キリンと神様

「ロックの神様」内田裕也が空き巣の被害に遭ったとか。
今朝のワイドショーで、その怒れる「神様」のインタビューを見た。ロン毛の金髪にサングラスでご登場の「神様」は、憤懣やるかたないといった風情で矢継ぎ早に
「アッタマ来たよね。早く掴まってボッコボコにされて欲しいと思う」
と裕也節炸裂。しかしその割には
「被害届はめんどくさくて頭に来たので出さなかった」
被害届出さないと捕まえられないじゃーん。
「小泉さんもさあ、構造改革もいいけど、まず身近な空き巣対策からちゃんとやって欲しいよね」
と国政にモノ申した後、
「おい、犯人、このテレビ見てたら、連絡よろしく。(盗んだブツは)宅急便のところに入れておいてくれ。ヨロシク!」
と、相変わらずロックなコメント。しびれるぜ。


それにしてもつくづく不思議に思うのが、なにゆえに内田裕也の定冠詞が「ロックの神様」であるのか、ということである。内田裕也に関する私の認識といえば、

  • 樹木希林のダンナであり
  • モッ君の舅であり
  • 過去に島田陽子とつきあっていたことがあり
  • 語尾に「ヨロシク」をつける


ということくらい。少なくとも私が物心ついて以来、この「ロックの神様」がなにか楽器を演奏していたり、歌ったりしている姿は一度も見ていない。曲も聴いたことがない。なんかヒット曲あるの?


ジャイアント馬場が「プロレスの神様」だったり、北島三郎が「演歌の神様」だったり、往年の松崎しげるが「六本木の帝王」だったりするのには納得できるけど、裕也の場合は「神様」と呼ばれるほどの実績を残しているのかと激しく疑問である。又吉イエスを ネ申 と呼ぶような感覚なのだろうか。それともなにか? なんでもかんでも語尾に「ヨロシク」をくっつければ、それで ネ申 決定なのだろうか。


しかし、変人といえば、この内田裕也くらい変人もいないだろうと思う。いままでいろんなネタでワイドショーの取りざたされてきたけれど、折々のコメントがどれもこれもぶっ飛んでいる。妻である(長年別居中)樹木希林がガンで左乳房の摘出手術をしたときには「悪いのは全部オレだ。オレも苦しいんだ」というファックスを残して、1人でハワイに行ってしまったらしい。なぜ????


支離滅裂だったり、意味不明だったり、異様にハイテンションだったりすることを「ロック」と言うのであれば、裕也は確かにロックだよな。一般ピーポーならただの「危ないヤツ」でも、「ロッケンローラー」という括りの中なら、まあ許されるし。しかし、イマドキこういうタイプのロッケンローラーもレアだよね。天然記念物に制定して博物館で展示したいくらいだ。


今回の空き巣被害に関して、樹木希林もインタビューを受けていたけど
「これを機会に同居しましょう」と言っていた。樹木希林って、ほんとうにこの「ロックの神様」のこと愛してるんだなあ。裕也がいろんな女性と浮き名を流していても、泰然自若としていたし、一度離婚してもまたすぐ再婚。ずーっと裕也一筋。あの茫洋とした風貌からはとても想像できないくらい強い情熱を持って裕也を愛しているのだろう。ある意味、彼女が一番「ロック」なのかもしれない。かっこいいぜ、希林。仲良きことは美しき哉だぜ、ヨロシク!