火の国にて、一期一会

熊本県にある「ゲームコーナーBAMBOO」さんが、
残念なことに2018年1月で閉店するそうです。


実は以前に一度だけ行ったことがあるのですが、
個人的な事情により、探訪記を書く機会を逃していました…。
アーケードゲームへの愛情がにじみ出る、素晴らしいお店だっただけに
今更ではありますが、訪れた時の様子を綴ってみたいと思います。


最初で最後の探訪は、2016年の秋。
未曽有の震災が熊本を襲ってから、約半年後のことでした。











「…あれ?本当にここで合ってるのか?」
住所を頼りに到着したその場所にあったのは、どう見てもレンタルコミック店でした。
ゲーム、ましてやレトロなアーケード筐体になんて縁がなさそうな雰囲気ですが、
せっかく熊本まで来た以上、引き返す選択肢など有り得ません。
意を決して店内に入ると…あるのはコミックが並んだ棚と…あと奥にはスロットコーナーと…






ダライアス」のキングフォッスルが!?
間違いない、ここが「ゲームコーナーBAMBOO」への入口ですね。
早速、中へと踊り込みます。










横に長いスペースに配置されていたのは、数台のビデオゲームや大型筐体たち。
やはり気になるのは、大型筐体ですね。







ナムコの「メタルホーク」。
現在、常設でプレイ可能な場所は他に高田馬場のミカドくらいしかない、超希少機です。


自分が初めて遊んだのは、地元のナムコランドでしたね…。
レバー操作に合わせて激しく動く筐体は、ゲームというより遊園地のアトラクションのようで、
当時はクリアどころか操作すらおぼつかない有様だったものの
まさしく「動かしているだけで楽しい」と思える、印象的なゲームでした。


今、改めて遊ぶと、システムII基板の回転拡大縮小機能をフルに活かし
かつ筐体での派手なムービングによって、唯一無二のゲーム体験を生み出している
当時のナムコの優れたゲームデザインに、唸らされるばかりです。
これが1988年にリリースされたとか…未来を行き過ぎていたとしか思えない…。







未来を感じさせた体感ゲームといえば、こちらも必ず挙がってくるであろう
スペースハリアー」もローリングタイプ筐体で設置あり。
指宿いわさきホテルと合わせて、九州では2台のスぺハリが2010年代でも現役稼働していた…
なんて話、数年後には信じられなくなっていそうです。




なお、来訪時には見られませんでしたが
かつては「ソルバルウ」や「スターブレード」「プロップサイクル」なども設置されていたとか。
ソルバルウ」の筐体は見てみたかった…!
稼働開始当時ですらかなり発見率が低く、一度しか遊んだことがないだけに悔やまれます。












BAMBOOさんの大きな特徴といえば、シューティングゲームへの熱い思い入れも忘れてはなりません。
初代「ダライアス」筐体と、最新作の「ダライアスバーストACEX」の並びは
誰もが思いついても、実際にやるロケーションなどまず見られなかっただけに、夢の光景と言えるでしょう。






さらに壁のグッズ展示コーナーには「グラディウス」関連アイテムがズラリと。
基板にカセットテープ、ボードゲームまで…!よくこれだけ集められたものだと感心し、見入ってしまいます。







飾りモノといえば、店内の至るところで見られるアイロンビーズも壮観ですね。
歴代シューティングゲームの自機、ファミコンゲームの主役たち、
さらにはジャレコのマイナー格闘アクション「64番街」の主役2人組や
クレオパトラフォーチュン」のパトラ子まで!どれもが持ち帰りたくなるくらい神秘な仕上がりです。











ゲームを遊ぶことは、もちろん楽しい。
それと同じように、ゲームが愛されている姿を見ることは、とても楽しく、嬉しいものです。
貴重なマシンと、店内に置かれた数々のディスプレイからは、
ここに集う人たちがどれだけゲームを愛し、大切に思ってきたのかを、まざまざと感じさせてくれました。



願わくば、この素敵な場所がいつの日か、また帰ってくることを。
…その時には「ソルバルウ」筐体と再会できたらいいなぁ、
なんて個人的な願望も孕みつつ。

上海パチモノ探索ツアー(2) グレートモーメンツ

上海のオタク街を堪能し、次に向かった場所。
そこには電化品や玩具、日用品など多くの店が軒を連ねていました。
雰囲気としては戦後の闇市のようなスポットで、
関東の人なら上野のアメ横、関西の人なら神戸元町高架下(モトコ―)を思い浮かべてもらえれば近いかと思います。




一回りしてみるものの、残念ながらゲームを扱っている店は無い様子。
と思いきや、麟閣さんが電子機器を扱っている店に何やら交渉をされています。
ここにゲームソフトは影も形もないのですが…!?



まさかのカウンター下から、パチモノソフト出てきたー!
ブツはパチモノの代表格ともいえるin1系。
特有の安っぽいプラスチックのため、中には基板が外れてしまっているものすらありますが
それでも宝物をふいに見つけたかのような高揚感が、確かにありました。
何処から意外な成果が出てくるか分からない、これこそが探索の醍醐味!


