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2014-10-17

★こうのとり、たちずさんで/テオ・アンゲロプロス(1991年)


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最終の風景が意味不明の異様さだったので、思わずデジカメに撮りデスクトップに貼った。

甲乙つけがたい異様シーンは他に2つある。

1つは国境の河川を挟んで大勢の村人たちが再会し結婚の儀式も行われるシーン。公開時に劇場で見たとき最も唖然としたのはこれだった。

もう1つはクレーンで高く首を吊られた男が線路上に降ろされるシーン。ちょうどそこに遠くから列車がやってきて停車する。主人公は車内に入り込み、待ち人を見つけ一緒にホームに降り立つと、列車は再び動いて通り過ぎる。この一連の動きが1カットで見せられる。しかもカメラは列車がやってくる方向から遠ざかる方向まで完全に180度ターンする。撮影機材をどこに置いて撮ったのかと以前首をひねったが、鉄道は複線だから、列車が通る隣の線路上に機材一式を載せレール上を全スタッフが移動しながらカメラをパンすれば、機材がバレないまま全方向の風景を見せられるのかと気づいた。

映画の内容はいわゆる観念的なので、仮に小説で読んだとしたら相当辛く理解も難しいだろう。映画自体も理解というのにはなじまないけれど、なにしろ魔法のごとく異様で迫力のある光景に圧倒されてしまうので、余計なことを考える気にはならない。

アンゲロプロスのDVDが最近TSUTAYAに出てきたので、まず久しぶりにこれを借りた次第。次は『ユリシーズの瞳』を。

 こうのとり、たちずさんで [DVD]


〈薀蓄 膿症〉

・ギリシアには青く輝く海だけでなく、くすんで寂しい雪もあるのだった。

・「たちずさんで」は翻訳の池澤夏樹による造語だったはず。


ところで、ちょうどそのあとTBSで始まったドラマ『ごめんね青春!』(宮藤官九郎脚本)を見ていたら、女子校の敷地の直前で男子生徒らが片足を上げて立ち止まる場面があったので、橋の真ん中の国境線上で兵士が似たポーズをとるこの映画の象徴ともいうべき場面を思い出さないわけにはいかなかった(以下0:20参照)

D(予告編)