東京永久観光 このページをアンテナに追加 RSSフィード

2005-05-01

『白鯨』にも出てくるケープコッドは千葉にあった


東京ディズニーシーに行ってきた。ディズニーランドも含めて死ぬまで縁はあるまいと思っていた私だが、5500円のタダ券が回ってきた。だから、あれとこれは絶対見るぞとか元は取らねばといった切迫感をまるきり欠いていた。存外に楽しかったのはそのおかげだろう。観光というのはじつに、期待や準備をまったくしないにかぎる。

それにしても、頭にずっと浮かんでいたのは「ニセ観光」というフレーズだった。なにしろ、園内に配置された都市や自然の景観は、旅先で出会えばいやでも足をとめて写真など撮りたくなるツボをことごとく突いてくる。歳月をかけてしみつくはずの歴史や物語のムードだけをみごとに抽出して陳列したと言ってもいい。加えて、観光というのは何かを見たり何かで遊んだりするわけだが、ここではどうも、ディズニーワールドを見たり遊んだりしている人や自分そのものをついつい観光してしまう。メタ観光だ、つまり。

といっても、ここでディズニーシーを貶めるつもりはない。日常の行為や風景を本物と捉えるなら、観光とは結局いずれもにわか仕立ての非日常であって最初からニセでしかありえない。また、それを重々自覚してなお観光しようとすれば、観光する自分を観光するというヒネた根性がまた必ずつきまとう。でもそんなメタ観光がなんとも楽しみなのだから、べつにいい。


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ニセ観光とかメタ観光といったひねくれを私が強く自覚したのは、中国の西安や敦煌を旅行しているときだった。以下はその話(↓)

http://www.mayq.net/tabi9912.html

http://www.mayq.net/tabi9916.html

(白文字で読めないことがありますが、自力でなんとかしてくださいますよう)


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また別の観点だが、小説と旅行の類似について適当な思いつき(↓)

http://www.mayq.net/tg1.html


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こうした都市や自然や歴史や物語のテーマパークを、アメリカ一辺倒のセンスではなく東洋風あるいは日本風の世界像で作りあげたら、もっと格別にわくわくするのだろうなとも考えた。『千と千尋の神隠し』、江戸川乱歩の「パノラマ島綺譚」(ほとんど話を忘れたが)といったものを思い出しつつ。

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