なお価格は1本30元。日本円にすると500円程度と
古いものであることを差し引いても、日本では考えられないほどの投げ売り価格でした。







勢いに乗って次に向かったのは、観光客向けのお土産なども扱う4階建てのビル。
建物内に多彩な店がひしめき合う様子は、中野ブロードウェイに近い雰囲気でしょうか。
とはいえ、ここはアニメグッズは豊富なものの、ゲームは見当たらず。


個人的には、いかにも中国という感じのフリーダムなアイテム群が気になりました。
特に、くまモンが胸に刺繍されたクマのぬいぐるみは
「お前、クマのぬいぐるみとしてそれでいいのか…」と問い正したくなる他力本願っぷり。
コイツにもし意思があるなら、間違いなく既にアイデンティティが崩壊していると思います。











ここまでが午前中の出来事。
そう、見どころは非常に多かったのですが、実はまだ半日も経っていなかったのです。
午後に待っていたものこそ、今回のツアーのメインイベントでした。




ツアー主催である麟閣さんの知人と待ち合わせ、入ったのは広い部屋のある飲食店。
知人の方は、何やら荷物がパンパンに詰め込まれたバッグを持参されています。


まぁ今回のツアーの趣旨を考えれば、何となくカバンの中身は予想できることでしょう。
「そうか、様々なパチモノを手に取れる機会になるのかな?」と思っていたら…















いやいやいや!様々すぎ!
一体ここだけで何本あるんですかパチモノソフトが!?
恐ろしいことにこれでもごく一部で、無限の如くソフトが出てくるそのカバンは
さながらパチモノが当たり前に流通していた時代のアジア圏に繋がっている、四次元ポケットのよう。
せっかくだから、その中から気になったソフトをいくつか紹介していきましょう。






まずはこれ。「SUNMAN」。
サンソフトファミコン末期に開発を進めていたものの、結局世に出なかったタイトルです。
バットマン」に似たアクションですが、自在にステージ内を飛び回れるのが特徴。

「ギミック!」や「バトルフォーミュラ」でファミコン離れした技術を見せつけた当時のサンソフトらしく
音楽よし、当たり前に背景がラスタースクロールする演出よしと、お蔵入りになったのが不思議なくらいの出来です。
実はスーパーマンのゲーム化として開発が進められていたが版権が取れなかったとか、
開発に故・飯野賢治氏が関わっていたりとか、気になる逸話も多い1本。


ちなみに、世に出ていないはずなのにレトロフリークではタイトルが認識されたりします。
どういうことなの…。









お次はファミコン版「ファイナルファンタジーVII」。
そう、あのクラウド神羅カンパニーで真の300万本RPGな、あの有名作を勝手に移植したものです。
アンオフィシャル品とはいえ、ストーリーはきちんとオリジナル版をなぞっているようで
2Dの「FFVII」として普通に楽しめてしまうあたりが恐ろしいですね。


実はファミコン版「FFVII」は英語版と中国語版があり、
今回入手した英語版は、戦闘などのゲームテンポが中国版より段違いに早くなっていて
マニア間では「いい方のFFVII」と呼ばれている…のですが
何と今回出てきたものは、これまで誰にも知られていなかった第3のバージョンでした!
外見は同じように見えても、しれっと中身が違っていたりする、この予測不能ぶりはパチモノソフトならでは。
また1つ、深淵が口を開けてしまいましたね…。








こちらは「マリオ2」と「オールナイトニッポンマリオ」…のROM版。
ご存知の通り、両方ともリリースはディスクのみのはずなんですが、何故か確かに実在しているのです。
個人的にはこういう、本来ならあり得ない単品ソフトは心惹かれまくりです。








in1系も少しいってみましょう。288本入りのソフトです。
この手のin1ソフトは表記の本数通りにゲームが入っていることはまず無く、ダブりも日常茶飯事なのですが
驚くべきことにこのソフトは偽りゼロ! 本当に288タイトルのゲームが入ってます。



しかも「くにおくん」や「ダブルドラゴン」「高橋名人の冒険島」「忍者龍剣伝」などのシリーズは全部入り、
さらには勝手にされ移植された「サムスピ」や中国製の謎の対戦格闘、
「ジャッキーチェン」をマリオに書き換えた笑えるハックタイトルから
13日の金曜日」「ニュージーランドストーリー」などNESでしか出てない作品に、
知る人ぞ知る任天堂非公認ゲーム「メタルファイターμ」などまで含まれている、超豪華な内容。
これ1本あればしばらく遊ぶゲームに困らなさそうなin1ソフトでした。







最後に紹介するのは、マリオのドット絵が印象的な8in1。
入っているのは当然マリオ関連の作品ばかりなのですが、そのラインナップが中々にイカレてます。
海外でのみ発売された学習ソフト「Mario is Missing!」と「Mario's Time Machine」があるのは序の口。
残る6本は有志が改造し、ネット上で公開されたハックタイトルなのです。


