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2017-04-20

〜どんよりとした気持ちにさせる劇的な勝利〜 2017 J2リーグ 第8節 京都サンガ VS 愛媛FC

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愛媛FCの間瀬監督といえば、イビチャ・オシムの通訳を努めていたことがよく知られています。
オシム譲りの独特な言い回しが特徴的ですが、監督としての腕も確かで、
昨年はJ3秋田を4位まで引き上げ、今年はJ2愛媛の監督として順調にステップアップしています。
彼のような王道を歩んできていない人にも監督としてチャンスが与えられたという点でJ3が創設された意義もあるのでしょうね。
愛媛はオフシーズンに監督と共に大量の選手が抜けてしまい厳しい戦いが予想されていましたが、
ここまで2勝3分け2敗と健闘している印象です。

前節の横浜FCでは為す術もなく敗れてしまった京都サンガ
いよいよダメなのか?という空気が流れる中。
3バックから4バックへのチェンジ。そして闘莉王FW起用という奇策に打って出ます。
この思い切った切り替えが結果につながるのでしょうか


◆奮闘する超高校級の岩崎
この試合のマンオブザマッチは3得点を上げた闘莉王で間違いないわけですが、
スタメンでは2試合目の出場の岩崎は同様にチームに貢献するプレーを見せていました。
来月行われるU-20日本代表として活躍が期待されているだけに、
これまで京都に来た新人選手とはものが違いますね。
運動量や当たりの強さなど、特にフィジカル面の充実が目につき、
プロで通用するどころかチームの攻撃を牽引しはじめています。

この試合で岩崎がこなしたタスクを挙げていくと・・
ロングボールを落とすFWへのサポート。
・単騎でのドリブルによる陣地挽回。
・左サイドからのクロス。カットインしてのシュート。
・中盤に戻っての守備ブロックの形成

これだけの仕事ができた事がそのまま彼の能力の高さを証明しているのですが、
一方で気になる場面もありました。

前半34分あたりです。
ドリブルを奪われた岩崎が守備にもどった場面です。
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図にすると岩崎はこれだけの距離を走っていることになります。
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これだけの距離を走って守備をしようとしていた岩崎の事を
守備の意識が高い、運動量が凄いなどと褒めてはいけないことだと思います。


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動画から切り出してみました。
この場面、愛媛のカウンターの人数はドリブルしている選手を含めて4人。
それに対して京都のDFは3人しかいません。ボランチ2人は行方不明で、湯澤は遅れてしまっています。
はっきり言うと異常な場面です。
岩崎はDFラインのまで守備に戻っているのですが、結局サイドの裏を取られて決定的な場面を作られています。
残酷な話ですが岩崎が戻ってきたのは文字通り無駄走りになっているのです。

岩崎は責任感が強く、自分が失ったボールを取り返すために追いかける傾向があります。
チームとして組織化できていない守備のずさんさを埋めるために、彼の気持ちに頼った走りでカバーさせてしまって良いのでしょうか。
どれだけ運動量に自身のある選手であっても走れる量には限界があります。
彼が守備のために使ったエネルギーをそのまま攻撃するために使えるとすれば、
今よりももっと素晴らしいプレーで得点を狙うことも出来るはずです。

そして何よりいくら年代別代表のエースである選手だとしても、
高卒新人の岩崎にここまで負担をかけないと成り立たないチームなのでしょうか。
岩崎のプレーは素晴らしいとただ見ているだけではなく、チームビルディングを今一度見直すべきではないでしょうか



◆失点シーンにみる組織の不安定さ
京都サンガは攻撃から守備への切り替え(ネガティブトランジッション)に問題をかかえています。
それは開幕戦からずっと変わっていません。

