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2005-06-12

あの日を作りたい


ちょっと考えると分かるが、私とか心とかそういうものが当たり前に成立するためだけにも、「憶えておくこと」や「想いだすこと」(少しきどった漢字にしてみた)は紛れもなく不可欠だ。個人の生の少なくとも半分は、イコール記憶・回想なのだとすら思える。だから、懐かしむばかりで日が暮れたというようなことがあったり、それを望んだりすることも、後ろ向きなようで、むしろ人間らしいとも言える。――といったことを、是枝裕和監督『ワンダフルライフ』(DVD)を見てから、考えていた。

それにしても。「あの日に帰りたい」と強く願うことは誰しもあるだろう。でも本当にその日に帰った人はいない…。つまり「あの日に帰る」は「あの日を想いだす」で代用するほかない。するとそれは「諦める」の言い換えなのか。そうかもしれない。ただ、それはパソコンのごとく「あの日」の保管データを読み込むのとは違う。記憶や回想とは、今ここで一から作っている作業のようにも思われる。だから、思い出のシーンを映画として撮影し上映してみるなどという人為的で物理的な企画も、我々がしばしばやっているその「想いだす」という企画と、ちっとも変わらない。

《あなたの人生の中から大切な思い出をひとつだけ選んで下さい。いつを選びますか?》

映画『ワンダフルライフ』 ASIN:B00008BDBW

http://www.kore-eda.com/w-life/(公式サイト)

まっちゃんまっちゃん 2005/06/12 06:10 『ワンダフルライフ』とても好きなので、Junkyさんが好意的に評価して?くださってうれしいです!

tokyocattokyocat 2005/06/13 01:07 完全な劇映画でないところが、夢とうつつの境目をわからなくさせるようで、いいですね。ほかにも語りどころはたくさんある映画だと思います。

桃子桃子 2005/06/17 15:53 4月の写真撮影