毛鉤研究会11月 (名竿編)

月に1度東京トラウトカントリーで開催されている毛鉤研究会へ参加しにバイクで奥多摩へ。
到着した頃には既に熱気ムンムン状態。

開始時刻の8時になり2階の奥座敷へ。ワイガヤ状態であります。

今回も初参加の方がおられたが、既にかなり知識のある方だったので、話題はハリについてより掘り下げたものが中心となった。
わしのようになんでもいいからひっかけたいというような場合は RF17-3FT, TMC103BL あたりが使いやすいとのこと(その分強度が弱め)。
何度も砥げるようなしっかりしたハリもあるようで、なんにしろ適材を適所で使うのが鍵のようである(詳しくは研究会でどうぞ)。

落ち着いたところで毛鉤巻きのほうに移る。

でまずはハリの返しの部分をミニルーターで削る。
実はワシもこのちっこいのを探すのに一苦労。普通の工具店行くと1万以上するのばかりだし…
代表、宴のTさんとの釣行帰りにダイソーで売っているのを教えてもらい、その場でようやく手に入れた記憶がある(600円前後)。

今回、アイの部分は黒ハリス4号で作るそうだ。

ピーコックハールを巻きつけてからすぐに折りたたみ、スレッドに巻きつけてからボディとして巻いていくのが吉田流
切れにくくなるしスピードは速いしでかなり楽に巻ける。

ハックルのほうは根元の部分をハサミで切り(返しとして利用する部分を残し気味にする)、ハリ軸にとりつける。
向きによって浮き方が異なってくる(今回はアイに向けて反り気味にする)。
でとりつけたらハックルをゆっくり回転させながら展開していくのだが…

回転させる時に(ワシもだが)ハックルプライヤーを杓子定規的に平行に動かすと途中でハックルがねじれてウキーッとなってしまう。
プライヤーをうまくひねりながらハックルが常に平行になるように巻かないと出来上がりがひどいことになる。
(シリコンタイプより写真のタイプのプライヤーのほうがひねり操作をしやすくて推奨できるとのこと)
なるほど! これは参考になりますなぁ!

実演中の吉田代表

にごり時にひときわ効果を発揮する蛍光スレッドでヘッドを作り完成!

続いてテンカラ逆さ毛鉤。
まずはアイ、ヘッド、ボディベースを作ってしまう。

逆さ毛鉤のハックルにはヘンサドル、雉胸毛といった柔らか目のものを用いる。

ハックルを指でアイ側に抑えつけながら巻きつけるとグダグダにならない。

巻きついたハックルの上からスレッドで締めながら羽根の開く角度を調節。

ボディ材を上から巻いて…
(よく見るとくるくる巻いてる間も右手人差し指でしっかりボディを押さえてます)

逆さ孔雀胴、完成! 実にシャロムで試したくなる毛鉤である。

続いて風車ゼンマイ胴。
ボディに軽くミキサーをかけたゼンマイの綿毛を用いる。

まずゼンマイをスレッドによりつけてからハリ軸に巻いていく。
コツはゼンマイを少量ずつよりつけること。
その際、手をウェットティッシュ等で湿らせてからよりつけるとゼンマイが締まりより綺麗になる。
また、ゼンマイを胴として巻きつけた後、軽く表面を刈りそろえるとスポンジ感が出る。

次にハックルを巻いていくが、その前にハックルの半分を手でむしり取っておき…

尻からアイの方向に平行を保ちながらじっくり巻きつけていく。
片面を切り落としているので失敗が少ないのと…

正面から見た時の美しさが特徴。風車のように穂先の向きが揃う。
これは美しい! 繊細な感じがナイス!

余った分を切り落とし、スレッドを巻いてヘッドを作って…

完成! 風車弥七ゼンマイ胴(勝手に命名)。
(完全にぶれた orz)

最後にCDC。
これはあらかじめ勘を頼りに予習巻きしていたのがあったので、それを見てもらったところ
最初は「なかなか良さそうですよ」と誉めてもらったが、しばし観察の後
「ああ…やっぱりダメ…かも…」と落とされる。

毛の部分に触れるとCDCがするすると抜け落ちてしまうのだ。
うーむ…
見てくれだけの欠陥住宅だったか。

というわけでこのタイミングで丈夫なCDCの巻き方をしっかり覚えておきたい。

代表は納豆色?のが好きだそうである。

吉田式CDCの特徴は単純明快。CDCをハックルのように巻きつけること。
これは目から鱗! その手があったのか!
これならマテリアルも無駄が出ないし、CDCもバラバラにならない。

ボディにスレッドを巻き、ヘッドをセメントで固定。
ここでCDC部分に水をつけてから上部を切り揃える。
水分が抜けてくると…

完成!

テールつきのも作って頂いたので、ワシも早速見よう見まねで巻いてみた。
ゴールデンフェザントイエローでいいのか?

その後立川Mさん、横浜Nさんに情報を頂きながら談笑しているうちにいつの間にやらお昼となった。

昼食後は横浜Nさんと一緒に秋山郷Uさんのズーム竿を振らせてもらった後、ストリームへと出て、代表のコレクションを鑑賞させて頂く。

なんのコレクションって?

珠玉のてんから竿のですよ。

開放から少し絞ったほうがカリッとするらしいのだが、せっかくのF1.4ですから今日はあえて通しますよ。絞り開放で。

バンブー系は和竿っぽさが出てテンカラとじつに合いますな。
サクラの金剛(別誂)。以前ぺたうろさんにも見せてもらったことがあるのだが、ひじょーに物欲をそそられる雰囲気(我慢我慢…)。

スピードライトも使って真剣な眼差し。

背後から1枚。

そんな日曜日の午後のひとときであった。

と。マイナス1尾で残り36。