そのうちの1本「スーパーマリオブラザーズスペシャル」は、
PC8801やシャープX1用に、任天堂から許可を得てハドソンが発売した移植版を
わざわざファミコンで再現しているという、素晴らしく技術と手間と情熱がかけられたタイトル。
実は今回のツアーに参加しておられた鉄工さんが、かつて制作したものなのだとか…。







気になるソフトは、参加者持ち込みによる携帯ファミコンで内容が確認され、
さらに前日ゲットされたゲームボーイソフトも即売が始まり、場は楽しくもカオスの極みに。
ツアーの締めくくりを飾るに相応しい、パチモノゲームの宴がそこには確かにあったのです。











パチモノソフトは、著作権的には非常に危ういものであるということは、前回も書いた通りなのですが
その分、未知の世界がいまだ果てしなく広がっているのも事実です。


かつてファミコンソフトを収集していた頃に味わっていた
「次はどんな知らないゲームに巡り合えるだろうか?」という思い。
それが久しぶりに甦ったことは、今回ツアーに参加した最大の収穫でもありました。





改めて、ツアーを企画された麟閣さん、
そして旅を共にした、ゲームを愛しすぎてる皆さんに、お礼を申し上げます。


いつかまた、アジアの何処かで逢えることを願って。
…なんとなく、そう遠い日のことではないような気もしていますが。

上海パチモノ探索ツアー(1) 真的武勇

リュウや悟空や亀忍者たちが夢のバトルを繰り広げる対戦格闘。
数百本のゲームがたった1本だけですべて遊べてしまうカートリッジ…。


そんなあり得るはずのない存在が、どういうわけかこの世には実在しています。
その正体とは、中国や韓国、タイなどのアジア圏で勝手に製造された、いわゆる“パチモノゲーム”。
著作権的には非常に危うい代物たちですが、
マニアならそのアルティメットすぎる連中に好奇心を強く刺激されてしまうのも事実。




機会があればそんな怪しい世界も探索してみたい…などと考えてはいたのですが
ついに実現する時がやってきました。
パチモノゲームを熱く追い求め続け、昨年2016年には大阪のロフトワンでもイベントを開催された
パチモノゲームマスター”こと麟閣さんが、上海ツアーを企画すると知ったのです。
こんな千載一遇のチャンスを逃す手は無い!ということで、
中国語どころか英語も話せないのに、気がつけば参加表明&チケット手配を済ませてしまっていました。








諸事情により、上海に入ったのはツアー当日のド深夜。
空港でタクシーを拾おうとしたら、何故か目の前のタクシーに乗せられる気配はなく
気づけば停車場から離れた駐車場奥へ案内され、どう見ても白タクな車に乗せられかけるという
命の危機を感じるレベルの洗礼を受けたりしましたが、
何とか無事、朝9時の待ち合わせに到着することができました。
日本語が通じるありがたみをこれほど感じたのは、生まれて初めてかもしれません…。







ツアーの参加者には、主催者の麟閣さんから粋なプレゼントが渡されました。
“麟閣山寨旅遊”(麟閣パチモノツアー)と刺繍されたこの帽子、
今回のためにわざわざ中国でオーダーメイドされたという、恐ろしく手の込んだ参加記念品です。
ちなみに最初は名前が間違えられるハプニングもあったそうで、
パチモノ探しが目的の今回、これほどご利益がありそうなアイテムもそうはありませんね。




なお今回のツアーに参加したのは、なんと総勢12人。
いずれも未知のゲームを求めて海すらも渡る、一騎当千の猛者揃いです。
ヘルシング」の少佐の演説風に言うなら「ならば我らは諸君と私で総兵力1万1千と1人の軍集団となる」ですよ!




「よろしい、ならば戦争(パチモノ狩り)だ」


…と誰かが言ったわけではないですが、集結後にはさっそくパチモノソフトの数々がお披露目。
日本版から海外版、in1ソフトに至るまで、ワールドワイドなGBソフトが揃い踏みです。
前日に上海入りしていた方々が発掘したものなのですが…ここは待ち合わせ場所近くの、何の変哲もない地下道の一角。
謎の露店がいきなり目の前に!



のっけから普通のツアーで終わる気がしませんが、いよいよここからが本番です。
まずは地下鉄で、上海随一のオタク街へ。
日本と違い、上海ではゲームやアニメ、その関連品などはどこでも気軽に買えるというわけではなく、
秋葉原日本橋のように、店が一定の場所に固まっている感じなんだそうです。







上海オタク街の入口にあった本屋。ゲームやアニメの中国版書籍がズラリと並んでいます。
中にはゲームに絞った中文版ギネスブックや、
新しいところでは「ラブライブ!」「君の名は」「Fate/Grand Order」などの書籍も。
日本での流行りからあまりタイムラグを受けることなく、中国でも人気作は認知されてるようですね。





そしていざ、メインストリートへ。
アニメグッズや玩具を取り扱う店がいくつも並んでおり、
言葉は違えど見慣れた風景というか、なんだか安心する感じです。
特にフィギュアを扱う店が多いのが特徴ですかね。
一方でゲームソフトはほとんど見当たらず。ここにも店はあったようなのですが、既に潰れていました…。




