非実在妖怪・とし君を捕まえろ「つまさきおとしと私・第1巻」



最も恐ろしいのは・・・・

見つけたら捕まえよう!(単行本を)
講談社界のマッドマックス”ことツナミノユウ先生の作品「蟬丸残日録」「つまさきおとしと私」の単行本が出ています!前者はモーニング・ツーで、後者はねとらぼ(http://nlab.itmedia.co.jp/nl/articles/1405/25/news001.html)というweb媒体で読むことができます。まぁ、どちらも初版部数がそれほど多くないようです。特に、つまさきおとしと私(通称つまわた)を探すのはなかなか大変かもしれません。そのため、見つけたら即捕獲しておいたほうがいいでしょう。
決して後悔させません。




おっ、愚かな人類め!!!

妖怪つまさきおとし、皆さんはそんな名の妖怪をご存知でしょうか。まぁ、知らない人が大半だと思います。というかツナミノユウ先生の創作です。
この妖怪はわらじの妖怪であり、日夜人間のつまさきを切り落とすという行為を繰り返す妖怪なのです。そもそも“糸鋸”使ってる時点で昔ながらの妖怪ですらないやろ・・・・と思ったりもするわけで。某うしとらがアニメでやってますけど、糸鋸を持った靴のつまさきを切り落とす妖怪とか戦力にならないので、うしとらに絶対に出てこない妖怪だとも言えます。



ちなみに、人間がやってしまった!と思う場面でつまさきを切り落とします。いや、落とさなければいけなくなります。本当はそんなに意味もなくつまさきを切っていたのだろうと思いますが、あの恐ろしい生物によって・・・・『愚かなこと』に対して切らざるを得ない状況へと仕向けられます。






ヒロイン(多分)

彼女は長妻咲(ながつまさき)。妖怪つまさきおとしに第1話でつまさきを切られる少女であり、それ以降、妖怪つまさきおとしをストーキングするヒロインです。
つまさきおとしは咲によって“とし君”と呼ばれることになります。それだけならまだしも、とし君がどこにいるのかをニオイで嗅ぎ分け、とし君がつまさきを切った理由を問い詰めます。場合によっては、クンカクンカしたり家に連れ帰ろうとしたりもします。とし君が間違ってつまさきを切った時などは大喜び。可愛い可愛いと言いながら、暴走モード状態になったりも・・・・。




とにかく作品の煽り文が全てを表現しています。






常識的な人外×非常識な少女






とし君は見えない

何が一番すごいって、周囲に人がいる状態でとし君に話しかけることでしょうか。何故かわかりませんが、とし君は咲にしか見えません。しかし、咲はとし君に話しかけます。言い換えれば、独り言の激しい少女がそこにいるだけなのです。しかも、とし君の『人間の愚かポイント』をいちいち聞くわけですよ。『愚かな人』がその場にいるのに。
例えば第63話(7/26現在最新話、http://nlab.itmedia.co.jp/nl/articles/1405/25/news001.html)では、床屋で寝たフリをするお客さんのつまさきを切りました。この時点でお店にいるわけですよ。とし君は見えないからまだいい。でも、咲はお店の中に勝手に入って(←とし君を探すため)、今回の愚かポイントはここだねと言わんばかりに現状を説明する・・・・。お店からすると、何やコイツ!?なわけですよ。まだ収録されていないお話ですが、咲とは別の視点で描かれたお話があるんですよ。結構、破壊力高いです。







何をしても無駄や・・・・

1話2ページ。たった2ページで繰り広げられる、とし君と咲の逢瀬。いや、逢瀬とか言ったらとし君に怒れれるので、実際には咲がとし君を愛でるだけの物語。物語の中では、とし君が咲の気配だけに怯えるというお話もあります。基本的にとし君はつまさきを切るだけの妖怪。咲は・・・・とし君に全てを依存したヒロイン。
咲がクレイジーすぎるんですけど、クレイジーさが成長していく様を単行本で是非確認してほしいものです。これでも結構オブラートに包んで書いた状態です。


狂気は増幅していく

た、食べてるー!?
食べたくなるほどの愛情ってなんだろうね?





そういえば人外主人公ってツナミノユウ先生初じゃない??と思ったり。いや、セミの頭をした男とか宇宙からのヒーローが人外じゃないとも言い切れないけど(過去作品も爆笑必至)。シュールな展開が得意&人の葛藤を描くのが上手い漫画家さんだな〜と思っていましたが、人外側が困惑するようなヒロインを生み出したという点で他のツナミノユウ作品とは少し違いますね。一番クレイジーさが際立った作品だと思います。




まぁ、一番クレイジーなのは、つまさきおとしと私の公式Twitterhttps://twitter.com/nagatsumasaki)かもしれないけど・・・・。さすがに常軌を逸しとる。←つまさきのない靴と風景をただただ写真に収めていく。どんな気持ちで写真を撮っているのだろうか。