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2017-10-15

 「Crash Course to Positional Play」  ポジショナルプレー短期集中コース 翻訳 パート1

◆初めに
近頃「ポジショナルプレー」という用語が注目されています。
言葉として成立したのが比較的新しく、また日本では馴染みの無い言葉でもあります。
そして、この用語の意味するところがサッカーの戦略、戦術よりもより上位にある、思想だとか哲学に分類される言葉のようです。
そのため抽象的な概念の話になり理解が難しく、個々人の解釈にまかされている状態です。
自分はというと、はっきりと説明できるかと聞かれるとかなり怪しい段階です・・・
そして今、「ポジショナルプレー」という言葉を日本語化すべくチャレンジする人が出てきている所です。

この流れの中で、このようなサイトがツイッターで紹介されていました。
https://www.itsjustasport.com/home/2017/6/22/crash-course-to-positional-play-part-1-of-4
タイトルは「Crash Course to Positional Play」。
「ポジショナルプレー短期集中コース」というタイトルです。

海外の記事で当然すべて英文なのですが、
「ポジショナルプレー」の勉強のため、また他の人の理解の助けになるかも知れないという淡い期待も合わせて、
翻訳に挑戦してみることにしました。

翻訳作業というのもほぼ初めてになるので、英語に詳しいという訳でもないので、
訳としては怪しい所も出てくると思います。
それでもよろしければ参考にしていただきたいです。
(誤訳があれば指摘などしていただければ・・・)

原文はすべてこのブログからの引用となります。
https://www.itsjustasport.com/home/2017/6/22/crash-course-to-positional-play-part-1-of-4
原文となるブログ記事の作者であるDavid Garcia氏に感謝します。

以下 訳文です。
人物名やサッカー用語がいくつか出てくるので最後に簡単な説明を載せています。

Crash Course to Positional Play:

ポジショナルプレー 短期集中コース パート1


“It’s not about moving the ball, it’s about moving the opponent.”
— JUAN MANUEL LILLO

「ボールを動かすんじゃない。相手を動かすんだ。」by フアン・マヌエル・リージョ*1

As some of you may know, I have recently written an article for These Football Times on one of my footballing heroes, Juan Manuel Lillo. For me, he is one of the most inspirational and innovative characters in modern football. He is not only considered one of the founding fathers of positional play, but he founded it in a way which went against the current of football at that time.

ご存知のとおり、サイト「These Football Times」に私が尊敬するフアン・マヌエル・リージョについての記事を書いて来ました。
私にとって彼は現代サッカーにおいて最も革新的でひらめきをもった人物の一人です。
彼はポジショナルプレーの発案者の一人というだけでなく、いま現在のサッカーに対して立ち向かう道を作り上げたのです。

During the process of writing my Lillo homage, I exhaustively researched his ideas through interviews, articles, and essays, to better understand the man that has been so influential to how football is played today. Naturally, in my research I came across countless concepts regarding positional play. This led me down the rabbit hole of the ambiguity that is ‘Juego de Posicion’.

(?リージョへの敬意を述べている間)、今日のサッカーに大きな影響を与えてきた人物をより理解するために、
彼のインタビュー、記事、エッセイを通じて、彼のアイデアを徹底的に研究してきました。
研究をすすめるとポジショナルプレーに関する無数の概念が浮かんできました。
それは”Juego de Posicion(スペイン語でポジションゲームの意味)”という不思議な体験へと私を導いたのです。

During my time in Spain, I have studied and worked with some brilliant coaches who are proponents of positional play. However, through all the chats about matches, training sessions, theory classes, etc, I have never organized my findings into a structured article like the one which I am about to write. I have books, powerpoints, articles, and notebooks full of separate ideas and concepts on the subject from many sources (in Spanish), and I felt that it would be beneficial if I created a place which contained some of the basic ideas on the subject in an easy to follow manner. This was the origin of this project.

私がスペインにいる間、ポジショナルプレーを支持しているコーチ達と共に学びました。
試合、トレーニングセッション、理論学習などをつうじて議論を重ねました。
しかしながら私はこれから書こうとしている様に構造化した記事にすることはありませんでした。
スペイン語でのたくさんのソースからこのテーマに関するアイデアやコンセプトを分類して、書籍、パワーポイントや記事として手元に残しています。
もしこのテーマについて基本的なアイデアを集めた場を作れば、それはとても価値があるのではないかと感じました。

これがこのプロジェクト「Crash Course to Positional Play」の始まりです。

Over the next couple of weeks, I will be releasing an introductory series on positional play where I will cover the basic concepts necessary to embark on this playing style.

これからの数週間で、私はポジショナルプレーを始めるために必要な
基本的な概念について説明する入門シリーズを発表する予定です。

Along with Lillo, another sire of positional play is Paco Seirul•lo. Although his playing background doesn’t include football, he is accredited for F.C. Barcelona’s methodology which is heavily based on positional play. Initially, the methodology was created for Barça’s Handball team in the 80’s and 90’s but with the arrival of creative minds like Johan Cruyff, it was transferred and successfully applied to football.

