あの頃の僕らは胸を痛めてブギーポップなんて読んでた

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2014-02-11

「承知」は謙譲の意味を持つか否かについて再度調べてみた 19:58 「承知」は謙譲の意味を持つか否かについて再度調べてみたを含むブックマーク

http://d.hatena.ne.jp/lastline/20140211/1392071522

http://www3.nhk.or.jp/news/html/20140211/k10015163901000.html

なんだかNHKもこの話題を取り上げているので、もう少し調べてみることにします。

前回の日記でBIFFさんから以下のコメントを頂きました。

ご参考まで。

日本国語大辞典』(第二版)

「承知」

(1)目上の人の命令などをうけたまわること。拝承。領命。

*江談抄〔1111頃〕五「粗依先父之談説、纔置文字之様、所承知也」

大内氏掟書‐一七四条・大永二年〔1522〕六月「兼而御諚之趣如斯。甲乙人等宜令承知、敢勿違失矣」

*塵芥〔1510〜50頃〕「承知 セウチ」

浄瑠璃・神霊矢口渡〔1770〕一「我れは裏より密に出ん。監物は表てより委細承知(セウチ)仕つる」

*蜀志‐費詩伝「承知消息、慨然永歎」

時代を経て現在では「了解」との差が不明瞭になっていると思いますが、それでも

・承知しました。

・了解しました。

の間には語感の差が残っているのではないでしょうか。

目上に「了解を使うのは失礼と今では言い切れない」かもしれませんが「目上に承知を使うというのは誤り」とはいえないと思います。


また、NHKの記事のブコメでも以下のコメントをされています。

どうして「研究員」が『明鏡』を根拠に変な推論するのかな。せめて『日国』を引いて欲しい。「承知」は元来目上に対する表現で「了解」は違う。その語感の差があるから「了解」は目上には不適切。

確かにこういう問題は日本国語大事典の記述を調べるのが一番正確で確実だと思います。

あいにく、日本国語大事典は所有してないので、図書館で日本国語大事典の記述を調べてみました。



【了解】

1 はっきりとよくわかること。よく理解すること。また、理解して承認すること。諒解。領会。

蘭学階梯(1783)下「成書に就てこれを読むの間、回復を玩味すれば自ら了解することなり」

*俳諧・蕪村発句解(1833)序「いささか私の了解をもそへて、例の筆まめに書与へたるを」

*西国立志伝(1870ー71)<中村正直訳>二・一三「また経糸を理する機関の錯綜せるものを了解し」

*花柳春話(1878ー79)<織田純一郎訳>一七「文義の了解(リョウカイ)し易からざるを恐る」

※2は哲学用語の用法なので省略します。

【承知】

1 目上の人の命令などをうけたまわること。拝承。領命。

*江談抄〔1111頃〕五「粗依先父之談説、纔置文字之様、所承知也」

大内氏掟書‐一七四条・大永二年〔1522〕六月「兼而御諚之趣如斯。甲乙人等宜令承知、敢勿違失矣」

*塵芥〔1510〜50頃〕「承知(セウチ)」

浄瑠璃・神霊矢口渡〔1770〕一「我れは裏より密に出ん。監物は表てより委細承知(セウチ)仕つる」

*蜀志‐費詩伝「承知消息、慨然永歎」

   

    

 

2相手の願い、要求などを聞き入れること。納得すること。許すこと。同意。承諾。承引。

*上井覚兼日記ー天正一三年(1585)九月一九日「殊に案外出来候するなどど候事、如何様之儀候哉。難承知候」

黄表紙・見徳一炊夢(1781)上「ずいぶんかしこまりましたが、おいみあきまでおこらへなされませ。おいみあきにはきっとせうち」

浄瑠璃・伽羅先代萩(1785)道行「うんと言(いひ)な言な。ヱ承知(セウチ)か承知か」

随筆・胆大小心録(1808)一〇〇「この国には、天が皇孫の御本国にて、日も月もここに生まれたまふといひし也。是はよその国には承知すまじき事也」

*我が輩は猫である(1905ー06<夏目漱石>)二「一斤(いっきん)位ぢゃあ承知が出来ねえんだが、仕方ねえ、いいから取っときや、今に食ってやらあ」

 