それでも、萌えイラストがひと際目立つ店に入って、ゲームがないのか確認。
ここの店員さんは、現地の人でありながら日本語がペラペラでした。
「日本のアニメを観たくて日本語を覚えた」のだそうです。国を超えてもオタクの行動力ってのは凄いですね。


しかも聞けば、店の2階にゲームが置いてあるとのこと。
これは早速パチモノソフト発見か!? と期待に胸を膨らませ、急な階段を上ってみると…。

あったよ!よく見慣れた紅白のゲーム機が!本体だけ!
…ってどう見てもここ、店員の詰め所なんですけど!?
もちろんソフトが陳列されているわけもなく、ファミコンはただの私物でした。。
ファミコンのソフト?今さすがに売ってるとこなんて見かけないよー」とのことで
まぁ、そりゃなあ…。
ある意味レア体験ではありましたが、見事に肩透かしを食らったのでした。










気を取り直して、再び探索に戻ります。
この街の中には、学業の神様を祀る寺院があり
たまたまこの日は、境内で古本市が行われていました。
歴史ある中国の古本…! ゲームとは直接関係ないものの、これは覗かない理由などないでしょう!



古本市の様子。境内ところ狭しと、多種多様な本が並べられています。
中国の書籍がもちろん主ですが、中には日本から流れてきたと思われるソノシート(!)やら
北朝鮮の通貨セット(!!)やら、謎すぎる品までもが転がっているカオスぶり。
個人的には、ここだけで数時間は余裕で過ごせるほどに興味深い場所でした。




ここでは、見たこともない「ポケモン」っぽいゲームの攻略本と、アメコミの小冊子を購入。
どちらも役立てる機会は確実にないと思いますが、ネタとしては面白いのでOKです。
特にアメコミ、「He-Man」という80年代にアメリカで人気を博した作品のものらしいのですが、
読んでみたら展開があまりに衝撃的だったのですよ。







この3枚、続きではあるはずなんですが、
主役&ヒロイン(?)登場→敵っぽいのが出現→速攻で土下座と、脈絡が分からないほどの高速展開!
原作アメコミを知らないので不明ですが、本当にこんな物語なんでしょうか?





「もしかして勝手に作られたものなのかも…」と普通に思えてしまう、
それこそがパチモノが当たり前のように並ぶ、中国の恐ろしさ。
まだ自分の手で発見にまでは至ってないものの、パチモノソフトへの期待も否が応でも高まるというものです。


続きます。

愛すべきバカを再び求めて

セガが90年代中盤にリリースしたレースゲーム「クールライダース」。
マイナーではありますが、自分にとっては忘れられない心の名作の1つです。

一応は「アウトラン」シリーズの系譜に名を連ねるこの作品。
特徴は、既に3Dポリゴン全盛だった時代に実写取り込みの2Dスプライトを採用していた点。
そして、舞台となる国や地域の特色を過剰なまでにクローズアップした、やりすぎな演出の数々にあります。


例えば日本なら、時速300km近いはずなのにニンジャが並走している、外国人が妄想したかのようなエセJAPANが展開、
スイスでは突然ブランコに乗った少年少女やセントバーナードが出現(ハ○ジ?)、
ポリネシアでは巨大タコが見守る中ビッグウェーブ内を走り、たまにサメに噛まれる、
アメリカ国内ですら、ワシントンではホワイトハウスに突っ込み、
ヒューストンに至っては途中で月へとワープした上、UFOから攻撃まで受ける始末です。


これらのバカ演出が全て、実写取り込みで展開されるのですから
そのビジュアルインパクトたるや、一度見たら脳裏に焼きつくほどの絶大さでした。
そう、一言で表すなら本作は「疾走感あふれるバカ」。
クールと呼ばずして、何と呼べと!?



しかし、本作は「アウトラン」シリーズとしてはあまりに異端すぎたのか、
発売当時から出回りの悪さは異常とも言えるレベル。一度も見たことない人も多いかと思います。
実際、自分の場合も90年代後半にボウリング場のゲームコーナーで遊んだのが、実際にプレイできた最後でした。








いつかもう1度、あのハチャメチャさを再び味わいたいと
レトロアーケードゲーム探索を趣味にして以降、かなり本気で探し回っていたのですが、まったく影も形も掴めず。
しかし、諦めなければ道は開けるもので、ついに現役稼働の情報を掴むことができました。
成田空港が近い千葉・八千代台にある
レトロアーケードゲームギャラリー「バック・トゥ・ザ・アーケード」さんに、あるという話なのです。








行くしか!それはもう何を置いてでも、行く以外の選択肢なんて無い!
自分が住む滋賀から、千葉までは約400km。だけど距離や時間なんて問題じゃない。
約20年ぶりの再会を心待ちに、2月のある日「バック・トゥ・ザ・アーケード」さんへ向かいました。
心躍らせ、はやる足取りを抑えながら店舗へ向かうと…




し…閉まってるー!?


