ニコニコ動画は箱庭の夢を見るか?

前記事ひろゆきが動画はまだビジネスにならないと言っていたのは正しかったのかもしれない - ブログ執筆中を見てくださった方ありがとうございます。やや否定的な反応が多かったかなと思います。儲けるということは戦略の幅を広げるため重要だと思うんですよね。そんな話の続きをしたいと思います。

前記事を書いてから気づいたことなんですが、ニコニコ動画には他の動画共有サイトには存在しない、ニコニ・コモンズという強みがあります。

 ニコニ・コモンズとは、著作権者が素材となる作品の権利の一部を開放することで、自分の作品をより多くの人に広めたり、ほかの人が新たな作品を作ることを促したりできるようにした仕組みのこと。素材はニワンゴが運営するサイト「ニコニ・コモンズ」上で配信され、ニワンゴが運営する動画投稿サービス「SMILEVIDEO」のほか、ニコニ・コモンズ対応サイトで利用できる。

ニコニ・コモンズとは何なのか--ニコニコ動画内に説明ページが開設 - CNET Japan

ポイントはニコニ・コモンズ対応サイトでしか利用できないということ。これは二つの意味で重要です。

  • 利用範囲が狭いので権利の開放を行いやすい環境にある
  • 利用範囲が他の動画共有サイトまで及ばない

第一の点が重要なのは、ニコニ・コモンズは利用範囲が制限されますので、版権をもつ素材でも公開される可能性があります。実際、タグ検索: 【手塚治虫】 - ニコニ・コモンズのような実例があります。使いたくなる素材が増えれば、投稿者は増えるでしょう。

第二の点が重要なのは、ニコニ・コモンズを用いて作った動画は他の動画共有サイトでは配信できないからです。投稿者から見れば、ニコニコ動画で公開する範囲であれば、好き勝手素材を使って動画が作れることになります。このように権利を囲むことにより、投稿者を囲い込むことにつながり、他の動画共有サイトに対して決定的な強みになります。
まあ、YouTubeとかでは普通に違法動画が残ってたりするし、グレーゾーンの動画は沢山あることを考えると、どれだけの威力になるかは分からないですがね。

ニコニ・コモンズの充実は、ニコニコ動画の投稿者の誘引につながると主張しましたが、そう簡単にはまいりません。使いたくなる素材は、版権がからむものが多いと思うんですよ。そして版権がからめばロイヤリティを支払わなければならなくなる。つまり、ニコニ・コモンズの充実にはお金が要るんですよ。黒字化して、潤沢に資金が使える状況にあれば、もっとニコニコできる環境構築が出来ると思うんです。

例えば、反逆のルルーシュの動画がまるごとニコニ・コモンズで使えるようになった状況を想定してみましょう。例えば、るろ剣の動画がまるごとニコニ・コモンズで使えるようになった状況を想定しみましょう。例えば、・・・

これは利用範囲が限定されているからこそ十分想定しうる状況だと思うんですよ。もちろん、いくら利用範囲が限定されていると言っても、それでもニワンゴが支払わなければならない金額は膨大になってしまうでしょうが、支払ってでもやる価値があることだと思いませんか?