1失点目は守備でのミスがいくつも重なった事による失点です。
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○吉野がボールを奪い返そうしてかわされた
アップになっていて見にくいのですが、動画の5秒あたり岩崎が失ったボールを吉野がすぐさま奪い返そうとしています。(図1)
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ボールを奪うために素早く寄せるという動きはリスクを伴います。
この場面では吉野はボールを奪い取れずDFラインの前のスペースを守るのがソンミンだけになりました。
ソンミンはボールを持った相手が前進するのを防ぐために中央に居なければなりません。
その結果、逆サイドに大きくスペースをあたえサイドを変えてからの攻撃を受けることになります。
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もしボールを奪い返しにいかずにそのままスペースにとどまって居たとすれば(図1−2)
ソンミンと2人でスペース守ることになり、サイドを変えられたボールに対してソンミンが寄せる事も可能だったでしょう。
また、サイドチェンジを防ぎ京都の左サイドのよりスペースのない方にボールを誘導させて守る事も出来たのでは無いでしょうか。

この場面で一番問題なのは吉野だけがボールに対してアクションを起こしている事です。
ボールを失った後にすぐさま奪い返すの守備の一つのやり方です。良いとも悪いとも言えるものではありません。
しかしこの場面の様に1人だけが動き、チームとして意思統一が出来ていないと
スペースを与えて相手の攻撃スピードを加速させるだけの悪手となります。

エスクデロが守備に戻れていない。
動画0:13、逆サイドにボールを展開された場面です。(図2)
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ここではエスクデロが守備に戻るのが遅く、オーバーラップした愛媛の2番と14番にスペースを使われ、
ワンツーでサイドバックの裏を取られてクロスを上げられました。
守備に回った時ボールと逆サイドの選手はカウンターの起点となるために若干前目のポジションを取ることがありますが、
ここでは京都がボールを奪われてから若干の時間があったにも関わらず、エスクデロが守備に戻れていませんでした。

ここではエスクデロにはすぐさま自陣に引き、危険なスペースを埋めてほしかったところです。(図2−1)
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○吉野、闘莉王がDFラインまで戻ってきているが、相手シャドーの飛び出しについていない。
動画0:18、京都の右サイド深くまでボールを運ばれクロスを挙げられた場面です(図3)
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正直言ってなんでこうなるのか良くわかりませんでした。
7番が2列めから飛び出してくる動きに対してマークにつくべきは吉野と闘莉王になるはずなのですが、
二人とも後ろに戻ってきているだけで守備になっていません。
PA京都の選手は8人戻ってきていますが、なんとなくいるだけで相手のマークにつく事ができていません。
よく見ると大外から飛び出してきている愛媛の5番の選手も前に入られています。
クロスが7番の選手に合わなくても5番の選手がシュートを決めていたでしょう。


ここまで失点場面での守備のミスを細かく見ていきました。
印象としては、局面ごとに各自がどのように振る舞うかが決まっていないように見えます。
そのため個人の判断だけで動き、チームで連携して守備をするという事ができないのでしょう。
これではいつまでたっても失点が減ることはありませんね。


◆4バックで解決したのか
もう一つこの試合で語るとすればシステムを3−4−3から4−4−2に変更したことでしょうか。
ここまでの低迷の原因の一つが3バックのシステムではないか?と語られることは多かったのです。

攻撃面では岩崎を中央からサイドに移した事により前を向く回数が増え攻撃性を強調できたのは良かったのですが、
ボランチに守備的なソンミン、吉野を置いていたことを差し引いても、ボールの動かし方は拙いものでした。
ビルドアップを何度も試みてましたが前線に届くことなくボールロストしてしまうために、
FWのオリス、闘莉王ロングボールを上げて岩崎がボールを拾い前に進むという攻撃が最も効果的になっていました。

そして問題になるのが守備です。
サイドハーフが手薄なために守備に苦手なエスクデロを使わざるを得ず、弱点として愛媛に狙いを付けられていました。
そしてDFラインの人数が一人減ったぶん、攻撃から守備へ切り替わった時に単純に守備の数が足りなくなっています。
この試合では2失点したわけですが、さほど攻撃力のない愛媛を相手にして決定的な場面を何度も作られていた事に目をつぶるわけにはいきません。

結局はシステムを変えるという小手先の対応では上手く行かないんですね。
このチームにはごまかしきれない問題点がたくさん有るということに頭が痛くなる思いです。
個々の選手を切り取って見てみるとそれほど悪くないように見えるんですけどね・・・