そう、「バック・トゥ・ザ・アーケード」さんは土曜日と祝日が営業日なのですが
自分は何を勘違いしていたのか、日曜日に来てしまっていたのです…。


残念だけど、また関東に来た時に出直すしかないか…と、
自分の不覚っぷりを呪いながら帰途に着こうとした、その時。
ふと携帯を見ると、そこにはTwitterの通知が。

!!!!!!!
え?店の方が「来たけど閉まってて残念」とつぶやいていたのを見てくれていた?
しかも、今から来てもいい…と? マジで!?本当に!?
え…?ええええーーーー!!?



速攻で店まで駆けつけると、「せっかく遠くから来てもらったので」と寛大なお言葉をいただき
メンテナンス中の店内に、なんと本当にお邪魔させてもらえることに!
「バック・トゥ・ザ・アーケード」さん、本当に、本当にありがとうございました。
感謝の言葉をどれだけ並べても足りないほどの神対応に、それでも今一度、心からお礼を伝えさせて下さい。









まさかの忘れられない思い出をここで1つ増やし、遂に果たせた約20年振りの再会。
嗚呼…これだ!
操るマシンが普通のバイクに飽き足らず、スクーターや自転車まであるマシンセレクト!
鳴り響く「Born to be wild」と「ハングオン」のアレンジ!
ハイスピードで展開していくバカ演出の数々!!
かつて衝撃を受けたゲームに、歳を重ねて再び向き合える幸せをこれほど強く感じたのは
大袈裟ではなく、今回が初めてかもしれません。


「バック・トゥ・ザ・アーケード」さんは時間制で、入場料を支払えば制限時間内は遊び放題というシステム。
これを幸いとばかりに、2時間近く「クールライダース」を遊び倒しました。






なお、今回はメンテナンス中とのことで店内の様子は写真に収めずにいたのですが、
プロップサイクル」や「デイトナUSA2」、「チェイスH.Q.」など
今となってはなかなかプレイが難しい体感ゲームガンシューティングが、店内には所狭しと並べられています。
稼働しているもの以外にも、倉庫に20台ほど出番を待つマシンがあるとのことで
目当てのゲームを狙って行くも良し、リピーターとなって入れ替わりごとに邂逅を楽しむも良し、といったところですね。









「クールライダース」は自分にとって思い入れの深いゲーム、とは冒頭に書いたとおりですが、
久しぶりのエンディングに到達するまでは、結構な苦戦をしました。
当時は簡単なゲームという印象だったのですが……。長い期間が空いていると、記憶と違う部分も当然あります。
今プレイすると、2〜3回クラッシュすればクリアが絶望的になるほどタイム設定がシビアで
何度もゴール直前でリタイアの苦汁をなめさせられたり。



そしてもう1つ、記憶と違っていたのが、筺体そのもの。
「バック・トゥ・ザ・アーケード」さんで稼働している「クールライダース」は
「F1エキゾーストノート」筺体に入っているのですが
実は当時「デイトナUSA」筺体で稼働しているものもあったそうです。

これは別のところで撮った「F1エキゾーストノート」と「デイトナUSA」の筺体ですが
並べて見比べると、結構違うのが分かるかと思います。
当時プレイしてたのは、どっちだったのかなぁ…。









レトロゲーム、とりわけアーケードの大型筺体は保存もメンテナンスも難しく
どれだけ思い出があっても、今となっては簡単に再会できないのは、もはやご存じの通り。
そんな中、遊べる環境で数多くのマシンを公開されている「バック・トゥ・ザ・アーケード」さんの活動は
非常にありがたく、意義のあるものだと感じます。



大変な手間だとは思いますが、長く活動が続くことを心より祈ります。
また、絶対に訪れることを心に誓いました。
心の名作「クールライダース」をまた再び遊ぶために。
そして、今回の来訪ではしっかりと触れることができなかった
未だその魅力の全てを知らない、数多くのマシンたちと本気で向き合い、対話するために。

「あそぶ!ゲーム展」に行ってきました

埼玉県は川口市で行われている「あそぶ!ゲーム展」に行ってきました。
3回に分けてのシリーズイベントということで、
2016年2月末まで行われている第1回は、「デジタルゲームの夜明け」という副題が付いています。
展示されているのは、ビデオゲームの創世記から、アーケードゲームが多彩な進化を始めた1982年までの作品。
これらが見るだけでなく、実際に遊べる(!)とあれば、
スルーできるはずもありません!








