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2017-06-15

〜わかりやすく個VS組織〜 2017 J2リーグ 第18節 京都サンガ VS 町田ゼルビア

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町田ゼルビアはクラブの規模でいうと下から数えた方が早いくらいだけれど、
それでもJ2をしっかり戦える力を持っている。
その原動力はやはり相馬監督でしょう。
川崎で一度失敗があったけれども、統率のとれた4−4−2によるゾーンディフェンスを使いこなし、
組織として戦えるチームを作り上げています。
今年のJ2は良い監督が多いですが、相馬監督もその一人。
これからの活躍も期待したい監督さんです。

一方で京都サンガ
負け無し記録は続いているけれども連勝はなく。
波に乗れそうで乗れないじれったい状態。
けが人が多く戦術的な選手の使い方もできず、実は綱渡りをしているのかも知れない・
前節から左SBは湯沢ボランチには染谷が入った。どうしたこれは。ボランチがもういないのか。


◆ツインタワーを封じる町田の策
京都の誇るツインタワー。闘莉王とオリス。
ヘディングの高さを強さを併せ持つこのツートップは相手にとっては対応したくても対応できない、
京都にとっては強力な武器です。

対応に苦労するチームが多い中、町田ゼルビアは思い切った策でツインタワーを封じ込もうとしてきました。
その策とはラインコントロール。

・相手が前を向いて自由にボールを出せる、ONの状態の時にはラインを下げる。
・プレスがかかっている、後ろ向きになったなど、精度のあるパスを出せないOFFの時にはラインを上げる。
ラインコントロールの基本ルールはこの2つですが、
町田はこのルールをしっかり守り、規律の取れた動きでラインをコントロールしていました。

この町田のラインコントロールによって京都のツインタワーは大きく動きを制限されてしまいます。
D
ツインタワーというだけ高さには強みを見せるものの、スピードはそれほどありません。
2人は町田のラインコントロールについていけず、オフサイドポジションに追いやられたり、
良い体勢でヘディングのできるポジションがとれず、全く強みを活かせない状態に陥りました。

またラインを高く維持することによって、クロスを上げられてもゴールから遠い位置でヘディングさせる事にもなります。
D
ヘディングの強い闘莉王とはいえ、エリアに入ったあたりからシュートを決めるのは難しいですね。

高さで分が悪いのならばラインコントロールを使って仕事場から追い出してしまえばいい。
面白い発想です。ただ面白いだけではなく、見事に実践することによって前半は完全に町田のペースでした。

京都はこれといった打開策を見つけられずに時間だけが過ぎていました。




京都が放つ第2の矢
ハーフタイムを挟み後半。
町田のラインコントロールを破るべく、リードされた京都は反撃の策を打ちます。

ツインタワーをあえて囮として使い、オフサイドをとるために町田がラインを上げたところを
2列目の小屋松、岩崎のスピードで勝負させます。
D
動画で分かるように、小屋松と岩崎の飛び出しに合わせてパスを送るのではなく、
アバウトでもとにかくラインの裏にボールを送り、その後に2人に追いかけさせる形になります。
ちょっと乱暴なやり方ですが(笑)これが面白いように決まります。
町田のDFラインは単純なスピードはそれほどもなく、あっという間に置いていかれる場面が何度もありました。

この裏抜けが直接ゴールにつながったわけではないのですが、
裏を気にし始めた町田のDFラインが徐々に乱れ始め隙ができたことにより
2つのゴールが生まれ、京都が逆転に成功します。

高さを封じられたとしても、今度はスピードでかき回される。
京都の前4人の攻撃はほんとに強力ですね。
相手からしたら対処不能のハメ技を食らっているようなもんでしょう。


京都のプランはどうだったのか。
結果を先に言ってしまうと、終了間際に町田が得点して2−2の引き分けで試合は終わりました。
京都側からすると、どうして逆転したまま試合は終われなかったのか?
というのがやはり気になります。
試合をあとで見直してみると、京都は逆転したあとさらに追加点を狙っているように見えました。
ただし攻撃性をもっていたのが前線の選手だけど、後方の選手はどちらかと言うと引いて守りたがっているように思えました。
結果的に全体に間延びしカウンターの打ち合いのようなオープンな展開になり、町田の得点につながってしまったのでは無いかと考えます。
2−1と逆転した後、残り時間をチームとしてどうするのか?
チームの意思統一が図れて居なかったんじゃないですかね。