◆ひとりごと
私達の選手には個の力があるんだ!と宣言しただけの試合。
6試合ぶりの勝利だけども、こんなにもやもやした気持ちになるのは、
闘莉王FWで使うというなりふり構わず戦法が、「まだリーグ戦8試合目なのにそれもう最後の手段やん!」という想いからだろう。
けが人が多いとは言っても8試合たってもなかなかこれと言った形が見えてこないのには、そりゃないよ〜と一言声をあげたくもなる。
きっとこのまま劇的に変わったりしないんだろうな。
去年のセレッソのサポーターの方々もこんな気持でシーズンを過ごしていたんだろうな。

2017-03-23

〜ノックはし続けるも勝ちへの扉は開かず〜 2017 J2リーグ 第4節 ファジアーノ岡山 VS 京都サンガ

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昨季は両チームともにPO進出。J1まであと一歩の所まで来ていている両チーム。
上がれそうで上がれない、PO圏内止まりという位置づけが長く続いているのでなんとか打開したいと想いはあるでしょう。

クラブの運営としては堅調で、毎年少しづつではありますが観客動員数も増え、
昨季はついに1試合あたりの入場者数の平均が1万人を突破。
また、ファジフーズと名付けられたスタジアムグルメの充実度合いがサポーター達の間では有名ですね。
クラブとして一歩一歩地道に力を付けている様子が伺えます。
地方クラブの成功例として、甲府新潟と共に語られるようなそんなクラブになりつつありますね。
選手編成で見ると中林、押谷、矢島、岩政なでセンターラインの中心選手が抜けてしまいました。
一つのサイクルが終わってまた新しいチームを作り、再度J1に挑戦!といったところでしょうか。


一方の京都
内容は良くなっているものの負けという結果を受けてか大きくスタメンを変えてきました。
前節いい動きを見せていた大野、シーズン前にはスタメン候補であった望月、昨シーズンスタメンを奪った高橋。
システムは3−4−3のままが予想されているので、特に大野には攻守に渡って違いを見せる必要があるでしょう。
怪我上がりの闘莉王とこれまでスタメンだった大黒は劣勢を跳ね返す切り札と言った所でしょうか。


まだ勝ちのない岡山。負けが先行している京都
お互いに勝って結果をチームの勢いに変えたい1戦です。


◆用意してきたプレス対策
開始そうそうにバーにシュートが当たるなど、試合開始から激しい展開になります。
お互いにプレス志向が強めでそれゆえに、ロングボールとそのこぼれ球の奪い合いがしばらくは続き、
相手を押し込んで試合の主導権を握ろうとする序盤でした。
惜しいシュートを放つなど流れが岡山に移り始めた辺りから、
京都岡山対策とも言うべき作戦を使い始めました。

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まずボランチの望月が高橋と牟田の間まで降りてきて4バックに変化します。
4バックに変化することによって岡山の前3人によるプレスの的をぼやかし、楽にボールを持てるようになりました。

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4バックでボールを回すことで相手を動かしフリーで前を向く選手を作り出し、
そこから右サイド石櫃へダイナミックなサイドチェンジをしたり、
強さをもっているヨンジェや大野に裏を狙わせます。
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ロングボールを出しているシーンだけを抜き出して動画にしてみました。
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似たような形は前後半あわせて8回。
繰り返し見られてという事は選手がアドリブでやっていたのではなく
チームとして事前に準備をしていたということになります。

岡山は前からボールを取りに行くスタイルのため、DFラインは比較的高めに取っています。
前でしっかりプレスを掛けに行くことが出来ている時には高いDFラインは効果的に働きますが、
逆にプレスを掛けられないと裏にスペースを与えることになります。

京都は3バックから4バックへと移行することにより、
岡山のプレス戦術を無効化することに成功します。
結局岡山は守備時のシステムを5−2−3から5−3−2に変化させ、
プレス戦術を諦めて後ろに引いて守ることを選択していました。

リーグ4試合目になりますが、これまで後手を踏む試合ばかりだったので、
戦術で相手を上回る事で出来たのは正直うれしかったです。
試合を自分たちでコントロールして主導権を握っていただけに、
欲を言えば、相手が対応してくるまでに得点を奪いたかったところですね。