   

   

3知ること。わかること。また、わかっていること。存知。

*洒落本・通言総籤(1787)「神がみさんもどこやらも。とふにせうちであろけれど」

*咄本・無事志有意(1798)そそか「『痛くはなかったか』といへば、下女も承知(セウチ)して居れば、『いいへ、疵は付ませぬ』といふ」

滑稽本浮世風呂(1809ー13)二・上「そりゃア百も承知(シャウチ)だけれど」

*趣味の遺伝(1906)<夏目漱石>三「此問題に関して其起源発達の歴史やら最近の学説やらを一通り承知したいふ希望を起こして」


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承知の1と2の違いは謙譲の意味を有するか有さないかの違いでほとんど同じ意味だと思うのですが・・・・・・。

よくわかりませんが、この記述からわかることは以下の通りです。

・「了解」には謙譲の意味を有している用例は発見できなかった。

古来より「承知」には謙譲の意味を有する用例は存在する。しかし「承知」には謙譲の意味を有さない用例も古来より多々あり、「承知」を使えば自動的に謙譲の意を表するわけではない。

「承知」には謙譲の意味を有するのはたしかですが、「承知」が一意的に謙譲の意味を有するわけではない以上、「『了解』はNGで『承知』はOK」というのはやはり.正しいとは言い難いのではないでしょうか。


もう少し調べるともっといろいろ判明するかもしれませんが、自分も咲全国編を見たり、スカイリムで従者プレイ*1をしたり、きりたんぽの美味しさを再発見したりいろいろ忙しいので、この話題の調査はここまでにしたいと思います。

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■結論

日本語は難しい(2日ぶり3回目)

■余談

http://www3.nhk.or.jp/news/html/20140211/k10015163901000.html

企業のビジネスマナー研修などを手がけている東京都内の「ジェイック」によりますと、特に若い社員の間で「了解しました」と返事をする人が増えているそうです。

この会社では以前から「目上の人からの依頼などに答えるときは『承知しました』または『かしこまりました』を使うように」と研修などで指導しているということで、理由としては「『了解』ということばには相手が言っていることを認めて『あげる』という意味が含まれるので、特にビジネスの現場では『了解』は避けることが望ましい」ということです。

企業のマナー研修に講師を派遣している「日本サービスマナー協会」でも、「『承知しました』『かしこまりました』を使うよう指導しています。ビジネスの現場では、上司や先輩が『当たり前だ』と思っている習慣に合わせることが大切です」とのことでした。

「了解」の適当な語彙解釈を述べる会社も大概ですが、日本サービスマナー協会の見解はいかがなものかと思います。

答申の以下の記述にもありますが、敬語やマナーというのは相手に敬意を表する自己表現のはずです。

http://www.bunka.go.jp/kokugo_nihongo/keigo/guide.pdf

敬語の解説書や手引には,敬語の使い方にまだ習熟していない人のために,敬語の仕組

みや敬語を用いる際の心遣いの在り方などとともに,場面に即した敬語の使用例を具体的

に示すことが欠かせない。そうした具体例を示す際には,「自己表現」として選ぶべき多

様な敬語や言語表現を示し,その習得や実践を動機付けるような内容を期待したい。

つまり、敬意を表現するためにマナーや敬語は存在するのであり、敬意を有しているのにその気持ちが伝わらないことを避ける為に、マナーや敬語を学習する意味があるはずです。

