征服娘。
- 作者: 神楽坂淳,鈴羅木かりん
- 出版社/メーカー: 集英社
- 発売日: 2008/01/25
- メディア: 文庫
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有力貴族の娘として生まれたマリアが、自由を手にするために、親友のアッシャと謀略渦巻く政界でのし上がっていこうとする話。
有力貴族の出身だけあって、資金面では恵まれた環境にあるマリアが、一家の力を借りずに自分の力だけで、警察長官や自分の一家と敵対している貴族と盟約を交わしたりする展開は読んでいて面白かった。次兄との商売対決は、マリアにとって都合のよい形で終了しましたが、まあ、こういったシリーズの第一巻は、大体主人公たちにとって都合のいいように物語が進むものですし、大して気になりませんでした。
ただ、ラストはさらっと流す形で終わってしまいましたし、物語に山場がなかったことが非常に残念。この巻で盛り上がったというか、一番どきっとした場面を挙げるならば、マリアが自分にとって最大の障害が自分の父親と気づいたときに、「殺すわ」と平然と言い放ったところでしょうか。自分の自由のために、そこまでするかという気もしますし、それぐらいやらなくちゃ面白くないという気がしないでもない。
この巻では、マリアに味方する人間が増えていきましたが、これからはマリアのことを潰そうとするライバルもたくさん出てくるでしょうし、そのときマリアがどう行動していくのか楽しみです。とりあえず、二巻は戦争の様子が描かれそうなので、実際に血が流れる場面を見て、マリアがどう感じるのか期待していたいと思います。