◆勝負のあや
後半も京都がペースを握ったまま先制点が生まれます。
このままいい感じに進めば・・・という所で染谷が怪我のため交代しています。
染谷のポジションは左CBでしたが役割としては
望月、吉野と並んで第3のボランチとして振る舞って攻撃の起点となっただけに痛い交代でした。
闘莉王が代わりに入りましたがこの交代からDFラインが下がり、
前線も飛ばしすぎて運動量が落ちて間延びしはじめていました。

このあたりから徐々に岡山がボールを持てるようになってきました。
特に途中から出てきた大竹はいやらしいポジションを取り縦パスを引き出していました。
京都の失点は・・・ボールが守備で当たってコースが変わった所に大竹がいた事はアンラッキーではあるのですが、
あの場面でパスを選択して通して来た大竹を褒めたいところです。

同点に追いつかれたところで京都リスクは前に出ることを選択します。
バランスを崩し気味でリスクをとった攻撃を仕掛けて、そのリスクがそのままPKの失点につながります。
なかなかショックのある負け方ではありますが、リスクを取っても勝ちを目指したので、仕方のない諦めのつく失点かもしれませんね。
それよりも反撃を受けても勝ちを目指して反発するんだ、これが私たち京都が目指しているサッカーのスタイルなんだと。
そういう主張を周りに示した試合になったのかもしれませんね。


◆ひとりごと
まずは岡山の方。
劣勢になっているときにもやり方を変えて凌いだり最後の最後でうっちゃりを決めてきたり、
粘りをみせられるチームに思う。
それでも外れたメンバーの影がちらつく場面が多々あり。
ビルドアップはほぼ喜山1人に任せっきりで、矢島が抜けたのは相当きつそう。
ロングボールの精度という面でも矢島が抜けたのはきつそう。
今までと同じことをやると行き詰まりそうなので、そういう意味でも新しいチームを作る途中なんだろうな。


代わって京都
途中まで狙い通りの試合をしていただけに負けという結果はやるせない。
が、なぜ勝てたかわからない徳島戦もあったので、相殺したことになるだろうか。
4試合みて感じているのが、いわゆる若手と呼ばれる選手の動きの良さ。
入れ替わりながらスタメンで出てくるのだけれど、
揃って自分の今を出し切ろうという気持ちが見えている。競争も起こっているんだろう。
京都に色々な監督が来たけれど、若手をこういうテンションで送り出してくる人はちょっと記憶に無いので、
布部監督が柏コーチ時代に若手をぐんぐん伸ばしたという評判もあながち間違ってはいないんだろう。
今のところ、試合でも結果はともかく最初から行けるところまでとにかく全部ださせる事に重きがありそう。
いやまぁ結果も出るのが一番良いんですけどね。

2017-03-17

〜気合でどうにか出来ること、出来ないこと〜 2017 J2リーグ 第3節 アビスパ福岡 VS 京都サンガ

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福岡の井原監督。京都の布部監督。
二人の共通点は柏時代のネルシーニョ監督のコーチをしていた事です。
また、現在の柏の下平監督、甲府吉田達磨ネルシーニョと関わりのある監督になります。
自身も一線級の監督を続けながら、弟子とも言える人材を育ているネルシーニョ
Jリーグの隠れた功労者とも言える人物なのでは無いでしょうか。

福岡のシステムは4−4−2。京都から移籍した山瀬が居ますね。
スタメンを見ると、中央で起点になるウェリントンと幅広く動き回る松田力
積極的に中に入るシャドーストライカー石津と攻守のバランスを取る山瀬。
動き回りボールによく絡む三門バイタルエリアの番人役のダニルソン
という具合にポジションごとに補完関係が成り立ち、バランスを重視して居ることが伺えます。


京都のシステムは前節と変わらず3−4−3。
これまで得点に絡んでいた
闘莉王とオリスは怪我のため欠場。
スタメンは牟田と小屋松。
二人とも大きな怪我を経験し、悔しい思いをしているだけに京都での復活を期待したい所。
大野はプロ入り初のベンチに入りとなりました。


◆3−4−3と4−4−2
システムは単なる数字あそびと言われてしまうことがありますが、
この試合の様に4バック対3バックと言うようにシステムの違う相手に対してどうやって対応していくのか?
というの試合の大勢を決めるサッカーの大きな要素の一つです。