これで11試合無敗という記録を作っていますが、引き分けが多く連勝もありません。
安定して勝ちが重ねられないのは、この場面ではこうする、こういう展開では次にこうやる。
チームとして何をするのか統一できずに曖昧な部分をつかれているんでしょう。
魂は細部に宿ると言いますが、そういうことなんじゃないでしょうか。


◆ひとりごと
これまでも引き分けは多かったけど、特にこの試合の引き分けは堪えるものがありました。
こうも露骨に組織力の差を見せられてしまうと、やっぱりだめなのかなぁと嫌でも頭に浮かんでしまう。
これから夏場になり消耗も出てくると、今のスタメン以外の選手を用意できないのが効いてきそう。
個でがんばれるのもここらへんかも。

2017-05-23

シーズン3分の1終了記念 個人的に京都サンガの選手を語ろう

あっという間にシーズン3分の1が過ぎてチームビルディングも一通り終わり、
これからリーグ戦の勝負どころの夏場がやってくるということで、
ひとまず現状のまとめの代わりに京都サンガの選手達について、思っていくことを書いていこうと思う。
ちなみに書くのはそれなりの時間、試合に出ている選手だけです。あしからず。


菅野孝憲
すでにダゾーンベストセーブの常連になっているように今年も菅野はすげーの。
スタジアムで観戦していると良く分かるのだけれど、うおおおっと声が出てしまうくらいに俊敏な動きのセービング。
難しいシュートでも普通に止めてしまうので、いざ失点しても菅野が止められないんだから仕方ないと境地にさせてくれる、そんな選手。
去年はチームのリーダーとして、他の選手やサポーターに向けて強いメッセージを発信してくれていたんだけど、
今年は試合後のコメントにあまり出てこなくなっちゃいましたね。
タイトルを取った選手の言葉にはやはり力が込められているのでもっと前に出てきてほし良いんですね。

◆湯澤聖人
柏からのレンタル移籍。本来は右サイドバックなんだけど、左SBでの出場おおし。
これは左も出来るって事は計算されてたんだと思う。
開幕直後のチーム内が落ち着かない時の出場が多かったので、ちょっとかわいそうだった。
一人でボール運べるし、結構高さもある。
最近のはやりでSBにも高さを要求される事が多いので、この手のごついSBはこれから色々な場所で重宝されると思う。


高橋悠治
CBの序列としては低めだったけど、けが人続出で出場することに。
そのチャンスを見事に活かしたという感じはある。
昨年からずいぶんプレーがしっかりしてきた感じはあったからスタメン取ってるのは当然と言えるかも。
ハイボールにとことん強い。
まだほんとに強いFWとやりあったことが無いのでそこでも強さを発揮できるか。


本多勇喜
隠れたエアバトラー。今年もいかんなく高さを発揮している。
闘莉王、オリス+CBに加えて本多の高さが加わるセットプレーを止められるとこは無いと思われる。
ターゲットになる事も多くなるのでは?
ボールを持った時の判断の遅さ、パスの精度は課題。
判断の遅さは去年からだけど、なお酷くなってる気がする。
プレスの的にされそうなのではっきりとして弱点だと思う。まだ狙われてないけど。


染谷悠太
序盤のぐだぐだした状態のチームでなんとかビルドアップを成立させようと奮闘していた。かわいそうだった。
京都のDFの中ではまともにボールを前方に送れる貴重な人なので、なんとか試合に出て欲しいんだけど。
スピードが無いことを本人が気にしすぎてしまって、相手から間合いを離しがちになり、
守備に強さを感じなくなっているので痛し痒し。
なんだかCBも出来るボランチみたいな選手になってきてる。


牟田雄祐
今年に掛ける気持ちも強かっただろうし期待もしてた。けど怪我。
怪我の治った選手が数試合でる→また怪我をする。
この流れ、今年多くないですか?

