東京操体フォーラム 実行委員ブログ

 操体のプロ、東京操体フォーラム実行委員によるリレーブログ

彼岸花=曼珠紗華。


一ヶ月前のことで恐縮ですが、今年も私の仕事場の周りには彼岸花が咲き誇っていました。
田んぼのあぜ道、線路沿いの土手、お彼岸の頃には決まって、知らず知らずのうちに咲き誇っています。
いつも、気がつけばもう咲き誇っているという感じなので、今年はどの様に咲いていくのか観察してみようと思いました。
写真はその時の様子です。

9月14日、茎が伸びて蕾になっているのを発見しました。右下の方にもニョキッと一本出てきています。




9月18日、開花しました。右下の方のも随分丈が伸びました。




9月22日、田んぼの畦の様子。



今年は割りと涼しかった為か、フライング気味に何本か早くから咲きはじめた仲間もいたようですが、お彼岸の中日にはいつもどうり、みんなで咲き誇っていました。

彼岸花というと、死人花とか幽霊花とか地獄花とか、関西では持って帰ると家が火事になるとか言われていたりするそうで、不吉な花と思われる反面、別名、曼珠紗華とも呼ばれていて、これは天上の花という意味で、おめでたい事が起こる兆しに天から赤い花がふってくるとも言われているそうです。
またこの花の球根には毒があり、これを食べると彼岸に行ってしまう(死んでしまう)と言われる反面、この毒は水に晒せば無毒化する為、食糧難の時には救飢植物として食用にされていたり、石蒜という生薬として利用しているところもあるという。
しかし、そのまま食べると激しい下痢や嘔吐、ひどい場合には中枢神経の麻痺から死に至る場合もあるというのに、よくこれを工夫して食べようとしたものだと感心してしまう。
すりつぶして、数日間良く水に晒して、水の底に沈殿した白いデンプンを乾燥させると、片栗粉や馬鈴薯澱粉コーンスターチのようなものが出来、それを水で溶いて練り込んで平べったい饅頭のようにして形作り、タレをつけながら焼いて食べたという(良い子は絶対に真似してはいけません)。
こんな芸当は他の動物には出来ないことであり、事実ネズミやモグラはこの球根がある田んぼのあぜ道や墓場には近づけないのだという。
他の食べ物でもそうですが、人間の場合、彼岸に行った先人の知恵と勇気によって食が支えてられている面が多分にあると思います。
先人に感謝です。


友松誠