明けましておめでとうございます。

しばらく更新が滞ってしまいまして、申し訳ございませんでした。

遅ればせながら、今年も宜しくお願いします。

スタッフ一同、一層力を尽くして参る所存でございます。


さて、年が明けまして早速、朝日新聞の社会面にて東京家学が取り上げられました。

本日1月10日の朝刊に載せられておりますが、東京家学HP内でも紹介させていただいておりますので、

宜しければご覧ください。

http://www.tokyo-yagaku.jp/idea/media.html

いじめを隠す子どもは何を考えているか。

前回の続きです。

いじめの当事者になってしまった子どもたちとは、どのように関わっていけばいいのか。

「いじめられている」とはっきり報告し、助けを求めていれば、親も学校も確実に力になれるでしょう。

仮に、学校が非協力的で、その後学校に居づらくなっても、別の学校へ転校させるなどの方法も取れるでしょう。


しかし、いじめで一番難しいのは、子どもがいじめという問題を抱え込んでしまって助けを求めなくなっている場合です。

大まかですが、タイプ別に分けて考えてみたいと思います。

周りの目やプライドを気にして、中々言いだせないタイプ


大人に頼るのは情けなくてできない。

またそうすることでいじめが解決したとしても、プライド、自信を喪失して学校に居場所がなくなる、など。

いじめという問題が恒常化されているため、自分だけ告げ口するのは・・・と感じているかもしれません。


こういったことはいじめ隠そうとする多くの子どもに当てはまるかもしれませんが、しかしかなり関わり方が難しいものです。

大人からすれば、そんなことはおかまいなしに力になろうと考えてしまいがちですが、

自分から言い出せずしては、問題そのものの解決も難しいでしょう。


力になるためには、学校と連携して、どのような状況にあるのか具体的に知る必要があります。

どのようにすれば子どもの顔を立てつつ、力になれるのかを考えていきたいところです。

親、先生を頼ることができないタイプ


周りの大人に頼ることができない、という子どももかなりいます。

例えば、親は夜遅くまで共働きしていて滅多に話す時間がないとか、心身ともに余裕が無さそうにみえるから、相談しづらいとか。

または、先生に言っても信じてもらえなさそう、といった心配をしているのかもしれません。


必ずも、原因が周りの大人たちのせいであるというわけではありませんが、

内的要因にせよ外的要因にせよ、何らかの理由で信用することができず、頼れないと考えている可能性があるのです。


普段からのコミュニケーションも重要ですが「いつでも力になれる、信用できる」というイメージを子どもに持ってもらえるように努めることで、心を開いてくれるかもしれません。