◆下畠将吾
CBが足りない所に下畠は現れる・・・。
SBの出場よりもCBでの出場がずっと多くなってしまった下畠。なぜだ。
CBをやるにしては高さも強さも足りない、けれども下畠が出ると守備は安定する。要検証である。
去年セレッソとの試合でリカルドサントスフィジカルでごりごりに押されまくっていたように、
ガチのフィジカル勝負を挑まれると辛いので、ボランチへのコンバートがテストされている流れも自然かも。
その守備能力を中盤で使ってもらおうってね。攻撃の起点になれるかどうかは分からない。

石櫃洋祐
不動のスタメン
であるけれどウイングバッグのポジションではサポートが無くて孤立したり、
サイドバックで出た時には縦に勝負する小屋松がいるので、
前に上がるタイミングが無いといったりで不遇をかこつ。
ツインタワーやるんだったら、伊東俊が試合に出ている時には石櫃のクロス本数が増えている事をもっとちゃんと考えた方がいい。

吉野恭平
CBも出来る強さを持っているのに足元も達者な万能なボランチ
万能というか平均的な個人能力が高いというか。
J1に行くとこれくらいの選手が平均になるんだろうなーって見てる。
J2だと何でも出来るので、何でもやろうとして中途半端になってる。
仕事を定めてあげたほうが良いと思う。


◆ハソンミン
開幕戦では不安しかなかっただ、復帰してからは持ち前のボール狩りを発揮してくれて、
負け無し記録の隠れた貢献者だったと思う。が怪我。
怪我の治った選手が数試合でる→また怪我をする。
この流れ、今年多くないですか?(2回め)


◆仙頭啓矢
高校時代とはプレースタイルが変わって今は周りを使う人。
硬直化している試合を自分が動く事によって変化を起こそうとする。攻撃に関しては頭良い系の選手。
FWから中盤に移った選手なので守備は全然できない。
ボランチに置くには現段階ではちょっと怖すぎる。
最低限の守備が出来る様になることがプロで生き抜くポイントかなぁと。
司令塔役としてはとっても良いから。


望月嶺臣
攻撃の起点になるボランチとしては一番それっぽい選手。
長短のパスを出してリズムを作れるけれど、仙頭と同じで守備が弱い。
が、それでも仙頭よりは守備ができるのでスタメンになっている。
吉野と組むことが多いけれど、前に出ていくのは望月がやったほうが良いよね。


伊東俊
なんでこの選手が今まで出てきてなかったのかちょっと分からなかった。
攻撃的なポジションの選手としては、周りを使って連携して崩すイメージを持っている唯一の選手で、
パワープレイだけじゃなくて攻撃の幅を増やすためには欠かせない選手だと思う。
プレーのレベルがどうこうじゃなくて、こういうタイプの選手が他に居ないと言う意味でね。


小屋松知哉
名古屋で試合に出れなかったうっぷんを晴らしているかのよう。
ツインタワーパワープレイモードの場合、サイドハーフはアボみたいに走らないと行けないけれど、
これだけ走れる選手だとは思わなかった。
守備だけでなくて、ゴール前には飛び出すことができて3得点取っているのは優秀。
怪我する事だけには注意してね。彼が怪我すると色んなことが破綻する。


◆ケビンオリス
京都にもやっとこの手の選手がきたー。
高さと上手さを併せ持ち、
適当にボール放り込んでも器用に収めてくれるポストプレイヤー
闘莉王とのコンビで高さだけを見ると対抗できるチームはないだろう。
コメントでは紳士なのに試合になると感情的になってそうな選手なので、急にカード貰ったりしないかだけが心配。
ウチにオリスが居れば昇格狙えるのに・・・とよそのクラブは思っていそう。


エスクデロ・セルヒオ
ただひたすらに不遇。
元から扱いの難しい選手ではあるけれど、中盤に使うとそこが守備の穴に即なってしまうので、
いくら攻撃力があると言っても現状のシステムではスタメンで出せる場所がない。
去年の主力だった選手がいきなりこの扱いになってしまうのを見るのは正直きついものがある。
なんとか守備が出来るようになって欲しいのですが・・・・
(来年は移籍してると思う)


◆岩崎悠人
これが日本代表かと感心するしかない選手。
スピード、スタミナ、パワーと言ったフィジカル要素が半端ない。
チーム事情でサイドハーフやっているのが申し訳ない所はあるけれど、あんだけ走れると使いたくなるよね。
東京五輪まで京都でとコメントしてるけど、個人的にはさっさと海外に行って欲しい。
日本に長い間いてもやること無くなると思う。


◆イ・ヨンジェ
裏抜けするFWとしてポストプレイヤーとの相性は良いはずなんだけど、得点力が今一歩という所で二の足を踏んでるんだと思う。
彼が裏抜けする時に内から外へ逃げるような動きをするので、いざシュートを打つ時には角度が無くて難しいシュートになっている。
クロスに合わせるのも余り上手くないので、そこら辺が得点がいまいち伸びない原因だと思う。
シュートパターンを作れれば化けそうな気はするんだけど今はもったいないFW


