トーキョーウジキントキ(かき氷専門ブログ)

日本(と世界)のおいしいかき氷を実食&レポートするブログです。2003年スタート、2022年に「かき氷は【夏以外】がおいしいことを伝える」をコンセプトにリニューアルしました。

今年一番感動したかき氷:鎌倉「埜庵」

鎌倉「雪の下 埜庵」
鎌倉市雪ノ下1-5-35 雪ノ下ガーデン内
tel.090-7846-6486

食べたのは・・・2004年6月
主な値段・・・・・氷宇治金時 600円 生グレープフルーツ 600円

「かき氷」というと「頭がキーン」というイメージや「子供の頃は食べたけど、もう何年も食べてないや」という反応をされる方が多いのです。そう聞くたびに「ホントにおいしいかき氷を一回食べてみて欲しいなあ」と思ってしまいます。

では、ホントにおいしいかき氷とはなにか?
答えは単純です。
1.おいしい氷をおいしくかいてあって、
2.その上においしいシロップなり具なりがかかって(載って)いる。
これだけです。追加するなら、クーラーが効きすぎていないシチュエーションで食べられること、くらいでしょうか。

しかしこの単純なことが、実はとっても難しい。
このサイトでもたくさんのかき氷を紹介していますが、ほとんどのかき氷は1.か2.のどちらかしか満たしていません。

じゃあ、両方を満たすかき氷はどこにあるのか…?と思うあなたへ。
数は少ないですが、あります。そのうちの一軒が、ここです。


鎌倉 小町通り沿いにある「埜庵」。
写真は氷宇治金時です。

氷の外側に宇治(抹茶を溶かしたシロップ)をかけてあり、中にとろみのある粒あんが隠れています。横に添えられた瓶はミルク。好みに合わせて自分でかけます。


氷グレープフルーツ。
グレープフルーツそのものを食べているようなおいしさ!グレープフルーツの実をほぐしてミキサーにかけ、ゼラチンでトロミをつけたソースなのだそうです。



お店は、鎌倉駅から鶴岡八幡宮へ続くメインストリート、小町通り沿い。モカソフトで有名なミカドなどといっしょに、オープンエアのフードコートのようになっている一角にあります。

このお店を切り盛りしている若い店主は、秩父の「阿左美冷蔵」で、冬場一緒に天然氷を作っている方。
夏の間だけ、秩父から運んできた天然氷を使って、かき氷のお店を開いています。氷の分量が限られているので、提供できるのは一日300食まで。
氷は阿左美冷蔵と同じだけれど、かかっているシロップはオリジナルだそう。

私がこのお店を訪れたのは六月だったし、時間も遅かったので、店主にゆっくりとお話を聞くことができました。店主は本当に熱心な方で、いろいろお話している間に、氷に対する熱意をひしひしと感じました。こういう人が作るかき氷なんだもの、おいしくないはずがない…。氷についていろいろ教えていただいたので、またその話は別エントリで書こうと思います。

またその後、メニューも少し増えたそうです。ここの氷にはまって、一日二回もここでかき氷を食べたという友人のイチオシは「かまくら」。氷に和三盆糖をかけた、実にシンプルなかき氷。
残念ながら私はまだ食べていませんが、ここの氷ならおいしいことでしょう。氷そのもののおいしさが味わえそうだし。


入り口はこんな風になっています。

去年(2003年)オープンしたばかりの新しいお店ですが、ここで営業するのは九月まで。今年はそれでお店を閉め、来年はまた別のところでやろうと思っているそうです。有力候補地は丹沢(神奈川県)だそう。
「場所を変えたら教えてくださいね、絶対また行きます」と言ったら「移転先は、ネットで調べてくれたら分かるようにしておきますよ」とのことでした。

雑誌取材は受けているけれど、テレビの取材は受けていないとのこと。今年九月までしか食べられない(かもしれない)鎌倉の絶品かき氷。寒くなる前に、一度行ってみてください。本当においしいです。