『BLOOD-C』第4話&第5話のメモ


 短めにメモ。


 徐々に日々が変調していく展開が面白い。


 『BLOOD-C』第1話から第4話までの主な話の流れは、「登校→学校→下校→戦闘」というものだ。それに加え、登校中に沙夜が歌を歌うというのもお約束。

 沙夜にとっての日常というものは、「登校→学校→下校→戦闘」なのだ。



 基本的な流れは第1話から第4話まで同じだが、変化しているものある。それは、戦闘の内容。


 第1話から第2話までは、沙夜と古きものだけの戦闘だったが、第3話では一般人が登場する。そして、一般人の者が沙夜の面前で古きものの犠牲になるという事態が発生する。第4話では、一般人を古きものから救おうとするが、結局助けられずに全員死なせてしまった。このように、事態は徐々に進行し、沙夜と古きものの戦いに一般人を巻き込んでいってしまっている。一般人を巻き込むというだけでなく、古きものとも対話していくようになっている。
 
 徐々に事態が進行していく展開がなかなか良い。


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 第4話ラストで沙夜は古きものとの戦闘を終え、浮島神社へ帰ってくる。いつものように学校から下校してくるように石段を上ってくる。

 沙夜は無意識のうちに学校から帰ってくるような気でいたが、気が付いてみると手には血だらけの刀が握られており、これがいつもの学校帰りではなく古きものとの戦闘後だということに気づく。ここらへんの描写が良かった。必要最低限の台詞と映像で語っていく。




 第4話のラストショット。

 整然と並べられた机が異様さをかもし出し、音響もそれに拍車をかける。何かがおかしいと強烈に印象つける良い1ショット。



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 そして第5話において、「登校→学校→下校→戦闘」のサイクルは破壊される。というか今までの日々自体が壊れる。第1話から第4話まで必ず沙夜は歌を歌っていたが、第5話においてその歌声は聞こえない。沙夜は歌を歌わなくなったのだ。もはや、「今日もいい天気」(第5話では雨が降りいい天気ではなくなる)や「いい気持ち」なんかではない。それは第4話からすでに兆候があった。第4話で沙夜は歌を歌うのを途中でやめてしまっている。

 日々は徐々に変調していく。


 第5話においては、古きものとの戦いで一般人に沙夜が戦う姿を目撃されてしまった。今までは一般人全員死亡していたので、今回は生き延びて存在を知られてしまうことになる(血まみれの沙夜を見て逃げ出す)。


 それに加えラストでは、沙夜とねねの前に古きものが突然あらわれる。今まで夜中にしか姿をあらわさなかったが、日中にしかも浮島神社に姿をあらわす。友人と古きものが出会ってしまった。


 第5話での歌を歌わなくなるという破調は、現在の状況を端的にあらわすもので良いなと思った。