◆大野耀平
前を向いたときの力強さもあって体も貼れる選手。
ポテンシャルを感じるのでやたらとFWの多い京都に来てよかったのかなと。
レンタルでも良いからどこか試合に出れるチームに移って経験を積むのが良いと思う。
このまま京都にいるとチャンスは来そうにない。


大黒将志
序盤はワントップで使われていたが中盤にパスを出せる選手が少なく、
いくら動いてもピッタリあるボールが来ないのが働けない原因。
活躍できない理由の方が多くなってきていていい加減きつくなってきたなーというのが素直な印象。



田中マルクス闘莉王
禁断のFWへのコンバートであるが、高さだけでなくポストプレースルーパスも出せるので、
完全に攻撃の軸になっている。京都の攻撃はほぼ闘莉王を経由して行われる。
最初はおとなしかったけど、ある時から自分が仕切らないとやばいと感じたのか、
プレーだけでなく全体の指示も出すようになっている。
彼がいることで一長一短あるのは確かだけれど、いなかったらと思うとぞっとするところもあり。
なし崩し的に京都闘莉王のチームである。

2017-05-06

〜力はおしつける物パート2〜 2017 J2リーグ 第11節 名古屋グランパス VS 京都サンガ

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◆ひとりごと
闘莉王を始め、元名古屋の選手が多い京都にとって名古屋ホームでやる試合は特別な事があるのかなと思っていたけれど、
試合を見終わった後に何を書けばいいのか困ってしまった。
前節の大分戦、そして今回の名古屋戦。京都にとってはまったく同じ試合だった。

今の京都の大まかなスタイルは、
闘莉王とケヴィンの高さと強さを強調するロングボールをあて、小屋松と岩崎を裏に走らせる攻撃。
前線からプレスを掛けられないので、MFとDFがじっと後ろで我慢を続ける守備。

この2試合、大分と名古屋は共通点が多いチームだった。
対戦する相手はボールをなるべく長い時間持つことを目指し、パス本数を多くして崩しにかかる攻撃。
その2チームを相手にして同じ試合をして、結果は3−1と1−1。
この結果の差はどこから来たのかというと、単純に大分よりも名古屋の方がいい選手が多かったからだろう。
要するに今の京都の戦い方は弱い相手には勝てるけれど、強い相手には勝てないという事になる。

大分に比べて名古屋のディフェンスラインの選手は高さに強かった。こぼれ球の対応するポジションもきっちり取っていた。
そして角度を付けたロングボールを蹴らせないために京都サイドバック、特に石櫃へのプレスを怠らなかった。
その結果ツートップがロングボールを競り勝つ場面は少なかったし、こぼれ球を拾う回数も少なかった。
小屋松が楢崎の足で止められたシュートと、終了間際にヨンジェのシュートがサイドネットを揺らした場面くらいか。
大分戦であれほど作っていたチャンスは名古屋相手では少なくなった。

ボールを持たれて仕掛ける攻撃も大分よりも名古屋の方が怖い攻撃だった。
序盤はパスミスを奪って京都がカウンターを仕掛ける場面も作れていたけれど、
時間がすぎるとゴール前に釘付けにされてしまった。
裏を取られる数は増えたし、マイナスのクロスからシュートを打たれるパターンを
狙いを持って作られてしまっていた。


システムを4バックに変えて闘莉王FWに置いてから2勝2分。
一見成績は安定してきたように見えるけれども、その属人的な戦術に発展性がないことは確かで、
このまま続けても、弱い所には勝てるけれど、強い所には勝てないのが続きそう。
まぁそれでいいよって言うんなら続けたら良いと思うんだけどね。

個人を押し出して強さが見えるのは楽しいけれど、
その強さをチームでさらに押し上げる動きが見えないのは楽しくない。つまらん。
個性がが組み合わさって噛み合った時の機能美に心動かされるのがチームスポーツの醍醐味でもあるからね。


低迷しているチームへの刺激という意味としてやっている今のサッカーの役割は、
もう終わったのかなとなんとなく思う。

2017-05-02

〜力はおしつける物〜 2017 J2リーグ 第10節 大分トリニータ VS 京都サンガ

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大分はかつてはカップ戦のタイトルを取るほとの勢いがありましたが、
放漫経営のせいで債務超過ギリギリの所まで追い込まれ、それと同じようにチームの成績も下降してしまいました。
原因は原因ですが、歯車が一度狂うと一気に落ちていくのがJリーグの怖さでもあります。
昨年はJ3でしたが、一年でのJ2復帰を決めています。
J3からの昇格チームは完成度が高くそのままJ2でも上位に居続けるという傾向がありますね。J3を侮ることなかれ。
大分は6位に付けていて昇格チームとしては上々の滑り出し。
片野坂監督の手腕のおかげかな?