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福岡の取った方法は全体を縦横に圧縮して密集を作ってスペースを消してきました。
横も近づけるとサイドが空いてしまう弱点が出てくるのですがここは全体をスライドさせて対抗。
特に2トップの脇にボールを運ばれた時に鋭いプレスをしかけボールを奪い取る狙い所にしていました。

京都としては中央は密集されてボランチを経由したボール回しが使えず、サイドにボールを運んで前進させようとしていました。
けれどもディフェンスラインはそこまでに運ぶパススピードが遅く、相手のプレスが間に合ってしまうためになかなか前に進められませんでした。
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次に京都がサイドからボールを運ぶために取った手段は、ボランチが下がって4バックに変えてしまうこと。
福岡のプレスを仕掛けてくるのが主にサイドハーフだったので、対象を増やしてしまえばプレスを掛けられないという寸法です。
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ですが、プレスに対する対応としてこの策は個人的にはどうっだったのかなーと思います。
ボールを前進させるために掛けている人数が多くなってしまうため、肝心のゴール前では数的不利になってしまいました。

相手の前からのプレスにここまで苦労する試合が続いていますが、ようやくなんとかプレス回避のアイデアが出てきた所で、
フィニッシュまで見据えたボール運びになるようにもう一歩改善を望みたいですね。

◆反発力のある京都
今節の京都の前からのプレスを志向していたのですが、CBが牟田に変わったことによりDFラインが上がり無理なプレスというのは減っていました。
相手を取り囲む、ボールを奪い取る場面も出ていました。

プレス戦術の功罪がわかりやすく出ていましたね。
ボールを奪おうとボランチの二人が出すぎたために、スペースを与えてしまい失点しました。
逆にボランチ吉野がダニルソンにプレスを仕掛け高い位置でボールを奪うことにより得点も生まれました。

1点取り返したことにより京都は勢いに乗ります。
京都の交代で入ってくる選手が前への推進力を作り、大野がヘディングで決定的な場面をつくる所まで福岡ゴールに迫っていました。
福岡は運動量が落ちたことにより布陣が間延びして効果的な守備ができなくなっていました。
お互いにカウンターの打ち合いのような展開になりますが、最後は3バックに変更した福岡がなんとか逃げ切り勝ちを収めます。



◆ひとりごと
福岡のプレス&カウンターはよく組織されて十分な威力を持っていた。
福岡京都に負けず劣らず個性的なメンバーだけれど、
ウェリントンまでもが積極的に守備をさせている井原監督の統率力はなかなかのものだ。
ただプレス&カウンターは運動量をかなり要求される弱点がある。後半にはもうガス欠をしててプレスを掛けられなくなってた。
年齢高めの選手もいるのでシーズン通してやりきれるのかは懐疑的。夏はきつそう。秋からはめっちゃ強そう。

京都は負けはしたけれど、1,2節に比べると試合内容は良くなっていた。
途中交代で入ってくる選手が劣勢を跳ね返そうと前へでる気持ちを持っているのは頼もしい限り。
じゃぁ前半からやれよ!と言いたくなるのはぐっと抑える。
布部監督がやりたい守備というのはやはり前からボールを奪いに行くやり方なんだろう。
どっちかいうと2節の撤退守備というのがイレギュラーぽい。
そうなるとラインを下げがちな闘莉王を使うのは難しい。
大黒、エスクデロもあっさり交代させているので、意外とばっさりいっちゃうかも。

2017-03-09

〜これでいいのだ〜 2017 J2リーグ 第2節 京都サンガ VS 徳島ヴォルティス

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京都の第2節の相手は徳島
今年の密かな注目ポイントにしているのがJ2で突如起こったスペインブーム。
徳島千葉東京Vにやってきた3人のスペイン人監督です。
どのような経緯で来日することになったのかはわかりませんが、
サッカー技術では最高峰の国から指導者がやってきたのはJリーグにとって喜ばしいことでは無いでしょうか。
中でもリカルド・ロドリゲス監督が率いる徳島はシーズン前にはJ1新潟に圧勝。
また第1節もしっかり勝っていたりとなかなか良い評判が聞こえてきています。
実際にどのようなサッカーをするのか。楽しみでもありました。

