いじめを隠す子どもは何を考えているか。

前回の続きです。

いじめの当事者になってしまった子どもたちとは、どのように関わっていけばいいのか。

「いじめられている」とはっきり報告し、助けを求めていれば、親も学校も確実に力になれるでしょう。

仮に、学校が非協力的で、その後学校に居づらくなっても、別の学校へ転校させるなどの方法も取れるでしょう。


しかし、いじめで一番難しいのは、子どもがいじめという問題を抱え込んでしまって助けを求めなくなっている場合です。

大まかですが、タイプ別に分けて考えてみたいと思います。

周りの目やプライドを気にして、中々言いだせないタイプ


大人に頼るのは情けなくてできない。

またそうすることでいじめが解決したとしても、プライド、自信を喪失して学校に居場所がなくなる、など。

いじめという問題が恒常化されているため、自分だけ告げ口するのは・・・と感じているかもしれません。


こういったことはいじめ隠そうとする多くの子どもに当てはまるかもしれませんが、しかしかなり関わり方が難しいものです。

大人からすれば、そんなことはおかまいなしに力になろうと考えてしまいがちですが、

自分から言い出せずしては、問題そのものの解決も難しいでしょう。


力になるためには、学校と連携して、どのような状況にあるのか具体的に知る必要があります。

どのようにすれば子どもの顔を立てつつ、力になれるのかを考えていきたいところです。

親、先生を頼ることができないタイプ


周りの大人に頼ることができない、という子どももかなりいます。

例えば、親は夜遅くまで共働きしていて滅多に話す時間がないとか、心身ともに余裕が無さそうにみえるから、相談しづらいとか。

または、先生に言っても信じてもらえなさそう、といった心配をしているのかもしれません。


必ずも、原因が周りの大人たちのせいであるというわけではありませんが、

内的要因にせよ外的要因にせよ、何らかの理由で信用することができず、頼れないと考えている可能性があるのです。


普段からのコミュニケーションも重要ですが「いつでも力になれる、信用できる」というイメージを子どもに持ってもらえるように努めることで、心を開いてくれるかもしれません。

自分で解決しようとして言い出さないタイプ


かなり自立的な子どもは、大人に頼らず、自分だけの力で解決しようとすることがあります。

あまり口出しせず、できれば気付かないフリをして、いつも通りに接してあげると良いでしょう。


ただし、いじめはどう転ぶかわからない恐ろしさがあります。

できれば、先生方と連携して状況だけは把握しておきたいところです。


どうしていいのかわからなくなり、言い出すということができなくなるタイプ


長期に渡るいじめ、行き過ぎたいじめを受ける子どもに多く見られます。

解決とか相談とか、そういうことをもう考えたくなくもなくなる、ということが特徴です。

この場合は、解決というよりも一刻も早くその場から離れさせ、学校を休ませた方がいいでしょう。


解決したとしても、今後まだいじめ側の子どもと接触する可能性があるならば、転校も視野に入れておいた方がいいかもしれません。



以上ですが、

もし学校との連携が図れない場合は、子どもに転校を促してみる方がいいかもしれません。

親は普段学校での出来事を詳しく知ることができる立場ではないですから、そこを閉ざされてしまうと八方塞がりになりかねないからです。


場合によってはいじめを解決せずに逃げる形になりますが、楽観視している間に、心に深い傷ができるよりはずっとマシなのです。