自分で解決しようとして言い出さないタイプ


かなり自立的な子どもは、大人に頼らず、自分だけの力で解決しようとすることがあります。

あまり口出しせず、できれば気付かないフリをして、いつも通りに接してあげると良いでしょう。


ただし、いじめはどう転ぶかわからない恐ろしさがあります。

できれば、先生方と連携して状況だけは把握しておきたいところです。


どうしていいのかわからなくなり、言い出すということができなくなるタイプ


長期に渡るいじめ、行き過ぎたいじめを受ける子どもに多く見られます。

解決とか相談とか、そういうことをもう考えたくなくもなくなる、ということが特徴です。

この場合は、解決というよりも一刻も早くその場から離れさせ、学校を休ませた方がいいでしょう。


解決したとしても、今後まだいじめ側の子どもと接触する可能性があるならば、転校も視野に入れておいた方がいいかもしれません。



以上ですが、

もし学校との連携が図れない場合は、子どもに転校を促してみる方がいいかもしれません。

親は普段学校での出来事を詳しく知ることができる立場ではないですから、そこを閉ざされてしまうと八方塞がりになりかねないからです。


場合によってはいじめを解決せずに逃げる形になりますが、楽観視している間に、心に深い傷ができるよりはずっとマシなのです。

いじめの病理


今回はいじめに関するお話をしたいと思います。

あまり想像したくはないものですが、自分の知らないところで子どもがいじめたり、いじめられたりしている可能性は極めて高いかもしれません。


「うちの子に限って・・・」

と目を背けたくもありますが、ここにきていじめというものは、どの子どもにも起こり得るものになりました。

昔は少なかったとか多かったとかは分かりかねますが、私たちの想像以上にいじめは膨大に存在するようです。


9割がいじめ経験=小4〜中3の6年間−文科省調査


なんと、9割の子どもがいじめられた経験を持っているのです。そして、9割近くの子どもがいじめた経験もあります。

誰でも起こり得るとは思っていましたが、まさかこれほど多いとは予想だにしていませんでした。


これらは全て首都圏の学校を対象に調べられたものなので、地方ではまた違った数字が出るのかもしれませんが、

いじめはごく普通の景色として行われているのが現状と言って良いでしょう。



いじめは、注意程度で済むことから、大人が露骨に関わろうとするとかえって悪化するようなことまであるため、簡単に解決できないこともあります。


例えば、いじめられている子どもにとって、家族をはじめ、周囲にその事実を暴かれ、勝手に助けられることは、かえって迷惑なことになりかねません。

その理由は様々ですが、例えばその子どものプライドを傷つけることになったり、またいじめが取り返しつかないほど悪化したりなどの恐れがあります。


次回、もっと詳しくお話していきたいと思います。

うつ病を治すための4つのステージ

うつ病を治すための基本原則は、ゆっくりと休み、抗うつ剤などの服薬を続けることです。

しかし、当然いつまでも休んでいるわけにはいきません。

かといってすぐに学校や職場に復帰すれば、元の状態に逆戻りするのは目に見えてわかります。

では、どのように段階を踏めば良いのか。

詳しくお話ししていきたいと思います。

(うつの状態の良し悪しは人によって違いますが、今回は「うつ病」と医師に診断される程度まで進行している場合を想定しています)