会場に入ると、まずは世界初のビデオゲームといわれる「テニス・フォー・ツー」、
世界初のシューティングゲーム「スペースウォー!」がお出迎え。
そしてこれまた世界初の商業用ビデオゲーム「コンピュータースペース」の実機が展示されています。


この辺りはさすがに実機でのプレイとはいきませんが
(※「コンピュータースペース」は日時限定で実機プレイが可能だそうです)
エミュレーターでの展示があるため、どんなゲームだったかは実際に体験できます。
「テニス・フォー・ツー」が横からテニスを見るようなゲームであること、
「スペースウォー!」と「コンピュータースペース」がゲーム内容としては非常に似ていることなど、
知識としては知っていたものの、やはり実際に触れると理解度が段違いですね。



 

筺体もさることながら、「コンピュータースペース」に関しては今回の展示では
内部の基板や、当時のパンフレットまでも見ることができます。
実際にゲームを遊べる点も当然嬉しいのですが、
こうした通常は見られない貴重な資料も確認できる点は、本格的な展示イベントならではですね。









 

展示作品はアーケードゲームが中心ですが、中には家庭用ゲーム機の姿も。
世界初の家庭用ゲーム機「オデッセイ」の実機はもちろんのこと
その試作機「ブラウンボックス」までもが一緒に展示されています!
前者の展示だけでも相当な珍しさなのに……やるな。











さて、アーケードゲーム群の展示に戻りますと。
次に現れるのは、世界で初めて商業的に成功したビデオゲーム「ポン」。
独特の操作感覚が人を選ぶ「コンピュータースペース」から、
素直なパドル操作と、ボールを打ち返せばよいというシンプルなルールを貫いた「ポン」へ。
これは確かにヒットするわ…と、納得できてしまいます。











時代は進んで70年代中盤。
タイトーの「スピードレース」やアタリの「ブレイクアウト」(ブロック崩し)がヒットした時代。
もちろん上記2作も展示されているのですが、それ以上に注目なのが次の2台の展示です。


1つは、サメを模した白い筺体が印象的な「マンイーター」。
PSEという、日本では知名度がほぼない海外メーカーによって発売されたゲームで、
ナムコ(当時は中村製作所)により、少数ですが日本へも輸入されたそうです。


ゲーム内容としては、水中を自在に動くサメを避け、海の底にある宝を船まで持ち帰るという内容。
ゲーム&ウォッチの「オクトパス」に近いゲームといえます。
もちろん、「マンイーター」の方がずっと先ですが。


個人的には、同じナムコが販売ということで「海底宝探し」との関連をついつい考えてしまいましたが
こういうシチュエーションの作品を好んだ人が、当時のナムコにいたんですかね?




そしてもう1つは、エキシディが製作した「デスレース」。
車を操作し、人に似た姿のグレムリンを轢きまくる見下ろし型のレースアクションです。
海外ではその残虐とも取れる内容が問題視され、撤去騒ぎまで起きたいわくつきのタイトルとして知られてます。
一応、日本にも輸入されたそうですが、実際にプレイした人は非常に少ないのでは。
残念ながら、自分が訪れた時にはプレイできずでした……。











問題作2タイトルの後に現れるのは、
ゲームの歴史を語るうえで外せない不朽の名作「スペースインベーダー」。
今回の展示では、アップライト版とテーブル版が並んでいるという、心憎い配置になっています。




ちなみに「スペースインベーダー」と「パックマン」には特集コーナーが設けられており、
当時の「スペースインベーダー」開発資料は、これまた必見ポイント。
パックマン」コーナーの、当時のグッズ群も目を見張るものがありますね。
まさかパックマン型の電話まで存在していたとは……!







続くコーナーには、1978〜79年の人気タイトルがずらりと。
アタリの「アステロイド」に「フットボール」、電気音響の「平安京エイリアン」、
そしてナムコの「ジービー」「ギャラクシアン」。


さらっと書いてますが、「アステロイド」や「ジービー」の専用筺体は普通まず見られないどころか
現役稼働してるロケーションがあったらレトロゲーマーが震撼するレベルの代物です。
いかに貴重な展示に溢れているか、逆説的に分かるというものでしょう。





そんな70年代後半タイトルのコーナーで、ひときわ目を惹くのがエキシディの「スターファイアー」。
自分もこのゲームは初めて知りましたが、コックピット型の大型筺体でのプレイは、今でも通用する迫力。
この当時にして3Dシューティングを実現した技術に驚かされます。
エキシディというメーカーが、どれだけ時代の最先端を突っ走っていたのかと感じられましたね。











最後に待つのは、1980〜82年をにぎわせたゲーム達。
ニチブツの「クレイジークライマー」、コナミの「スクランブル」、
任天堂の「ドンキーコング」、アイレムの「ジャンプバグ」と「ムーンパトロール」、
ナムコの「ラリーX」、セガの「ザクソン」と、幅広いラインナップになっており
80年代前半から、ゲームが一気に多様化したことが肌で感じられます。




その中には、知名度的には他タイトルに一歩譲る、セガの「スペースフューリー」の姿が。
世界で初めてカラー表示のベクタースキャン(乱暴に言えば点と線だけで描画する方式)を実現した作品で、
ゲーム中に音声合成で宇宙人がプレイヤーに話しかける演出も語り草です。


そして実は「スペースフューリー」と「スペースウォー!」は、
360度から迫る敵を撃墜する、とゲームの内容的にはかなり近いものでもあります。
今回の展示で「スペースフューリー」置かれている理由は、歴史的な意義以上に
「スペースウォー!」からわずか15年ほどでゲームは急激に進化した、
という部分を分かりやすく伝えるためなのではないか、と個人的には感じました。








