衝撃的に面白い。さてはこれアフェリエイトの情報商材だなと疑いたくなるほど、まさかそんな!という驚きの連続。人間のふるまいが単純なのは、エネルギーや熱のふるまいが単純なのと同じという主旨のようだが、まさかそんな……
ビッグデータを用いたら人間や社会のマクロなふるまいが初めて見えてきたというのは、大昔ガリレオが望遠鏡で月を見たらデコボコだらけだと初めてわかったというのと、似た状況なのかもしれない。
しかしまあ、年を追うごとに、文学や哲学の香りがあまりに希薄な書物にばかり感動する自分がいる。
とはいえ、この本は、たとえば「方程式とはそもそも何か」といった数学哲学とでも呼ぶべきことの核心に気づかせるところが、とてもユニークだと思う。
《方程式にはある特徴がある》《時間軸上(あるいは空間軸上)で状態がどれだけ急に変化するかであることだ》 《ここで「現在の状態から次の瞬間の状態が創られる」ジェネレータを表す言葉が「微分」である》
しかし人間の行動は不連続なのでそのままでは微分できない。そこで著者はアクロバティックな変換を行い、人間の行動のパターンを生み出すジェネレータ(単純な法則)を見出す。《すなわちイベントの不連続な変化そのものではなく、確率の変化を表現することで、ここでも「微分」が使えるのである》
人間がそんな単純なものか!と怒りたくもなるが、たとえばすでに体温・血圧・血糖値などは実に単純なデータだ。
だいぶ前に読んだこの記事がきっかけ(https://cakes.mu/posts/6945?r=20140915m)