それを「職場や先輩の習慣になっているから」では単なる付和雷同です。こんな理由であれば、マナーや敬語は学ぶ必要性がないどころか有害ですらあります。

余人ならともかくマナーや敬語を指導する立場の協会がこのような見解であるのは非常に残念であるとしか言いようがありません。

*1:従者に戦闘のすべてを任せるプレイ

tobitobi 2014/02/14 13:12  たびたび申し訳ない。

『日国』の記載を見ると、昔は「承知」は謙譲語だったのかもしれません。
 ただ現代語では……。
 当方は『敬語再入門』(菊地康人)の下記の記述を信用しています。
================引用開始
 なお、「持参」「承知」は、「参」「承」という字を含むので、謙譲語性が感じられる面もある(とくに「持参いたしました」「承知いたしました」「承知いたしております」というような場合は、もちろん「いたす」の力にたすけられるところもあろうが、謙譲語性は感じられよう)。が、「昼食は各自持参のこと」「上記の金額を……持参人へお支払いください」(小切手の文面。ちなみに「持参人」という語は関係法規にも見える)、「あなたも承知しておいてください」などのように、謙譲語とは言えない使い方をする場合も少なくない。さらに「ご持参ください」「ご承知の通り」のように尊敬語として使う場合もある(私自身の感覚では、相手とくに目上に「ご持参ください」と言うのは抵抗があり、使わないほうが無難だという気はするが)。結局、謙譲語性はすでに薄く(あるいは失い)、ただ改まった言い方として使われていると捉えるべきことになろう。(P.346〜347)
================引用終了

 詳しくは参照URLご参照ください。

tokoroten999tokoroten999 2014/02/15 20:55 コメントありがとうございます。
しかし、引用の部分は根拠がまるでないというか、自分の感覚でしか述べていないので、信用に値するものではないというのが率直な感想です。
ごめんなさい。

tobirisutobirisu 2014/02/16 11:47  たびたび申し訳ない。

 菊地康人先生は敬語に関してはトップクラスの識者のはずです。原本をお読みなのでしょうか。お読みになっていれば、「引用の部分は根拠がまるでないというか、自分の感覚でしか述べていないので、信用に値するものではない」という評価はありえないと思います。まあ、この引用部だけに限ると、歯切れが悪い印象があるのは否定できませんが。
 現代語では、「承知」に謙譲語性をどの程度感じるのかは個人差があるってことでしょう。辞書的には、「謙譲語ではない」が結論になります。菊地説にあるとおり、「ご承知の通り」のように尊敬語として使う場合もあるのですから。
〈「『了解』はNGで『承知』はOK」というのはやはり.正しいとは言い難い〉は同感です。いろいろ調べても、「論理的な理由」はどこにも見当たりません。

詳しくは参照URLご参照ください。

tokoroten999tokoroten999 2014/02/22 07:31 コメントありがとうございます。
著者がトップクラスの識者かどうかは信用性に無関係だと思います。
「謙譲語性をどの程度感じるか」というのは仰るとおり感覚の問題なので、少なくともマナーや敬語の問題として人口に膾炙させるものではないのではないでしょうか。
言葉の使い方の正しさというのは語源(元々どういう意味であったか)、あるいはコード(みんながどういう意味で使っているか)のどちらかしか根拠はありえないと思います。

ふぇふぇ 2015/02/15 01:17 まずは一度、承知が了解よりも適している可能性を認めたところは潔く感じました。
しかし最終的な結論はゲームやアニメが忙しいから言及しないというのは情けない。

wannabewannabe 2015/02/17 22:36 いよいよ平行線が見えてきたところで突如明確な結論を出して終わらせたらそれこそ論理の破綻ですし、学者でもないのだからここまで厳密な定義問題に取り組み続ける義理はないでしょう。
情けないとお思いならここからはご自分でお調べになればよろしい。私はそうします。

masahiro_izakimasahiro_izaki 2015/02/27 12:51 「了解」には謙譲的用途がゼロ
「承知」には謙譲的用途がゼロではない。

だったら、目上の人へは「承知」を使っておけば、誰からも文句は言われないのでは?

「承知を使わなければならない」ほどではないけど、「了解を使うよりは承知を使った方があらゆる方面で波風は立ちにくい」くらいではないかと。

Sid_Vicious_SASSid_Vicious_SAS 2016/12/07 13:46 了解は上司や先輩が下っ端の私に対して使う場合には良いけど、自分は上の人には絶対使わないですね。基本的に、かしこまりました。か、承知いたしました。です。このブログ内の国語辞典の抜粋を見て、更に思いますね。了解は上になるまで絶対使わない言葉だなって。

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