京都は第1節を1−2と落としました。
ホーム連戦となる第2節ではなんとしても勝ち点をとっておきたい所。
第1節では攻守ともに課題を残した内容で、どれだけ修正をかけてこれたのか。
また選手の入れ替えも考えられる試合になりました。

京都のシステムは前節と同じく3−4−3。
ソンミンに代わり、前節交代出場からリズムを作った仙頭が初スタメン
徳島のシステムは3−1−4−2.
京都とおなじ3バックですが中盤の並びが違い、単純なミラーゲームにはなりませんでした。


◆修正をかけた京都の守備
前回のブログでも書きましたが、まずい守備から2失点してしまった京都
守備方針を切り替えた様子がはっきり見て取れました。
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前節ではボールを奪われたらすぐさま奪い返しに行く守備を志向していましたが、
今節では徹底して自陣に引くことを選択しました。
ボール取られたらすぐ帰る。とにかく自陣のスペースを埋めることを最優先。
特に右サイドの石櫃は徳島のキープレイヤーである馬渡に裏を取られないように用事深く守備をしていました。
京都の3バックはスピードが有るわけではなく、むしろ後ろで構えて跳ね返すのが得意なので、
自陣に引いて低く守備を構える守備の方が向いているのでは無いかと思います。

たまに思い出した方のようにプレスを仕掛ける場面があるのですが、
もれなくプレスをかわされてゴール前までボールを運ばれていたのは切ないところでした。


徳島が見せるポゼッションサッカー
徳島スペイン人の監督だけあって、ボールを持つ事にこだわるサッカーを見せていました。
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3人のボランチの動きに特徴があり、頻繁にポジションを変えてDFラインからのボールを引き出し、
前を向いてパスを出せる状況を作っていました。
長距離砲台カルリーニョスが目立ちますが、岩尾と藤原も安定したパスの技術を持っている選手で、
3人の誰がボールを持っても縦にパスを出せる組み合わせです。

テクニカルな選手を並べると守備が心配になりますが、
2トップがプレスを掛けて後ろの守備を助けたり、
攻撃から守備への切り替えを早くしてボランチが一人で守備にさらされる場面を防ぐというやり方で
守備の弱さをカバーする手段もきっちり用意していました。
ポゼッションサッカーをやるためのお手本のような戦術ですね。

少し脱線した話になりますが、徳島ボランチの動きで感心した事がありまして、
京都が積極的にボールを奪いに来ていないので、比較的高い位置でボランチはポジションを変えながらボールを受けていました。
徳島の前節の対戦相手、東京Vはプレスを前から掛けていたので、
ボランチがDFラインまで下がり4バックに変化する事によって前を向き、
フリーでボールを受ける動きを多用していました。

ここから推測すると、相手の守備が前からプレスを掛けてくるor自陣に引いて守備を固める、
どちらのタイプであっても、徳島は安定してボールを前に運ぶ方法を準備できているという事です。
短期間の間でここまで戦術を整えられているのを見ると、リカルド監督はいい仕事をしていますね。


閑話休題。
ボランチを経由した安定したボール保持が出来ると、周りの選手は高い位置を取りやすくなります。
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京都の撤退守備にはDFラインと中盤の選手の間が空きすぎているという弱点があり、
何度も縦にパスを通されてゴール前に迫られていました。
徳島側から見るとチャンスをつくるも得点までは至らなかったのですが、
ちょっとFWの選手にパワー不足を感じる所もありましたね。

一方で京都の撤退守備が功を奏したと言えます。
やられそうだけども最後の最後はやらせない。
不格好ですけども自陣に引く人海戦術の強みでもあります。


選手交代で押し返す京都
前節とおなじ流れですが、後半京都選手交代から反撃にでます。
オリスの高さと巧みなポストプレーにより、それまで押し込まれっぱなしで一方的な展開を打開していきます。
京都はここで更に積極的な交代策とります。62分に岩崎を投入。
残り30分近くある中で3人の交代を使い切る思い切った采配です。
オリスのポストプレーの受け手として岩崎は積極的に動き、
また連携して攻撃を組み立てる2人に引っ張られてエスクデロの動きも良くなってきます。

