素人の医療行為は医者の幽霊の前でやりましょう「Dr.デュオ-Duo-」



単行本買いました※表紙裏より

週マガといえば?と言われたら色々あるんですが、医療漫画は近年の週マガでは外せないジャンルじゃないかと思います。ドクターK、そして最終回を迎えてしまったゴッ輝、そして現在連載中の「Dr.デュオ-Duo-」。人の命を扱う作品でありながら、現代医療の問題、そしてその進歩を描くジャンルです。ただ、今のDr.デュオという作品は一味違います。


医師と意志

作品冒頭から主人公の一人でもある天才外科医・東雲圭祐(画像左・シノノメケイスケ)が死にます。幽霊となって公園で寝ていたところ、もう一人の主人公でもある琴音介(画像右・コトネタスク)が東雲を見つけます。何故、幽霊となった東雲をタスクが見えたのかは謎です。しかし、この二人の出会い・・・とても大きな出来事でした。


手術をします

元々、プラモデル作りが得意なタスク。カッター片手に外科医手術をこなします。いやいや、もちろんタスクは素人です。素人・・・なんですが、東雲の細かな指示を聞きながら行っています。あ、当然のことながら本当はダメですよ?横に医者がいても素人がやっていいものではありません。この作品ではタスクが遭遇した事故により、身近な人をどうしても、本当にどうしても助けたいという気持ちから手術を行っています。いやまぁ、だからOKだろってことではないんですけど・・・。
少なくとも、見ただけで状況判断ができる天才医師と、素人ながらプロ顔負けの施術を行うからこそ可能なお話です。皆さんもせめて幽霊になった天才外科医が見えるようになってからやりましょう。


ラクショーだ・・・

ただ、非常に重要なのは、決してタスク自身も何でもやれるというわけでもないということ。誰も助ける人がいない、しかし助けないと死んでしまう。そんな場面に遭遇し、ビビりながらも小さな小さな勇気を振り絞って手術を行っています。当たり前ですが、望んで人体を切り刻むなんて、ただの異常者ですよ。
1巻で遭遇する事故・事件は3つ。好きな子の弟が太ももをガラスで損傷、車の事故で喉がつぶれた看護士、銃で胸を撃たれた先輩。彼らをその場で手術してます。まぁ、全員危険な状況だったので仕方ないっす・・・。特に銃で撃たれた先輩への手術は、犯人がまだその場にいる、お店のお客さんがいる前でやったというものでした。「何やってんだ!」という皆さん・・・、ええ、そうですよね。


目の前で誰かが死んでしまうことの方が怖い

決して施術を誰でもやろうと推奨している作品じゃないことは当然分かるかと思います。むしろ、人の命がどれほど大切かを伝える作品です。医者じゃない人間がやるからこそ、逆にその部分が大きく伝わってくるんじゃないでしょうか。
あっ、あと血が多いのも特徴ですかねぇ。ドバドバ出てます。現実もあれくらい出るんでしょうか???気になる点としては、東雲の死因がよく分からないんですよねぇ。というか、1巻ではまだ東雲話が少ないので・・・。日本が誇る天才外科医が死んだ。その才能が幽霊となってうろついている。これは何かありますなあ・・・。



週マガ的にも期待の新人さんです。元々はジャンプ側にいたという話もありますが、週マガに来てくれて何よりです。大切に育ててほしいものです。医療漫画は長寿のイメージがありますけど、素人の医療という点でどこまでやれるのか気になるところ。オール素人医療なんてありえるんだろうか・・・?まぁ、ゴッ輝と違い、身近に起きそうな事件事故が多い印象ですね。もちろん高度医療技術を駆使する作品じゃないことが大きいでしょう。
絵柄的に気になる点も少し。講談社側では、カブラギ、ネコあねでアシスタントしてしていたそうです。ただ、それ以上に村田雄介先生(アイシールド等)の影響が強い気がしてます。影の使い方や、強面キャラの描き方等々。だからどうしたって話ですけどね〜。下の名前がユウスケ繋がりしか思いつきませんわ。


2巻は10月発売らしいです。そこそこ話数もたまっていますからね。楽しみです。最近の週マガの勢いを考えると新人さんに頑張ってもらわないと!!とプレッシャーをかける(かかってる?)感じで。次も期待。




インタビュー記事:http://magalabo.kodansha.co.jp/view.html?id=3