京都闘莉王FWにおくという思い切った采配から1勝1分。
岩崎のスタメン定着、吉野とソンミンの復帰といったチームの基準がようやく見つかった事になるでしょうか。
CBのけが人が多く今節では下畠がスタメン。去年もよく見かけた光景ですね。


連戦ということで今節は少々軽めに。


京都がピッチで表現するのは個の力
J3とはいえリーグ戦を勝ち抜いてきただけあって大分はチーム戦術がとても整理されていて、
ゴールキーパーも使って丁寧につなぎ、狙いをもってボールを動かし攻撃を仕掛けてきていました。
何度もゴール前まで迫ってくるですが、悲しいかなシュートの1歩2歩手前で攻撃は止まってしまいます。
その原因は大分の攻撃陣と京都守備陣の個の力の差。
京都ボランチの2人とCBの2人で作る中央の四角の守備がとても固く、
またDFラインを下げることによって裏抜けのスペースを消すことによってゴールに鍵を掛けていました。

そして京都は攻撃でも個の力を見せつけます。
得点シーンは象徴的ですね。
ファーサイドへのラフなクロスをケヴィンオリスが折り返し、闘莉王のボレーから小屋松が押し込む。
闘莉王とケヴィンの高さは驚異的です。
アバウトなボールでもなんとかしてしまう、強く高い選手が2人に対抗できるディフェンダーを揃えているチームは
J2には存在しないでしょう。ひょっとしたらJ1のクラブでも難しいかもしれません。
ツートップの高さは強力です。

◆開き直れたか京都
闘莉王FWに置いてから2勝1分。
前節の松本山雅戦で強さを押し出してくる相手に対して、強さで押し込むことが出来たのがチームの自信になったようです。
この試合では切り替えも早く、やることが単純化されたためにプレーの判断も早くなっていました。

という所で試合を通して気になったのは守備です。
ケビンと闘莉王。強さはとても頼りになる2人ですが、守備面での貢献はほぼありません。
ボールを追い回せとまでは要求しませんが、せめて相手のボランチへのパスコースを防ぐくらいはやってほしいところです。
大分相手でもボランチ鈴木淳が自由にパスを出す場面は多く、京都の守備陣は引いて守ることを選択しなければだめでした。

サイドハーフの岩崎と小屋松がツートップの代わりに守備の負担を引き受けています。
2人は攻撃でもツートップのサポートをするために上下動が多く、消耗が激しいなかでよくやっていると思います。
途中交代で伊東と仙頭が出てきましたが、サイドハーフの負担を考えると上手く交代して守備の強度を保っていたいところです・

ここ3試合。個の力を押し付ける試合で勝ち点を拾ってきました。
その個の力が発揮できない状況になった時、個の力で相手に上回れた時にどうなるか。
次の名古屋戦ではおそらくリーグで1番の個の力を持っている相手になります。
京都サッカーが実際どうなのか。リトマス試験紙になるような試合になりますね。



◆ひとりごと
ようやく選手が揃ってきて、まともに試合が出来るようになってきた。
ここからが本番かなと思ったら今度はCBがいないという。
今年のけが人の多さは異常。本来のチーム力を発揮できないまま、ずるずる行くんじゃないかって不安になる。
そしてシステムチェンジしてから完全に居場所を失っている選手が何人も出てしまっているのが残念。
選手はいつも頑張ってるんだけどねぇ。

