日本サッカー界の革命戦士 戌井凌駕「コラソン サッカー魂」

ヤンマガ面白いですね。最近のオススメは砂の栄冠だったりします。ガーソはクソですけど。小日向も大好きですし、喧嘩商売も・・・っていつ戻ってくるんでしょう。最近話題になったのはらーめん娘でしょうか。まぁ、先週と今週の内容は酷すぎて語るレベルでもないです。これ酷いよねwと言えるレベルとそうじゃないレベルを勘違いしています。無駄話ではあまりこんなこと書きたくないですけどもはっきりと言っておきます。正直つまらんです。何か腹が立ったので言っておきます。
そんならーめん娘と昨年、評価を2分した作品といえば「革命戦士 犬童貞男」ですよね。異論は認めますが。



犬童貞男!

ヤンマガで急に出てきた第1話に驚愕しました。おいおい、こんなのやっていいのかよ・・・と。一部の情報では、犬童貞男の顔を見るだけで子供が泣き出すとか。いや、確かに怖いし気持ち悪いですよ。
大きな犬が人間を殺して回っているという怪情報から、その大きな犬と一緒に行動する犬童貞男を発見したテレビ局。しかし、止めるどころか、いや話すらさせてもらえず次々と人が殺されていきます。それと合わせて暴れだす動物たち。人類はこのまま動物たち、犬童の手によって滅んでしまうのか。助かる術はあるのか。
・・・とまぁ、クライシスな話なのかなぁと思いきや、何のことはないただのシュールギャグ作品でした。というか、厨二が童貞をこじらせただけの作品です。人がばさばさと死んでいくので好みはあるかもしれませんね。俺は好きでしたよ。1巻で話は終わってるんですけど、まさか第二部があるとは思いませんでしたが・・・。どんな判断してるんだろう。







さて、そんな犬童のことは忘れて、昨年最終回を迎えた「コラソン サッカー魂」についてです。
そもそも塀内夏子先生が大好きなんですよ。キャラクターの”熱”を伝えるのがうまい漫画家さんだと思ってます。ROADとか学生時代に何度も読みましたねぇ。ただ、そんな塀内先生の作品といえば、どうしてもサッカー作品を外せません。塀内先生自身がサッカー大好きなこともあり、とにかく名作が多いです。
特徴としては「観客が見たい熱いサッカー漫画」でしょうか。
サッカー漫画というと、スーパープレーの連続漫画、戦術性を楽しむ漫画等々、多種多様に分かれています。それは、サッカーの楽しみ方が多種多様なことに一因しているかと。とある監督が作り出すチームの洗練さ、スペシャルな選手を見るだけでも楽しめる、スタジアムの雰囲気、自身がプレーして楽しむなど。皆さんの楽しみ方がそれぞれあることを考えると、これだけサッカー漫画が発展できたこともよく分かります。



戦う男・戌井凌駕

塀内先生はとにかく日本代表が好きですよね。自身がドーハから何から、日本代表が成長してきている過程を見てきているというのも大きいようで。ハラハラドキドキして日本代表を見守ってきたことが作品からも伺えます。
そんな塀内作品「コラソン サッカー魂」では、日本代表に足りていない”点を取る”FW・戌井凌駕を中心とした日本代表を描いています。この戌井という男が、とにかく暴れん坊すぎ。試合に出れば相手チームと喧嘩。日本代表に呼ばれてからも、協会、チームメイト、呼んでくれた監督にたて突いてばかり。ただ、得点能力は抜群。


・・・まだ喧嘩してますが

まぁ、点を取れればいいかといえばそうでもなく。さすがに仲が悪すぎるのもどうかと思いますけどね。1人でやるには限界がありますし・・・。
最終巻である8巻、9巻ではそんな喧嘩の場面から、新しい可能性を見せてくれるところまでを描いています。その転換となったのが、凌駕の「勝ちたい」という気持ち。暴れるのは敵にナメられないため。味方のほとんども誤解していますが、それもこれも自分のチームを勝たせるため。もちろん自分のためというのが大きいんですけども。ただ、そんなたったちょっとのこと、「勝ちたい」という気持ちを共有しただけで全てが変わりました。というか、変わりすぎ・・・?


あんなスゲエヤツ・・・

協会、メディアのバッシングで当初の凌駕の評判は相当低いものでした。それを覆したのは凌駕自身。「やな奴だけど、点は取るんだよな」「あんな奴は認めない」色んな言葉がありました。それを最後の最後にエールへと変えさせています。
こんなFWが本当に日本にいたとしたら・・・。まぁ、若手が台頭してきた今の日本代表とはちょっと違うんですけどね。数年前のW杯、武器のない日本代表、微妙なメディア、大きな挫折。サッカー熱しかなかった時代もありましたねぇ。もやもやっとした時代もありましたっけ。




応援したくなる選手たち

選W杯に出れるチーム、W杯で活躍できるチームを応援したいんですが、それと同じくらい見ていて熱くなれるチームを応援したいものです。コラソンはそのあたりが絶妙に上手い。1つの可能性としての日本代表でしたが、共通して持っていてもらいたいのは熱さですよ。しかしまぁ、その熱を削ぐのが漫画でも現実でもサッカー協会だというのがねぇ・・・。冒頭のガーソもクソでしたが、この作品での協会連中も相当なクソだったと思います。
それと、最後に凌駕とヘルマン監督の関係がすごく素敵だったことも付け加えておきます。鼻つまみ者だった凌駕を拾ってきたヘルマン監督。ぶつかってぶつかってぶつかり続けた二人も最後には大きな信頼関係ができていました。


いつだって罵声を浴びて泥をかぶり
時に血に染まっても
様になるようなワルがいい
リョウガのようなFWがいい」



リョウガのようなFWがいい」

・・・泣いちゃったよ、俺も、凌駕も。鬼の目にも涙?というには言いすぎかもしれませんが、自分の父親から信頼されたかのように嬉しくなる気持ちが芽生えていたのかもしれません。塀内作品は泣かせにくるなぁ。辛い思いをした人間が、最後の最後で涙を流す姿を描かせたら天下一品です。またサッカー漫画をやってほしいものです。


そこまで心配していませんが、今の日本代表にも強烈なFWがいてくれたらなぁとか思ってます。そう革命戦士 犬童貞男戌井凌駕のような男がいい。