これだけの超貴重なレトロゲームを見て、実際に遊べる機会は
それこそビデオゲームの博物館でもできるか、
今回のイベントにも協力している高井商会さんの倉庫が解放でもされない限り、そうそう無いでしょう。
レトロゲームにいくばくかでも興味があれば、見逃す手はありません。

いまさら「HELLSING」少佐の演説をファミコンで改変してみる

ずっと前から気になっていたのに未読だった「HELLSING」を、先日まとめ買いして読みまして。
いやぁ、ケレン味溢れるセリフ回しと作画が、もう理屈抜きで格好良い!
特に、敵組織のリーダーである“少佐”の演説シーンは圧巻。
「諸君、私は戦争が好きだ」から始まる、元ネタは知らないけど見たことある、って人も多いアレです、アレ。


…自分もそんな元ネタをちゃんと知らないクチでしたが、やっぱり原作でしっかり読むと、迫力が全然違う。
衝撃を受けたあまり、思わずファミコンをネタにして改変コピペを作ってしまったほどです。
そんなわけで、せっかくだから公開してみます。







諸君 私はファミコンが好きだ
諸君 私はファミコンが好きだ
諸君 私はファミコンが大好きだ


マリオが好きだ
ドラクエが好きだ
FFが好きだ
ロックマンが好きだ
くにおくんが好きだ
ゴエモンが好きだ
じゃじゃ丸くんが好きだ
ワルキューレが好きだ
高橋名人が好きだ


自宅で 友人宅で
親戚の家で 近所の年上の兄ちゃんの家で
おもちゃ屋の店頭で サークルの部室で
ゲームコーナーの一角で 全国キャラバンで
実況プレイで ゲームセンターCX


この地上で遊ばれるありとあらゆるファミコンが大好きだ


戦列をならべたオプションの一斉発射がイオンリングと共にモアイを吹き飛ばすのが好きだ
空中で合体を目論んだラザロが16連射でばらばらになった時など心がおどる


自分の操るマリオのファイヤーボールがクッパを撃破するのが好きだ
悲鳴を上げて最下段から飛び出してきたポポをナナが置いてけぼりにしていった時など胸がすくような気持ちだった


扉を開いて発生した衝撃波がニャームコやミューキーズを連れ去るのが好きだ
攻略に詰まった初心者が隠し部屋を探して何度も何度もダンジョンの壁に爆弾を設置する様など感動すら覚える


敗北主義の他チームをこばやしのマッハチョップで潰していく様などはもうたまらない
泣き叫ぶモンスター達が私の入力したコマンドとともに爆発音を上げるイオナズンにばたばたと薙ぎ倒されるのも最高だ


開発に四年の歳月をかけたアドベンチャーゲームが貧弱なハード性能で健気にもアニメーションするのを
バーチャルコンソールではなく実機で心ゆくまで味わった時など絶頂すら覚える


シンシアと野球拳ができるウソテクに騙されるのが好きだ
必死に守るはずだった原作が蹂躙され名キャラが犯され水準以下のゲームにされる様はとてもとても悲しいものだ
エアーマンの竜巻に押し潰されて殲滅されるのが好きだ
理不尽な謎に追いまわされひんたぼ島にすら辿り着けないのは屈辱の極みだ


諸君 私はファミコンを 時代に色褪せないファミコンを望んでいる
諸君 私に付き従うファミコン戦士諸君
君達は一体何を望んでいる?


更なる2Dグラフィックを望むか?
情け容赦のない糞の様な高難易度を望むか?
ハード性能の限界に挑み三千世界の鴉すら表現する職人芸の様なプログラムを望むか?


ファミコン! ファミコン! ファミコン!』


よろしい ならばファミコン


我々は満身の力をこめて今まさにスタートボタンを押さんとする親指だ
だがこの新作の途絶から四半世紀もの間堪え続けてきた我々にただのファミコンではもはや足りない!!


ファミコン復興を!!
一心不乱のファミコン復興を!!


我らはわずかに一個大隊 千人に満たぬレトロゲーマーに過ぎない
だが諸君は一騎当千の古強者だと私は信仰している
ならば我らは諸君と私で総力100万と1人のコアゲーマーとなる


我々を忘却の彼方へと追いやり眠りこけているハード性能至上主義者を叩き起こそう
PS4の配線を引き抜きブラウン管テレビに取り換えコントローラーを握らせ思い出させよう
連中にゲームの楽しさを思い出させてやる
連中に我々のPSG音源を思い出させてやる


ドット絵とポリゴンのはざまには奴らの哲学では思いもよらない事があることを思い出させてやる
千二百本超えのファミコンタイトルでゲーム棚を埋め尽くしてやる


全ACアダプター挿入開始 息を吹きかけてソフトのゴミ除去始動


起動!! 全ジョイスティック 全周辺機器 使用解除
「最後のソフト『高橋名人の冒険島IV』より 全ファミコンユーザーへ」
目標 京都府宇治市 任天堂本社!!