と勢いに乗ってきたところでアクシデント。闘莉王の負傷してダッシュできない状態に。
交代枠がすでにない京都CBに吉野を下げ、オリスが中盤に、闘莉王FWに置くという緊急事態に。
ここで京都に幸いしたのが徳島の運動量が落ちて、双方カウンターの打ち合いになった所でしょうか。
最終的には自陣FKからオリスが頭で落とし、負傷していた闘莉王が決めていまうという結果オーライとして言えない結果に。
とにもかくにも京都はシーズン初勝利を手に入れました。


◆ひとりごと
サカダイの採点では勝っている京都の方が
評価点が低いという珍しい結果に。
徳島は負けたけど何も変えなくていいし、京都は勝ったけれどそれでいい?ほんとに?。


徳島ボランチ3人とDFラインも足元の上手い選手を並べているのでボールを持つ力は高く、
これから対戦する相手は下手にボールを奪いに行くと痛い目に合うと思われる。
その反面、受けに回ると弱さが見える所も。
守備の弱さを運動量で補っているふしがあるので、
ボール持って相手を押し込む→クリアーされる→素早くプレスを掛けて奪い返す→再び相手を押し込む、
というルーチンを続けられる間に点を取れるかどうかで勝ち点が決まりそう。
そう考えるとFWに何を求めるかは悩ましい所では無いだろうか。

一方の京都
結果として勝ち点3をとれたわけだけど、
初戦で自分たちのやりたかった事を、今回の相手がそれなりに形にしていた事を見せつけられると、
心中穏やかな気持ちではなかったのでは無かろうか。

徳島は運動量を元に守備のベースにしていたので、
前半は守りに徹して、相手の動きが落ちる後半に選手入れ替えて勝負をかけるという形になっていたのは
勝つためにはなかなか理にかなっていたように思う。つまらなかったけど。

攻守に影響力の大きかった闘莉王が怪我をしてしまい次節は欠場濃厚。
またチームとしてどういう舵取りをするのか決断に迫られている状況になっている。
こっちのやり方でいけるやん!となるかやっぱりだめでした!となるか。
まだまだスタメンを探す作業が許される時期なので色々試すのも良いんじゃないですかね。

2017-03-02

〜戦略としては見えるのだけれど〜 2017 J2リーグ 第1節 京都サンガ VS モンテディオ山形

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毎年オフシーズンは一喜一憂するものですが、期待と不安が入り混じった複雑な気持ちをサポに与えた2チームでは無いでしょうか。
2017年シーズン、京都サンガの初戦の相手はモンテディオ山形
どちらのチームも昨シーズンの結果を受け、さらなる順位アップを狙ったチーム改革を行いました。
モンテディオ山形は新たなサイクルを始めるべく愛媛プレーオフまで押し上げた木山監督を起用。
愛媛から勝手知ったる選手達を加入させることによって、チーム作りを加速させたい思惑が見えます。
一方、京都は劇薬とも言える闘莉王の獲得、大黒のレンタル復帰、さらには京都橘の選手が多数加入。
トップチームでの指揮は初挑戦となる布部監督。アクの強いメンバーをどれだけコントロール出来るかがポイントでしょうか。

システムはどちらも3−4−3。スリーバックで1トップ2シャドー。
完全に同型のミラーゲームとなりました。


◆ペースをつかめない京都
序盤はお互いにボールにプレスを掛け合う展開。
じょじょにゲームが落ち着くにつれ、京都はボールを保持する時間を多くして攻撃する形を見せ始めます。
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特徴的なのはウイングバックのポジション。左右の石櫃と湯澤を位置取りを高くして5トップ気味に。
高い位置に選手を多く置くことによって、相手を押し込みたい、サイドから相手を崩したいという意思を見せる布陣でした。

けれどもこの布陣は効果的に働くことはありませんでした。
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山形の前線3人は積極的にプレスを仕掛けてきました。
3対3の数的同数であり、まともにプレッシャーを受けた京都のDFラインはボランチにパスを通すことができず、
またサイドの選手が高い位置取りをしているためにボールの逃し場所も失ってしまっていました。
結局アバウドなボールを前方に送るだけになり、山形の守備にあっさりカットされるという展開になります。

