岐阜・愛知レトロアーケード探索記(6) 岐阜県某所・後編

岐阜県のとある温泉旅館からお送りする、
既に閉鎖されたゲームコーナーの光景。
前回はテーブル筺体群をチェックしましたが、まだ終わりません。
他にもマシンは設置されていました。

テーブル筺体群の反対側には、ライド型マシンやプライズ、
そしてアップライト筺体などが、雑多に置かれているのです。



これは、そんなライド型マシンの一部。
この原色ばかりが配されたカラーリングと、味のある動物の造形、
今となってはそうそう出せるテイストじゃないですね…。
これまた昭和の空気を醸し出していて、いい感じです。


そして気になるのは、やはりゲームマシンの数々。
こちらも順に見ていくことにしましょう。








まずはこれ。セガの「シューティングゾーン」。
故障したマシンがほとんどな中で、これと隣の「ストII'」だけは
電源が入った瞬間、元気に稼働していました。


前回、PCエンジンのゲームが時間制で遊べるテーブル筺体を紹介しましたが
本作はそれのセガマークIII版といえるもの。
5種類のゲームが選べ、タイトル名を体現するかのように
ジョイスティックに加えてガン形式のデバイスも備え付けてあります。
北斗の拳」の海外版「ブラックベルト」などまで入っているあたりが憎いですね。







こちらは再びテーブル筺体。
セガの「パッシングショット」です。
テニスゲームなんですが、これがまた類を見ないほどに特殊なコンパネなんですよ。



この通り、設置されているのはスティックと人形です。
人形でプレイヤーを移動させ、スティックで打つ球種を決めるんですね。
ちょっとエレメカっぽくていい感じ。この人形だけ欲しいくらいです。






その並びにあったのは、これまたセガのシティ筺体。
後に「エアロシティ」「アストロシティ」「ブラストシティ」など
セガのアップライト筺体の中核を担う「シティ」シリーズの
元祖ともいえるマシンです。

ちなみに中身は「達人」だったのですが…
それよりも衝撃的だったのが、隣にもう1台置かれたシティ筺体。
何も言わず、写真を見て下さい。











なんと、シティ筺体版「アフターバーナー」!
オペレーターが改造を勝手に行ったものではなく、れっきとしたセガ純正だそうで
筺体に操縦桿が生えたかのようなフォルムがインパクトあり過ぎです。
おそらく、大型筺体が置けないロケーション用に作られたものだと思われます。
…「アフターバーナー」といえば大型筺体のものしか知りませんでしたが
こんな形でも供給されていたんですねぇ。

稼働しなかったため、確認するすべはありませんが
パネル等から推測するに、おそらく中身はバージョンアップ前の「I」でしょう。
これもまた非常に珍しいところです。












最新機種が「ストII'」だったことからして、
このゲームコーナーのラインナップは、90年代前半からほぼ変わることなく、
10年以上の時を過ごしてきたのでしょう。


それは養老ランドや恵那峡ワンダーランドで見た、
大切にメンテナンスを受け続けるマシンには程遠く、
また、日本ゲーム博物館さんのように、確固たる主義で保護されたものでもない、
いわば、忘れ去られたゲームマシンたちと言えます。


ただ、そこに在るということは、
かつては多くの人々を楽しませてきた、ということ。



いつか消え行くものであっても、
いや、だからこそ、確かに在ったという記録を残したいのです。
それが何になるか、といえば自己満足以外の何物でもないんですけどね。








そんなわけで、岐阜県探索はひとまず完結。
まだまだ温泉地などを中心に探せば、レトロゲームが眠ってそうな地なので
いずれリベンジといきたいものです。