛び越えて、

俺より右の棚を探してくれます。




そうです。

意外と怖い人達ではありません。



この小さなコミュニティには

ちゃんと

『ルールとマナー』

が存在しているのです。



上京当時は

よく

『東京砂漠♪』

(♪あぁ〜なたがいれぇ〜ばぁ〜♪あぁ辛くはない〜と〜♪)

を口ずさんでいたものですが、

住んでみると東京も意外と

『オアシス』

だったりします。


そんなこんなで

大変な思いをして集められたネタが、

今では

『今日の一曲』

として陽の目をみています。


みなさん、

これからも宜しくお願い致します。




今日の一曲↓

『オアシス(北大中version)』
/bird
/『オアシス』(maxi)
に収録。


まだ大沢伸一モンド・グロッソ)がプロデュースしている時代の作品です。