さよならムサシ

マガジンでは料理漫画が半分タブー化している(原因:味の助)にもかかわらず、2006年から始まった格闘料理人ムサシ。料理漫画というだけでも期待できないのに、それを伝説の漫画家・刃森尊が手がけるという大胆さ。当時は編集部の頭がついにおかしくなったのかと思いました。始まってからも、刃森ループを駆使しつつ私達読者を一喜一憂させてくれました。正直、途中から読むのをやめようかと思ったくらいです。こんな漫画が本当に売れているのか不思議でしかたがありません。


そんな格闘料理人ムサシもとうとう3巻まで出ました。

そもそも表紙というのはその巻の内容を表す重要な要素なんです。その表紙だけを見て漫画を買うことがあるくらい重要です。それなのに、表紙にはムサシという漫画にほとんど絡みのない若手ラーメン屋の主人、空中に浮くラーメンという手品を見せるヒロイン、真っ赤で大きなウ○コさんをかぶる主人公という構図になっています。この表紙で買おうと思う奴がいるのか小一時間ほど悩みました。




話の内容としては2巻からの続きからです。2巻の終わりはフィギュアスケートをやっているチハルちゃんのための料理を作ってあげました。スケートリンク内にバイクで侵入したり、病院内で炭を焼いたり、蜂の巣を持ち込んだりのやりたい放題。しかし、これらのお話も次のステップへの布石でしかありません。ムサシは勝負というものを目の当たりにして、オヤジに建物の地下につれていかれます。






「U−19の異種格闘料理大会があるんだ」あまりにも唐突すぎます。誰もそんな流れを期待していなかっただけに驚きでした。さらに、料理大会なのに格闘とはどういうことなのかわかりません。ちなみにこの大会は、店をもてない年齢でもプロのシェフ以上の腕とセンスを持つ10代の料理人がいるから、勝ち抜き戦を行なわせてU−19の世界大会に送り込むというものです。そんな重要な大会をこんなひっそりとやってていいのか不思議です。








というわけで最初の相手。



???



世界大会に送り込むと意気込んでいたわりに、いきなり日本人じゃない人が対戦相手とはどういうことなんでしょうか・・・?その前にこの人U−19じゃないでしょ!?わけが分からん。




まぁ、ツッコミどころはたくさんありますが、これくらい刃森漫画では常識です。
というわけで、この陳くんと戦うことになりますが女の子審査員の指定により「香り」をテーマにした料理を作ることになります。ちなみにこの審査員は天の川リサという神の鼻を持つ天才女子ソムリエです。この指定に対して陳くんが作った料理は「丸揚げ車えびのエビチリ」「海老入り激辛坦々麺」「海老油マーボー丼」というバリバリの中華。これはものすごい香りが作られるはずです。こういう強烈な香りを相手にしてはさすがのムサシも大変でしょう。しかし、ムサシはそんな劣勢も覆します。





まず、彼女の経歴を調べます。この時点で犯罪の匂いがプンプンします。次に彼女がハンカチを出した時にくまなくチェックします。これにはストーカーも真っ青。この時の入念なチェックのおかげでハンカチにカエルのワンポイントをみつけます。


そこでムサシは気付きました・・。彼女は転校ばかりで寂しかったはず!!つまり・・・、そのワンポイントはカエルじゃなくてクマなんだと!!!!しかも、彼の予想では彼女はテディベアが好きみたいです。そんな簡単に予想できるわけがないはずなんですが、意外にも大正解でした。






ここでふと気付きます。いつから「探偵料理人ムサシ」になったんだろう・・・。ここまでの推理には某名探偵の孫も小さくなってしまったあれれ〜な少年も舌を巻くはずです。さらにこの後も、彼女のポーチをチェックし、テディベアの当たる応募券をみつけます。そこからクリームシチューが好きだというとこまで見事に当てます。



結局、ムサシの機転のきいたストーカー行為と推理のおかげで、料理の腕は関係なく陳くんに勝利します。どう考えても料理の腕を考えれば陳くんの方が明らかに上だったんですが・・・。






次の勝負は表紙にも出てきたラーメン界のホープの金田くんとの勝負。ちなみにラーメン勝負をします。どうして異種格闘料理対決なのに、相手の得意分野に合わせないといけないのか不思議でしょうがありません。しかし、そこでもムサシは勝ちます。ここでもムサシが勝てたのは父のおかげでもあり、レシピを色々と残していったまま他界してしまった母のおかげです。ここでムサシは親の偉大さに改めて気付きます。まぁ、他界してしまったお母さんも息子が変な髪形をしてるなんて微塵も思っていなかったでしょうが。





ついにムサシは料理の原点を見つけ、きっとここから数々の名勝負が生まれ世界大会に向かっていくのだろうと誰もが思っていました。というか、ここで最終回だったら良かったのに。










この後、格闘料理大会の話から一転日常に戻ります。出前に行く途中に女の子に呼び止められます。
















頼む人間違えてるよ!!!
どうしてムサシに頼むんだろう・・・。何でも部内でイジメが横行し、試合に勝てるかも分からない状況になっているそうです。そこでムサシが取った行動は・・・・。






ハーフタイム中にカレーうどんの差し入れをします。こんなもの食べれない!という言葉があると思いきや美味しそうにカレーうどんを食べる部員達。これから動かないといけない状況でこんなものを食べたら吐くとは全く思っていません。そもそも、こんな不気味な髪形をしている人間が作ったものを不用意に食べるのもどうかと思いますが・・・。



・・・で、色々あってチームは勝利します。





話の最後にムサシはチームのメンバーに励ましの言葉を述べます。そして・・・









〜完〜






・・・・(゚Д゚ )

おっ、終わりやがった!急すぎるだろ!!最後の話なんてひとかけらもヒロイン出てきてないぞ!!?まるで種死カガリじゃないか!!雑誌で急に終わったのを見てあまりにも愕然としてしまいました。こんなに面白い漫画を打ち切るなんて編集部の頭はおかしいんじゃないですか?せっかく世界大会のことやお母さんのレシピといった伏線を楽しみにしていたのに・・・。非常に残念です。


しかし、どんな漫画でもいつかは終わってしまいます。こんなに素晴らしく面白い漫画でさえ終わってしまう日が来るのです。ただ、少し早かっただけなんです・・・。



残念ではありますが、最後に当ブログのマスコットキャラである優飛から一言お願いします。










もう戻ってこなくていいよ〜(・ω・)ノシ