第一ステージ:まずは、絶え間なく「休み続ける」こと


うつ病になってどうしようもなくなったら、まずは自宅療養することです。

この間、当事者が嫌なこと、避けたいことは絶対行ってはいけません。

焦りが出てきて、自発的に行動(職場復帰など)するなども自粛すべきで、

周囲にいる人たちは必ず止めるようにしましょう。


とにもかくにも、休むことが第一なのです。

会話は、当事者が焦りや圧迫感を覚えるようなテーマは控え、

共感し、心を労わるように接することを心掛けましょう。


第二ステージ:散歩など、負荷が軽いものを始めてみる


ある程度休息すると、本人からアクションを起こします。

この時が、もっとも自発的に焦りを覚える時であり、すぐに元の環境に戻ろうと行動を始めがちです。

なぜなら、休息は心の回復が目的ですが、心よりも早く意欲が回復してくるからです。

なので、意欲が回復してきた頃は、心の回復が追いついていないのです。


それなのに、ほとんどの方がここで無理してしまい、失敗します。

ここもぐっとこらえて、じっくりと休むことを心掛けます。


ただし、何もしないことが逆にストレスになるのであれば、散歩や家事といった負荷の軽いことをやってみるのは良いと思います。


子どもの場合は、このステージが訪れるか訪れないかを見極めたいところです。

子どもの心の病は中々断定しづらく、うつ病に見えてうつ病でないこともあるからです。

いくら休んでも休んでも自分からアクションを起こさない場合、

それはうつ病ではないか、うつ病以外にも心に病を抱えているとみて良いでしょう。

もう一度、子どもとの関係・環境を見直してみましょう。

第三ステージ:学校・職場復帰を目指す。しかし本人のペースで。


心も十分休息が得られ、焦りからなどではなく自発的に行動したいと思える段階まできて、

やっと学校や職場などといった環境に復帰できる体制が整ったと言えます。

復帰ではなく、また別の道を見つけるということもありますが、同じことです。

本人にとってつらくなる兆候が見られれば、すぐに中止して休みを取るようにしましょう。


一番気をつけなければならないのは、当事者が本当に精神的に回復しているかということです。

本人では中々気付けないものですが、周囲から判断するのも困難なことです。

医師と相談することが望ましいでしょう。

第四ステージ:自分のペースで環境に適応していく


うつ病は7〜8割といった高確率で再発します。

晴れて復帰、望む環境へ身を置けたとしても、気をつけなければなりません。

学校であれば、午後からの授業だけとか、保健室登校など、

仕事であれば短時間労働、責任の軽い仕事などから始めることが望ましいです。



目安としては、約半年ほどの期間を使ってステージを進んでいくものだと考えてください。

それほどの時間を使い、辛抱強く長期的に付き合っていかなければ中々完治しない病気なのです。

子どもの表現力、実現力

面白いエントリーを見つけました。


長男の授業参観に行った - GAME NEVER SLEEPS


このエントリーで書かれている出来事は、子どもにとって大きな成功体験として刻まれることでしょう。

コミュニケーションも含めて、自己表現という意味でも、もしかしたら将来の自己実現においても大きな転機となりうるかもしれません。


これで仮に、この子どもの発表が授業に相応しくない、などの理由で取り下げられていたら、

子どもの才能の芽はここで摘まれてしまっていたのかもしれません。


というと、大げさに聞こえるでしょうか。

しかし、そんなことはありません。


仮にこの発表が許されなかったとしても、あとでフォローを入れられるなりすれば大事にはならないと思いますが、

子どもの持つ才能の芽を摘む行為、出る杭を打つ行為は、自身では中々気付かないことの方が多いのです。

そのため、往々にしてそのようなことは度々繰り返され、自己表現が否定され続けてしまうのです。


大人たちは子どもに対して「手がかからず、問題を起こさず、周りと同じように」育ってくれることを期待しがちです。

しかし、それは真に成長だと言えるのでしょうか。

もちろんある程度の社会通念は大人になるために必要かもしれませんが、

それで自己表現を遮ってしまうと意味をなさないでしょう。


成長とは、この子のように成功体験を経験し、それを糧にして自分への自身・肯定感を養い、次のステップへ進んでいけることではないでしょうか。

パーソナリティ障害 後編

前回の続きです。

パーソナリティ障害の種類


A群に分類される「統合失調症」と良く似た傾向を持つパーソナリティ障害

統合失調質:内向的で、感情表現が平坦であることが特徴

統合失調型:風変わりで、奇妙な思い込みを持つことが特徴

妄想性:猜疑心が強く、他人のあらゆる言動を疑うことが特徴


B群に分類されるは、感情面や情緒面で不安定さなどがみられるパーソナリティ障害

反社会性:良心が乏しく、反社会的言動が目立ちます。

演技性:常に周囲の注目を浴びたがり、芝居がかったような言動を繰り返します。

境界性:衝動的で、感情の起伏が激しいことを特徴とします。

自己愛性:自分を特別な存在だと思い込み、過度な自尊心を持っています。


C群は、不安や恐怖心の強さで生活を送ることが不自由なパーソナリティ障害

依存性:誰かに世話されるなど、依存心が強い特徴があります。

強迫性:規則やルールなどにとらわれ過ぎて、柔軟性や適応力に欠けます。

回避性:拒絶に対し敏感で、対人関係を築くことを困難とします。


など、十数種類以上カテゴライズされています。

詳しくは説明仕切れないため、お手数ですがご自身で調べてみてください。

パーソナリティ障害と精神病の違い


パーソナリティ障害と精神病は似通った症状が見られます。

例えば、抑うつ性パーソナリティ障害はうつ病の症状と酷似しており、

強迫性パーソナリティ障害は、強迫性障害と似ています。




何が違うかというと、長期にわたる慢性的な持続性があるかどうかです。

パーソナリティ障害から、後々精神病へと発展する場合もあります。


子どもの場合


子どもの場合で判断することは難しいとされています。

なぜなら、パーソナリティ障害は、早く発症しても思春期頃からなので、

子どもの場合はこれを「慢性的」であるかどうかは判断し難いからです。


さらに、思春期、中学生の頃までは、(うつ病など)病名や障害をはっきり伝えられてしまうと、

必要以上に気にしてしまい、症状の悪化や、コンプレックスとしても克服し難いものへとなります。

判断するのが難しいところですが、病名などを伝えるのは、子ども自身がしっかりと受け止められるほど成長していると見受けられる段階になってからが良いと思われます。


パーソナリティ障害を治すための第一歩は当事者自身が自覚しなければならないことではありますが・・・

これ以上のことはケースバイケースなので、詳しいことは医師の判断を仰ぐのが一番でしょう。

パーソナリティ障害とは何か?


うつ病と同様に、みなさんに気にかけていただきたいのが「パーソナリティ障害」です。

パーソナリティ障害は、自己愛的、依存的など十数種類に分類されますが、

そのどれもが、極端な考え方や行動パターンにあり、生活に支障をきたす状態を指します。


障害、というと誤解が生まれがちですが、アスペルガーやAD/HDなどの先天的に発生するものではなく、

挫折や虐待、愛情の欠落などのきっかけから、後天的に発生するものです。

難しいながらも治療は可能とされています。

思春期に差し掛かる頃から表面化することが多いため、うつ病と同様、子どもたちに無関係なことではありません。

どうやって治療・克服するか


パーソナリティ障害に対しては、精神薬の効果は期待できません。

ただし、パーソナリティ障害を持ったまま生活することが起因してうつ病を患う場合もあるため、

その可能性がある場合は投薬を行いますが、その場合でもパーソナリティ障害そのものが改善されることはありません。

なので、治療としてはカウンセリングやその他心理療法を行います。


しかし、医師から「あなたはパーソナリティ障害である」と診断することはほぼありません。

なぜなら、精神科、心療内科にかかる方は、大抵は「心の病気」を心配して来診しますが、

それをいきなり「障害」として診断されれば、かなりのショックを受けることになるからです。

さらに、会社などを休職される場合、診断書に「パーソナリティ障害」と書かれるときまりが悪いだろう、という事情もあります。


そのため、パーソナリティ障害克服の第一歩は、まず自身が知り、自覚することから始まります。

そして、できれば自ら進んでカウンセリングや心理療法を受けて、克服することが近道です。


しかし、子どもの場合は少し複雑になってきます。

その辺りも含めまして、また次回も引き続きお話ししていきたいと思います。