第三十二次ファミコン生誕記念作戦 状況を開始せよ
征くぞ 諸君




……(これまで原作未読だったこと以外は)特に反省はしていない。

聖地巡礼!鹿児島・指宿いわさきホテル探訪(2)

“レトロアーケードゲームの聖地”と呼ばれる、
鹿児島・指宿いわさきホテルのゲームコーナー。
前回は80年代の体感ゲーム機中心に紹介してきましたが、今回はまずエレメカからチェックしていきます。




ひときわ目立つマシンといえば、やはりコレでしょう。
ナムコの『シュータウェイII』です。
クレー射撃をモチーフとしたゲームで、超巨大スクリーンを移動する光(円盤)を狙い撃つという、
単純ながらかなりの射撃精度を求められる作品でした。
あまり遊んでる人を見なかったとはいえ、遊園地の広大なゲームコーナーなんかでは定番マシンでしたねぇ…。
その初代は1977年リリース、今回出会った『II』ですら1991年製と、
実に20年以上の時を経たマシンであり、現存しているロケーションは、もはやほぼありません。





エレメカの定番、モグラ叩き系も並べられています。
左から『ワニワニパニック2』『たこいかぱにっく』とナムコ作品が続きますが、一番右は…?


タイトーの『ロックンバンバン』でした。
これ、モグラではなく光ったパネルを叩くという、ちょっと変化球気味なタイトルなのですが
派手で楽しそうなイラストの影響もあってか、個人的によくプレイしていたのです。
マイナー寄りなゲームなので、まさか再開できるとは思ってませんでした。
しかし今から見ると、リザルト(評価)に「ナウな人」なんて言葉があったりして、時代を感じさせますねぇ。





他にもエレメカでは『コズモギャングス』『X-DAY2』『キャプテンフラッグ』など
定番とも呼べるタイトルが並んでいます。
ちなみに『X-DAY2』は、久しぶりに遊んだら余命日数マイナス4101日でした…。
確かにまぁ、わざわざゲームコーナー求めて九州までやって来た人間は(主に社会的に)死んでると言っていい。











そんな肉体寿命が期限切れな足で次に向かったのは、ビデオゲームコーナー。
ここは特に、シューティングと脱衣麻雀が充実しています。
至って普通に『サンダーフォースAC』や『オメガファイター』が稼働している光景なんて
レトロゲームに強いゲーセンでも、そうそう見られないのではないでしょうか。


そしてホテルや旅館のゲームコーナーといえば、脱衣麻雀。もはや様式美ですね。
スーパーリアル麻雀PV』に『スーチーパイ』、ダイナックス作品に加えて
有名人そっくりさんが脱ぐ麻雀の元祖『アイドル麻雀放送局』まで並べるとは!




場所柄か、MVS(ネオジオ)筺体も超初期のもの。
なんとメモリーカードスロット付きです!
当時、アーケードゲームで途中経過がセーブできるなんて、結構な驚きだったものですが
結局メモカを使う機会なんて、『クイズ迷探偵ネオ&ジオ』や麻雀系のようなコンティニュー必須のゲームか、
あとは『餓狼スペ』でリョウを使う裏技くらいにしかなく、後の筺体ではスロットがしれっと消滅していました。
地味ですが、何気に今となっては貴重なのです。




こちらは随分と最近のゲームになるのですが、珍しかったのでピックアップ。
ナムコの『ワールドキックス』の、汎用筺体版です。
このゲーム、今も残っている公式サイトを見てもらえば分かりますが
ボール型の入力装置を実際に蹴って遊ぶ、唯一無二のデバイスが特徴だったんですよ。
特殊とはいえ、それをコンパネで再現したものがあったとは…。
ナムコ純正なのか、それとも独自に作られたものなのか、興味深いところです。










ゲーム以外に目を向けてみても、なかなか今ではお目にかかれないものがありました。
それがタイトーの「レーザージューク」。
90年代には、ボウリング場やタイトー直営ゲーセンで必ずと言っていいほど見かけた
邦楽や洋楽のPVが流れる、ジュークボックスです。
嗚呼、友人たちと部活帰りにボウリングに興じてた学生時代を思い出す…。
その名の通りレーザーディスクを使用していたのですが、後期にはDVDを使ったものもあったそうで。




ゲーム機を再利用したと思われる、アイデアものの設置物もなかなか味があります。
ビデオゲーム筺体を靴の返却箱に、全身プリクラを喫煙所に…なんて改造は
日本広しと言えども、ここくらいでしか見られないでしょう。











噂に違わぬレトロアーケードゲームの宝庫だった、指宿いわさきホテル
訪れたのが真冬の平日だったからか、ゲームコーナーには他に訪れる人もほとんど見られず、
そこにあるのは、懐かしいゲーム機の喧騒だけ。
まるで自分とゲーム機だけを残し、時が止まってしまったかのような、
不思議な感覚を味わえる空間でした。


この先、いつまでこの姿がとどめられているのかは、誰にも分かりませんが
今あるうちに、足を運ぶだけの価値は絶対あると断言できます。
聖地の呼び名は、伊達じゃありませんでした。