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【2019 輪廻転生】

「電車男」は、ことしの流行語大賞になるかも?


小説に新しいジャンルが出来たというより、
詩でも物語でも小説でもない、まったく新しい文学の出現、
とみるほうがいいのではないか。(中身はさておき)
ただ、小説というのは、
文学のノンジャンルというかothersというか無形式というか、
残りものすべてを取り込んだチャーハンみたいな存在とも言えるわけで、
電車男」を含めることで、小説という枠のほうが拡張するのかもしれない。


巨大掲示板という新しい「読み書き基盤」が生じたことによって、
電車男」に代表される新しい「読み書き」が生じたのか、
逆に、
電車男」に代表される新しい「読み書き」が生じたことによって、
巨大掲示板という新しい「読み書きの基盤」が生じたのか、
そのへん、どっちとも言えないところが面白い。


これは、明治のはじめの「言文一致」と「近代小説」の
因果関係にたぶん似ているのだろう。
当時、小説とかいうものをちょっと書いてみるか、というやんちゃ者は、
今の2ちゃんに書くくらい無軌道であり発見の連続であり、
比類なく楽しかったのではないだろうか。

 

電車男』 ASIN:4104715018