築地探訪二回目〜金目鯛を仕入れに〜

幸軒@築地

 昨年晩秋に初めて訪れた築地ですけれども、地下鉄大江戸線を使えばアクセスも良いことが判ったので再び訪れることになりました。というのもちょっとした用があって以前住んでいた都営新宿線住吉駅近くの病院に行くことがあり、その帰りがてら魚を仕入れようと思い立ったのです。翌日はいつもお世話になっているお店で新年会ですので祝いの席にふさわしく、金目鯛を手に入れようということです。近所のスーパーでも手に入らないことはないのですけれども、丸のままの金目を選ぼうとするならば、築地に行った方が早いとの判断なのですが、まぁナントカカントカ言ってもただ行きたいだけなのですけれどもね(汗)。

 帰りに築地に寄ってくることを考えて、家からはやや遠く離れた住吉まで歩いて行くことにします。どうにも交通のアクセスが悪くバスだと2本乗り継ぎ、地下鉄なら錦糸町からたったひと駅、ならば歩こうというものでひたすら歩いて約25分ほど。途中こうして気晴らしに写真を撮ってみたり。

 何となくこうした時には鳥が水面を漂っていたりするものなんだけれどもな、と橋から水面を見るとお約束のようにやって参りました(笑)。正に願ったり適ったりで他の通行人から訝しげに見られても気にしない気にしない。
 まだ冷え切った病院に到着して診察の順番を待ち、暫らくの後に診察。前回の検査の結果を聞いてまぁひと安心。今回も採血と尿検査を済ませてようやく開放されました。

 住吉駅から森下経由築地市場駅で降ります。もうもったいないぐらいの晴天で、綺麗に晴れ渡った青空がとても綺麗です。A1出口から出て新大橋通りを進みます。朝ご飯を食べてはイケない検査でしたので、とても空腹です。とりあえず何か軽いものを食べたいと思いつつやって来ましたから買い物は二の次でまずは新大橋通り沿いにズラリと並ぶお店でラーメンでも、とつい先日辞めてしまった旋盤職人さん(築地に通うこと30年だそうで)おススメの『井上』というラーメン屋さんでも探そうかと歩いていましたら、なんだかエラく長蛇の列が出来ているお店がありその先に見えるのがその『井上』というお店でした。これではいつ食べられるのか?と思い他のお店に切り替えることにして、とりあえず通り過ぎました。

 角まで歩いてきて振り返ってパチリ。いや特に当てもないんですけれどそのまま戻るのも何だし、と脇道に入ったところにある道具屋さんまで戻り27cmの竹ざるを購入。昔持っていたんですけれどいつの間にか壊れて捨ててからついついそのまま。欲しいものがそこそこ手頃な値段で満足。

 道具屋さんのある小道を抜けると紀文のある通り。土曜日ということもあって物凄い人の波です。どこか良さそうなお店は、と眺めると見覚えのあるお店の看板が目に留まりました。幸軒というお店です。この方の記事を読んでいて記憶の片隅にあったのを思い出しました。

 引き戸を開けると中はほぼ満席、手前にいた二人連れのお客さんが気を利かせて少しズレて席を作ってくれました。こうした心遣いは大変嬉しいものですしありがたいことです。謝辞を述べながら席に着くと下には真っ赤に熾った炭が七輪の中で燃え盛りヒーター代わりになっているようです。
 もう頭の中はラーメンのことで一杯ですから即座にラーメンを注文しました。常連さんと軽口を交わしながら作るお店のご主人と奥さん。手際良く調理を進め店内を眺めていると程なくして出来上がってきました。普通盛りで¥650。ラーメンというか昔ながらの中華そばですね。結構噛み応えのあるしっかりした麺と濃い目の醤油味。市場という立地だからなのかハッキリした味が好まれるのかもしれません。もうお腹が空いていたからなのか一気に食べ進めてしまいました。他のお客さんはお酒を飲んでいる方が多くて、最後に入ったはずなのに最初に出てしまいました。酔客におかみさんが『あんまり構ってあげなかったからだよ』と混ぜっ返されていましたが、そうではなく本当にお腹が空いていたからなんですけれどもね。

 ラーメンを食べて人心地ついたワタクシはぶらりと目当ての金目鯛を探し歩き、それでも意外に物が少ないことを知り、その中でもお財布と相談し、予算との兼ね合いでまぁ納得できそうな物を買って家路に着いたのでした。