東京操体フォーラム 実行委員ブログ

 操体のプロ、東京操体フォーラム実行委員によるリレーブログ

臨床と生活にいかす操体法(五日目)

なんともないので、キモチイイわけではありません。
(昨日の続き)
 
 
そして、ここで一般の方がセルフケアで操体を行って陥りやすい『ドツボ』をお知らせしたいとおもいます。
 
近年の操体法ですが、
「操体法って『楽か辛いかの二者択一』ですよね』という人はまずいません。
「操体法って、きもちよさ、ですよね」
大抵はこのようにおっしゃいます。
 
もう一度おさらいしますと
「操体法って『楽か辛いかの二者択一』ですよね」が、第一分析
「操体法って、きもちよさ、ですよね」が、第二分析です。
 
そして、第一分析を(楽な動き)を分析しているのに「きもちいいですか」とか聞いちゃう人、
つまり、楽と快の違いをわかっていない人がいるので、「操体ってきもちいいっていうけどさっぱりわからない」というお話になってきます。
 
そういう指導者もいますので、「楽な方に動かして、1番きもちのいいところで動きをたわめて」とか言う人※もいます。
 
ちなみに「1番きもちのいいところで、動きをたわめて」というのは、三浦先生が言葉を磨き上げて作り上げた、第二分析の問いかけです。
 
※何で楽な方に動かしてるのに、1番きもちのいいところに突然変異するんだよ!という感じです。
要はわかってないんです。
 
橋本敬三先生は「無知は罪悪である」と書いていましたが、操体指導者なのに?こんな根本的な事も知らずに指導してんのか?!と、私が叫びたくなるのもわかっていただけるでしょうか。
 
さて、これには続きがあります。
「楽な方に動かして、1番きもちのいいところで動きをたわめて」と言った場合、
受け手は「えっ?1番きもちのいいところ?そんなのわからない」と、なります。
 
当然です。
楽な方に動かしているのに突然1番きもちがいいところ?って言われちゃうんですから。
 
さらに、初心者が陥る「勘違い」に、「操体の動診には、必ずきもちよさがあるはず」ということです。
 
前述のとおり、バランスがとれており、ニュートラルであれば「なんともない」ですし、
介助補助(操者がいる場合は、適切な介助補助によって、きもちのよさをききわける手伝いをします。勿論操者が第二分析を熟知している場合です)がうまく行っていないと、きもちのよさは味わえないことがあります。
 
つまり、環境や操者のスキルによっては「きもちのよさ」を聞き分けられないこともあるのです。
これは「快からのメッセージ」にも詳しいですが「きもちのよさをききわけることが困難」な患者さんもおり、それも診断のポイントになるのですが。。