2017-04-20

〜どんよりとした気持ちにさせる劇的な勝利〜 2017 J2リーグ 第8節 京都サンガ VS 愛媛FC

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愛媛FCの間瀬監督といえば、イビチャ・オシムの通訳を努めていたことがよく知られています。
オシム譲りの独特な言い回しが特徴的ですが、監督としての腕も確かで、
昨年はJ3秋田を4位まで引き上げ、今年はJ2愛媛の監督として順調にステップアップしています。
彼のような王道を歩んできていない人にも監督としてチャンスが与えられたという点でJ3が創設された意義もあるのでしょうね。
愛媛はオフシーズンに監督と共に大量の選手が抜けてしまい厳しい戦いが予想されていましたが、
ここまで2勝3分け2敗と健闘している印象です。

前節の横浜FCでは為す術もなく敗れてしまった京都サンガ
いよいよダメなのか?という空気が流れる中。
3バックから4バックへのチェンジ。そして闘莉王FW起用という奇策に打って出ます。
この思い切った切り替えが結果につながるのでしょうか


◆奮闘する超高校級の岩崎
この試合のマンオブザマッチは3得点を上げた闘莉王で間違いないわけですが、
スタメンでは2試合目の出場の岩崎は同様にチームに貢献するプレーを見せていました。
来月行われるU-20日本代表として活躍が期待されているだけに、
これまで京都に来た新人選手とはものが違いますね。
運動量や当たりの強さなど、特にフィジカル面の充実が目につき、
プロで通用するどころかチームの攻撃を牽引しはじめています。

この試合で岩崎がこなしたタスクを挙げていくと・・
ロングボールを落とすFWへのサポート。
・単騎でのドリブルによる陣地挽回。
・左サイドからのクロス。カットインしてのシュート。
・中盤に戻っての守備ブロックの形成

これだけの仕事ができた事がそのまま彼の能力の高さを証明しているのですが、
一方で気になる場面もありました。

前半34分あたりです。
ドリブルを奪われた岩崎が守備にもどった場面です。
D

図にすると岩崎はこれだけの距離を走っていることになります。
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これだけの距離を走って守備をしようとしていた岩崎の事を
守備の意識が高い、運動量が凄いなどと褒めてはいけないことだと思います。


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動画から切り出してみました。
この場面、愛媛のカウンターの人数はドリブルしている選手を含めて4人。
それに対して京都のDFは3人しかいません。ボランチ2人は行方不明で、湯澤は遅れてしまっています。
はっきり言うと異常な場面です。
岩崎はDFラインのまで守備に戻っているのですが、結局サイドの裏を取られて決定的な場面を作られています。
残酷な話ですが岩崎が戻ってきたのは文字通り無駄走りになっているのです。

岩崎は責任感が強く、自分が失ったボールを取り返すために追いかける傾向があります。
チームとして組織化できていない守備のずさんさを埋めるために、彼の気持ちに頼った走りでカバーさせてしまって良いのでしょうか。
どれだけ運動量に自身のある選手であっても走れる量には限界があります。
彼が守備のために使ったエネルギーをそのまま攻撃するために使えるとすれば、
今よりももっと素晴らしいプレーで得点を狙うことも出来るはずです。

そして何よりいくら年代別代表のエースである選手だとしても、
高卒新人の岩崎にここまで負担をかけないと成り立たないチームなのでしょうか。
岩崎のプレーは素晴らしいとただ見ているだけではなく、チームビルディングを今一度見直すべきではないでしょうか



◆失点シーンにみる組織の不安定さ
京都サンガは攻撃から守備への切り替え(ネガティブトランジッション)に問題をかかえています。
それは開幕戦からずっと変わっていません。

1失点目は守備でのミスがいくつも重なった事による失点です。
D

○吉野がボールを奪い返そうしてかわされた
アップになっていて見にくいのですが、動画の5秒あたり岩崎が失ったボールを吉野がすぐさま奪い返そうとしています。(図1)
f:id:tomex-beta:20170420214945p:image:w360
ボールを奪うために素早く寄せるという動きはリスクを伴います。
この場面では吉野はボールを奪い取れずDFラインの前のスペースを守るのがソンミンだけになりました。
ソンミンはボールを持った相手が前進するのを防ぐために中央に居なければなりません。
その結果、逆サイドに大きくスペースをあたえサイドを変えてからの攻撃を受けることになります。
f:id:tomex-beta:20170420232433p:image:w360
もしボールを奪い返しにいかずにそのままスペースにとどまって居たとすれば(図1−2)
ソンミンと2人でスペース守ることになり、サイドを変えられたボールに対してソンミンが寄せる事も可能だったでしょう。
また、サイドチェンジを防ぎ京都の左サイドのよりスペースのない方にボールを誘導させて守る事も出来たのでは無いでしょうか。