これがこの試合の流れを決める大きなポイントになりました。
山形の前線3人にプレスを仕掛けられた時にどのようにしてボールを運ぶのか?
解決策が見られなかったのは残念でしたね。


◆2失点の原因
京都の守備面で目についたのは、ボールを奪われた瞬間の動きです。
ボールの近くにいた選手がすぐに奪い返しに行きます。
そうして奪い返した勢いそのままにゴールに迫る場面が何度かありました。
一方で奪いきれずにかわされてると大きなピンチを招いてしまうリスクのある守備でもありました。

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クロスからのヘディング、PKという形でしたが
どちらの失点も原因は同じです。

1失点目は吉野、石櫃、闘莉王もでしょうか
2失点目はソンミン、吉野、そして染谷。
自分のポジションを捨ててプレスに行った所をかわされて、
空いたスペースにボールを運ばれてピンチを迎えています。

この失点をカウンターを受けたという表現が正しいのかは微妙な所ですが、
京都はボールを奪い返そうとしたばかりに守備陣形を自分達から崩してしまったため、
相手のカウンター攻撃を誘発してしまったと言えなくもありません。

90分でシュートが4本に終わっているとおり、山形の攻撃が決して上手く行っていた訳では無いです。
その相手に対して京都はチャンスを与えるような守備をしていまいました。
ボールを奪いに行くのかスペースを守るのかを判断する基準を明確にする、
全体をコンパクトにしてプレスをより一層強める、
といった修正を京都はする必要があるのではないでしょうか。


選手交代からの反転攻勢
2点のビハインドからもう点を取りに行くしか無くなった京都
岩崎と仙頭、二人の新人選手を投入。この交代がゲームを動かすことになります。
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ボランチに入った仙頭はDFラインに落ちる動きをして3バックから4バックに変化。
4バックに変化することにより、山形の前線3人のプレスに対して数的優位を作りフリーで前を向くことに成功します。
ボール保持したときに3バックから4バックに変化する戦術がチームのオーダーなのか個人の判断なのかはわかりませんが
仙頭が起点となりここからようやく京都の攻勢が始まります。

仙頭は東洋大学でインサイドハーフという中盤のポジションを任されていたそうです。
インサイドハーフは周りの状況をよく観察してポジションを細かく調整し、チームの攻撃をコントロールする難しいポジションです。
その経験があったからこそ、相手のプレスをかわす方法もすでに持っていたのでしょう。
停滞していた攻撃を自分の働きで打開できた事は大きな成功体験になったのでは無いでしょうか。

時間が進むに連れ、闘莉王パワープレイ気味に前に残りゴールに迫る場面も増えてきます。
このあたりから山形は前からのプレスをやめて、徹底してゴール前を固める守備に切り替えてきました。
京都が押し込む、山形が跳ね返す、という展開が続き、
さらに圧力を強めるべく長身のオリスを投入しそれが点に結びついたのは、
上手く行かないことばかりのこの試合で、なんとか光明が見えた場面でしたね。
クロスを上げた岩崎、前線の起点となりゴールを上げたオリス。
二人ともいい仕事をしてくれました。


◆ひとりごと
山形は前からのプレッシング、ゴール前に引いての人数を掛けた守りと
2種類の守備をチーム全体でやりきったのが結果につながった。
木山監督は新チームで出来ることが少ない中、
負けないための手段をきっちり用意してきた様に思う。2得点はご褒美。

一方の京都
ボールを持つと3−2−5に配置してのビルドアップ。守備に切り替わった時にプレッシング
これらの特徴から連想したチームは浦和レッズ
本家の浦和は今の形に至るまでに相当な苦労をしていた記憶があるけれど
布部監督は京都でも同じ過程で成立させようとしているのか。
チーム内外の状況からいってあっさり諦める可能性も高いように思う。
スタメンに出した選手はいかにも安定を取って置きに行ってる感じがしたし、
交代で入った選手が揃って活躍した事もあって、これからどんどん変わっていくのだと思う。
いや変えられるのかどうか、かな。