輪環の魔術師(2)

輪環の魔導師 (2) 旅の終わりの森 (電撃文庫 わ 4-26)

輪環の魔導師 (2) 旅の終わりの森 (電撃文庫 わ 4-26)

 これが主人公補正というものなのか! 幼馴染の女の子に、腕を組まれるときに胸を押しつけられたり、宿屋に泊まるときに同じベッドで寝るなんて、すっげえ羨まし……くない。初めて会った人に「彼は苦労しそうですね」とか、子供が言われるセリフじゃないです。
 さて、相変わらずフィノに振り回されっぱなしのセロですが、フィノの行動を恥ずかしいと思いながらも、嬉しいと感じてしまう部分があるのは、初々しい感じがしていいなあ。セロもフィノのことを案じて行動していましたし、フィノがセロを好きになってしまう気持ちも分かります。しかし、フィノのようにあざといヒロインというのも、なんか新鮮な気がします。まあ、セロが他の女性と話していると、すかさずチェックをいれに行くところはどうかと思いますけどね。
 この巻では、アルカインの仲間であるホークアイやシズクといった個性的な味方が増えましたが、敵方にも登場人物が増えたことで、一巻よりも面白くなった感じがしました。やはり、キャラクターが活き活きとしているのを見るのは楽しいなあ。魔族にも色んな考えを持っている者がいることが分かりましたし、物語の今後の方針も見えてきたので、これからどんな展開になっていくのか、次も楽しみにしていたいです。