葬儀を終えて、ようやく荒起こし

母は父を伴って祖母の入院先へ。父もおとなしく付き従っていった。私は鬼の居ぬ間に洗濯である。父の留守中に田んぼを耕さなくては。
通常、稲刈りのあと、田植えまでに都合最低3回トラクターを走らせることになる。
最初は荒起こし。水を引き入れる前の乾いた田んぼを耕し、前年の藁や雑草を鋤き込み、水を張る準備をする。稲刈り後すぐにしてしまう方もいるようだが、わが家は春に1回行っている。
荒起こしを終えると今度は水路から水を引き入れ、もう一度トラクターを走らせて大まかに土と水を一緒に耕してなじませる。これを荒がきと呼ぶ。
最後に田植えのしばらく前に行う代掻きである。田んぼの表面を平らにならし、でこぼこを極力なくして水平に近づけてやる。田んぼ一枚一枚が広いと、隅々まで水を行き渡らせるのに支障が出たり、同じ田んぼでも肥料や除草剤の効きが違ったり、極端な場合は生長が違ったりするのだ。田植え後数カ月間にわたってずっと影響してくる重要な作業である。ひとつひとつは適当にやろうと思えばいくらでも手が抜けそうな気はするが、それぞれの作業に大事な意味があり、疎かにはできないのである。
今年はこれまでなぜか残業続きであったり土曜日日曜日にさまざまな行事が重なっていた。
周囲の農家に遅れること一月あまりでようやく今年最初の作業、荒起こしにかかった。
約半年ぶりにトラクターを動かすので、燃料とオイル、バッテリー、ラジエーターなど、素人に毛が生えた程度の私でもできる始業前点検だけを済ませる。欲を言えば可動部にグリスを施したいのだがグリスガンが見あたらずに断念。さらに、ロータリーの爪を確認。畑を耕すときに内盛りになるように爪を付け替えていたのだ。これを平らに耕せるように付け替え。(この交換が良いのかどうかは分からないのだが)
ここまでで小一時間かかってしまった。結局作業開始は4時30分ごろになってしまった。
耕さなくてはならない田んぼ9枚のうち、正味1時間半の作業で2枚終了。明日も早起きしてがんばるぞ。