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2004-12-23

正月の仕込み

図書館で『吾輩は猫である』(新潮文庫)を何気なく手にしたら、これ正月読むのにいいかと思い始める。しかも解説をみたら、この小説が世に出たのは1905年(明治38年)ということで、ちょうど100年目。お目出度う御座います。夏目漱石は前年の12月に高浜虚子から散文の執筆を勧められ、初めての小説に手を染めた。それが「吾輩は猫である」第1回。明けて05年の『ホトトギス』1月号に掲載された。

おまけに、第2回は元旦の話だ。飼い主である苦沙弥先生のところに年賀状が相次いで届く。そこには世間で有名になった吾輩の絵が添えてある。「かの猫へもよろしく御伝声奉願上候」。お節気分も盛りあがる。そのあと苦沙弥先生は、なぜか椎茸で前歯を折ったという寒月君に誘われて外出する。「どうも好い天気ですな、御閑なら御一緒に散歩でもしましょうか、旅順が落ちたので市中は大変な景気ですよ」。そういえば日露戦争が04年から05年にまたがって進行していたのだった。どんな昔もそのときは今。しかし苦沙弥先生は、《…旅順の陥落よりも女連(*寒月君が知りあったという令嬢たち)の身元を聞きたいと云う顔…》。猫が雑煮に手を出して大変なことになるのはもうすぐだ。

100年か。ちなみに来年は敗戦から60年でもある。そうすると、『吾輩は猫である』ないし日露戦争から大戦終結までは40年ほどしかなくて、敗戦から現在までは60年になろうとしているわけだ。同じことばかり言うが、「戦後」はあまりに長い。いや「とっくに戦時中だろ」とも言われているのだった。いわば日露戦争みたいなスペクタクル?

*「苦沙美」と誤記していました。「苦沙弥」に訂正しました(1.10)


吾輩は猫である ASIN:4101010013




ちなみに、1905年はアインシュタインが相対性理論を発表した年でもあるらしい。

http://www.wyp2005.jp/

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