この場面で一番問題なのは吉野だけがボールに対してアクションを起こしている事です。
ボールを失った後にすぐさま奪い返すの守備の一つのやり方です。良いとも悪いとも言えるものではありません。
しかしこの場面の様に1人だけが動き、チームとして意思統一が出来ていないと
スペースを与えて相手の攻撃スピードを加速させるだけの悪手となります。

エスクデロが守備に戻れていない。
動画0:13、逆サイドにボールを展開された場面です。(図2)
f:id:tomex-beta:20170420220816p:image:w360
ここではエスクデロが守備に戻るのが遅く、オーバーラップした愛媛の2番と14番にスペースを使われ、
ワンツーでサイドバックの裏を取られてクロスを上げられました。
守備に回った時ボールと逆サイドの選手はカウンターの起点となるために若干前目のポジションを取ることがありますが、
ここでは京都がボールを奪われてから若干の時間があったにも関わらず、エスクデロが守備に戻れていませんでした。

ここではエスクデロにはすぐさま自陣に引き、危険なスペースを埋めてほしかったところです。(図2−1)
f:id:tomex-beta:20170420220813p:image:w360



○吉野、闘莉王がDFラインまで戻ってきているが、相手シャドーの飛び出しについていない。
動画0:18、京都の右サイド深くまでボールを運ばれクロスを挙げられた場面です(図3)
f:id:tomex-beta:20170420221702p:image:w360
正直言ってなんでこうなるのか良くわかりませんでした。
7番が2列めから飛び出してくる動きに対してマークにつくべきは吉野と闘莉王になるはずなのですが、
二人とも後ろに戻ってきているだけで守備になっていません。
PA京都の選手は8人戻ってきていますが、なんとなくいるだけで相手のマークにつく事ができていません。
よく見ると大外から飛び出してきている愛媛の5番の選手も前に入られています。
クロスが7番の選手に合わなくても5番の選手がシュートを決めていたでしょう。


ここまで失点場面での守備のミスを細かく見ていきました。
印象としては、局面ごとに各自がどのように振る舞うかが決まっていないように見えます。
そのため個人の判断だけで動き、チームで連携して守備をするという事ができないのでしょう。
これではいつまでたっても失点が減ることはありませんね。


◆4バックで解決したのか
もう一つこの試合で語るとすればシステムを3−4−3から4−4−2に変更したことでしょうか。
ここまでの低迷の原因の一つが3バックのシステムではないか?と語られることは多かったのです。

攻撃面では岩崎を中央からサイドに移した事により前を向く回数が増え攻撃性を強調できたのは良かったのですが、
ボランチに守備的なソンミン、吉野を置いていたことを差し引いても、ボールの動かし方は拙いものでした。
ビルドアップを何度も試みてましたが前線に届くことなくボールロストしてしまうために、
FWのオリス、闘莉王ロングボールを上げて岩崎がボールを拾い前に進むという攻撃が最も効果的になっていました。

そして問題になるのが守備です。
サイドハーフが手薄なために守備に苦手なエスクデロを使わざるを得ず、弱点として愛媛に狙いを付けられていました。
そしてDFラインの人数が一人減ったぶん、攻撃から守備へ切り替わった時に単純に守備の数が足りなくなっています。
この試合では2失点したわけですが、さほど攻撃力のない愛媛を相手にして決定的な場面を何度も作られていた事に目をつぶるわけにはいきません。

結局はシステムを変えるという小手先の対応では上手く行かないんですね。
このチームにはごまかしきれない問題点がたくさん有るということに頭が痛くなる思いです。
個々の選手を切り取って見てみるとそれほど悪くないように見えるんですけどね・・・



◆ひとりごと
私達の選手には個の力があるんだ!と宣言しただけの試合。
6試合ぶりの勝利だけども、こんなにもやもやした気持ちになるのは、
闘莉王FWで使うというなりふり構わず戦法が、「まだリーグ戦8試合目なのにそれもう最後の手段やん!」という想いからだろう。
けが人が多いとは言っても8試合たってもなかなかこれと言った形が見えてこないのには、そりゃないよ〜と一言声をあげたくもなる。
きっとこのまま劇的に変わったりしないんだろうな。
去年のセレッソのサポーターの方々もこんな気持でシーズンを過ごしていたんだろうな。