リージョとならんでポジショナルプレーのもう一人の発案者にパコ・シーリュロ*2がいます。
彼はプレイヤーとしての経験はありませんが、ポジショナルプレーに基づいたバルセロナのプレー方法論として認められています。
当初、この方法論は80〜90年代のバルセロナハンドボールチームのために作られました。
その後ヨハン・クライフのように創造的な精神をもった人物の登場とともに、
サッカーにもこの考え方は持ち込まれ、成功を収めることになりました。

Seirul•lo, Lillo, and many other footballing pioneers agree that football is a complex process which cannot be separated into distinct parts (attack, defense, etc). In the words of Seirul•lo, “the game is a continuum of complexity”. Oscar Cano Moreno describes it in the following way, “when training, coaches must recognize the inherent complexity of the game as a means to adapt to the necessary context.” In this way, going forward we must embrace the complexity of football and avoid separating it, for there are no isolated moments, only the game itself.

シーリュロやリージョ、また他の多くのサッカーの先人たちは、
サッカーは複雑で、攻撃、守備、その他、といった異なる局面として分けることが出来ないと考えていました。
サッカーの試合は複雑さの連続系です」とシーリュロは述べ、
オスカー・カノ・モレノは 「トレーニングの際には、試合の複雑さに適応する手段としてコンテクスト(背景、文脈)が必要であることをコーチは認識しなければいけません。」と続けています。
このようにサッカーには独立した局面というのは無いのです。
これからも私たちはサッカーの持つ複雑さを受け入れなければなりません。

Within the subtleties of positional play, we can divide this style into three objectives which need to be met in order to achieve success. In each of the upcoming parts of this positional play series, one of the objectives will be discussed comprehensively. Today’s article will briefly introduce each of the objectives.

ポジショナルプレイは、それを成功させるために必要な3つの要素に分けることができます。
このポジショナルプレイシリーズでは、今後の各パートでその要素を1個づつ論じていこうと思います。
次にそれぞれのパートを簡単に紹介します。

Read: Organized Structure (Part 2)

This is the basis of positional play. It’s the foundation upon which the implementation of this style is built on. It’s essentially where the name comes from. Pep Guardiola, positional play’s most popular spokesperson, said, “One must occupy the right positions, and the positions depend on where the ball is located.” He’s referring to the spaces where his players must be at any given time, and as he has mentioned, it’s based on the movement of the ball. It’s not a fixed formation as many believe. Many coaches presume that because they are replicating Barça’s 4-3-3 or Sampaoli’s 3-5-2, they are using positional play. This is a common misconception and one that we will fully dive into to begin to understand how the shape and formation of a team is both the cause and effect of its players’ characteristics.

・組織された構造(パート2)
これはポジショナルプレイの基本です。このスタイルを構築する基盤となります。名前の由来でもあります。
ポジショナルプレイに関して最も著名な人物である”ペップ”グアルディオラ*3はこう言っています。
「正しいポジションを取ることです。そして正しいポジションというのはボールの位置に依存しています。」
彼はいつも選手が居なければならない場所を言及しています。それはボールの動きにもとづいています。
その動きは多くの人が信じているような、固定されたフォーメーションではありません。

ポジショナルプレイを採用している、バルサの4−3−3やサンパオリ*4の3−5−2を
多くのコーチが参考にしています。
しかしこれはよくある誤解です。その仕組を理解しようとすると泥沼に沈むでしょう。
フォーメーションとは選手の特徴に合わせた結果なのです。

Read: Players’ Relationship with the Ball Possessor (Part 3)

‘Rondos’ are a staple of positional play. We have all seen the videos of Guardiola’s team producing football magic as they whip passes around a circle keeping it away from an unfortunate duo stuck in the middle of the playing area. However, do we actually know what is happening in terms of positional play? Football is played with one ball, yet there are 22 players on a pitch. That being said, 21 of those players have some kind of relationship with the player on the ball, whether it is an adjacent or distant teammate, or a direct or indirect defender. When training it’s important to know the roles and responsibilities of each player, along with what each player provides the team’s tactics. As Cano Moreno states, “we become free as we collectivize ourselves.”

