人生の楽しみ方教本「ネイチャージモン」

ネイチャージモン(1) (ヤンマガKCスペシャル)

ネイチャージモン(1) (ヤンマガKCスペシャル)

やあ皆さん、ネイチャーしてますか?(挨拶)



この作品は別冊ヤンマガ(orヤンマガ)で刃森尊先生の絵によって連載されているネイチャーの生態漫画です。
ちなみに「ネイチャー」とはダチョウ倶楽部の寺門ジモンさんの別の顔のことです。
知っている人は知っている・・・・はず。
生態漫画ということで、ネイチャーの素をそのままに新人編集者のコマツが密着レポートしています。
後述しますが、このコマツが我々読者の意見を全て代弁してくれています。


ところで、ネイチャーを知らない皆さんは寺門ジモンさんをどういう風に見ていますか?
上島さんやリーダーの陰に隠れた地味な存在だと思っていませんか?
はっきり言ってその概念は捨てた方がいいです。
お笑い芸人は芸として変わったことをしますが、ネイチャーは本能で変なことをしています。(←他人目線
ちょっとでも気になった人は読んでみてください。



普通の寺門さん


僕らのネイチャージモン


1巻ではネイチャーの趣味の一つであるクワガタ捕りと、焼肉のお話が収録されています。
まずクワガタ捕りではコマツを引きつれてクワガタ採集を2回ほど敢行しています。
その中では「生きるためのコツ」がネイチャーによって事細かに語られています。
「山は歩くんじゃない 山を泳ぐんだ!!」は名言の一つです。
他にもハチやヘビ、クマと遭遇した時の対応や、、山に入るための準備等々が熱く語られています。
まぁ、これを読んだからって行けるわけではありませんがね〜。
あっ、ちなみに普通に生きるには全く役に立ちませんよ。
ネイチャーの生きる場所は基本的に山なので、普通の読者にとっては何の価値もありません。
もう本当に関係がありません。




で、次の焼肉編ではネイチャーの肉に対する熱い思いが語られています。
焼肉を食べるための準備、店主との心のやりとり、今回行ったスタミナ宴のサブメニューの凄さ等々・・。
特に焼肉を食べるためだけの準備は相当やばいですね。
ペナルティのヒデがBBQに相当熱いことは周知の事実(?)ですが、それよりも数段斜め上です。
ちなみに、予約のいらない店に電話をすることによって「ジモンが来るぜ・・」と思わせるそうです。
他にも開店の何時間も前からトレーニングをしたり、店の前のイスに座り(勝手に)オーラを出しているそうな。
一番の不思議は必ず肉に対する感動を店の奥にいる店主に聞こえるよう、大声で叫ぶことですが・・・。
あ、あと、ハラミの話ですが、「ネイチャーは右が好き!でも左も好きかな?」だそうです。*1



クワガタ編では「ネイチャージモン」とは何ぞや?という部分が強調されていますが、
焼肉編では一つのものに対するネイチャーの熱い思いが込められています。
俺的には焼き肉編がかなりオススメです。食べているコマツとネイチャーを見ると、肉が食べたくなりますよ。


ところで、絵を描いている刃森先生といえば、ウチでもレビューした「格闘料理人ムサシ」でも有名な人。
マガジン誌上でも色々と残念な漫画家さんで有名だったりします。
カツオ、ゴリ夫伝説の頭 翔あたりはコアなファン以外は受け付けないという異色の漫画家。
しかし、このネイチャージモンではそんな残念な部分は一切感じさせない面白さをかもし出しています。
俺の感想ですが、ネイチャーという独特のものを扱っているせいか、絵との波長があっているんだと思います。
これが羽森先生の本気。というか、毒をもって毒をせいしているなぁ・・・・・。


ネイチャージモンという一風変わった人間を題材にしたこの漫画ですが、彼から伝わってくる熱さは相当なもの。
一つ一つに対して本当にマジメで、そしてウザイ。
何をするにしても理由があり、そしてウザイ。
怪しい笑顔に浮き上がる血管、そしてウザイ。
ウザイウザイ言っていますが、かなりのものです。
しかし、それを中和しているのがコマツくん。ネイチャーに対してコマツくんが的確にツッコミを入れています。
「アホだ・・。この人絶対にアホだ!」「こーゆーことさえしなければいい人なんだけど」といった
当たり前のようなツッコミながら、これがないと相当胃もたれのする漫画になっていたはず。
今後もこの漫画が続いていく上で相当重要なキャラになりそうです。




ネイチャーという面白人間を見れたこと、羽森先生の本気が見れて本当に良かったです。
どういう人間であれ、ネイチャーのような何かに夢中になれることを見つけた人間は相当カッコイイよ。
焼き肉編での「妥協しない仕事人がいてそれを客が分かってあげるのが愛情なんだ」という言葉はかなりの名言。
クワガタ編においてもそれは同様で、だからこそネイチャーに同調する人間がいるんだと思います。


クワガタを捕るためにあえて苦難な道のりを行き、焼肉を食べるために最高の空腹状態にしていく。
これらは全て、「一度マイナスにすることによってプラスの大きさを引き出す」技術です。
それがネイチャーであり、ネイチャーの生き方だと感じました。
こんな生き方をしてみたい!!・・・とはこれっぽっちも思いませんが、喜びを突き詰めた完成形だと思います。



あ、そうそう。表紙裏の話ですが・・・・



表紙裏で何かを叫ぶネイチャー






右上拡大


「ネイチャーに会えたら、ここにキミへのメッセージを書いてもらおう!」


いや、そもそも持ち歩かないし!!!!







まぁ、こんな作品ですが皆さんに買ってもらいたいです。というかもう既に買いましたよね〜???
え・・・・、買ってない・・・・・?








ちなみに俺は・・・・・












左から観賞用・保存用・布教用です。

ナイスネイチャー!!!

*1:意味の分からない人は買って読んでね