・ボール保持者と他の選手との関係(パート3)

”ロンド”はポジショナルプレイの主役です。
私達はグアルディオラの作り上げた魔法の様なサッカーのビデオを見てきました。
彼らの”ロンド”は円の周りを回る様にパスを回し、プレイエリアの中央にいる二人を立ち往生させてしまうのです。
D
ところで、私達はポジショナルプレーとして何が起きているのか理解できているのでしょうか?
サッカーは一つのボールで行います。またピッチには22人の選手がいます。
これは次の事を意味します。
21人の選手はボール保持者との関係があります。
それは隣り合っている味方や遠い場所にいる味方、直接的または間接的なディフェンダーである事に限りません。
トレーニングでは各プレーヤーに役割と責任、加えてそれぞれがチーム戦術を担っている事を知ってもらう事が重要です。
「集団化すると自由になれる」このようにカノ・モレノ*5は述べています。

Read: Generate Superiorities (Part 4)

This objective is where we see the fruit of our labor. At this point in the process, the players must have mastered the first two objectives otherwise these numerical, positional, or qualitative superiorities will not appear. Not only does the apparition of these advantages need to be worked on but so does the awareness to identify them, and ultimately use them to approximate the team to scoring a goal.

・優位性を生み出す(パート3)

優位性を生み出す事が私達の働きの成果となります。
この時点で先の2つのパートを身に着けていなければ行けません。
そうしないと、相手に対する数的優位性、位置的優位性、そして質的優位性は現れません。
これらの優位性を表現するだけでなく選手に意識づけさせる事は、
最終的には得点を決めるというチームの目標に近づけることになるでしょう。

This is just a basic introduction to the three main objectives which I will be covering over the next couple of weeks. I look forward to embarking on this journey into the beginnings of positional play. I welcome you to interact with me along the way via Twitter (@ijasport), email (ijasport@gmail.com), or Facebook (It’s Just a Sport).

これらが数週間に渡って、ポジショナルプレーの3つの要素を紹介していきます。
私はポジショナルプレーについて連載を始める事を楽しみにしています。

私と連絡が取りたい時には ツイッターアカウント(@ijasport) メール(ijasport@gmail.com) Facebook(It’s Just a Sport).
にお願いします。

“To learn, we first need to understand what we want to learn.”
— JOSE ANTONIO MARINA

「学ぶためには、最初に学びたいことを理解する必要がある。」
by ホセ・アントニオ・マリーナ*6



付録、登場人物、用語の説明
◆ロンド
トレーニングの一種。日本語で言う鳥かご。
ウォーミングアップでよく使われるが、グアルディオラは最高峰の選手達に本気でやらせた。
D



◆フアン・マヌエル・リージョ
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%95%E3%82%A2%E3%83%B3%E3%83%BB%E3%83%9E%E3%83%8C%E3%82%A8%E3%83%AB%E3%83%BB%E3%83%AA%E3%83%BC%E3%82%B8%E3%83%A7
スペインサッカー指導者。

◆パコ・シーリュロ
http://soccer-science.lab.tid.es/team_member/paco-seirul%C2%B7lo/
https://www.youtube.com/watch?v=IRE4NYZ5g30
FCバルセロナ、フィットネスコーチ。

ヨハン・クライフ
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%A8%E3%83%8F%E3%83%B3%E3%83%BB%E3%82%AF%E3%83%A9%E3%82%A4%E3%83%95
オランダ出身のサッカー選手、サッカー指導者。
組織戦術「トータルフットボール」をピッチ上で体現した選手。20世紀を代表する選手。

◆サンパオリ
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%9B%E3%83%AB%E3%83%98%E3%83%BB%E3%82%B5%E3%83%B3%E3%83%91%E3%82%AA%E3%83%AA
アルゼンチンサンタフェ州出身の元サッカー選手。サッカー指導者。

ペップ・グアルディオラ
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%82%B8%E3%83%A7%E3%82%BC%E3%83%83%E3%83%97%E3%83%BB%E3%82%B0%E3%82%A2%E3%83%AB%E3%83%87%E3%82%A3%E3%82%AA%E3%83%A9
スペインカタルーニャ州サンパドー出身の元サッカー選手。サッカー指導者。

◆カノ・モレノ
https://www.amazon.co.jp/%E3%82%B0%E3%82%A2%E3%83%AB%E3%83%87%E3%82%A3%E3%82%AA%E3%83%A9%E3%81%AE%E3%83%9D%E3%82%B8%E3%82%B7%E3%83%A7%E3%83%8A%E3%83%AB%E3%83%97%E3%83%AC%E3%83%BC%E7%89%B9%E5%88%A5%E8%AC%9B%E5%BA%A7-%E3%82%AA%E3%82%B9%E3%82%AB%E3%83%AB%E3%83%BB%E3%82%AB%E3%83%8E-%E3%83%A2%E3%83%AC%E3%83%8E/dp/4809413861
グラナダ出身の指導者。サッカー関連の著書も多数あり。

◆ホセ・アントニオ・マリーナ
http://www.newspanishbooks.jp/author-jp/jose-antonio-marina
スペインの思想家。

*1スペインサッカー指導者。

*2FCバルセロナ、フィットネスコーチ

*3スペインカタルーニャ州サンパドー出身の元サッカー選手。サッカー指導者。

*4アルゼンチンサンタフェ州出身の元サッカー選手。サッカー指導者。

*5グラナダ出身の指導者。サッカー関連の著書も多数あり。

*6スペインの思想家。

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