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情熱はいつも発火式ドロップ

2008-11-08

[]盤上の敵 北村薫(211)

盤上の敵 (講談社文庫)

盤上の敵 (講談社文庫)

 ある夫婦の物語。夫と妻の交互の独白。夫はテレビ局勤務、妻は過去の回想で、夫が帰宅する途中で家が逃走犯に乗っ取られて妻が人質になっていることを知る。そこで夫は妻を救い出すためにテレビ局・警察を利用して犯人を逃がす取引。同僚のシメタ。

 妻の回想は夫との出会いから自らの中学時代まで。兵藤三季という悪意の塊との出会い。教員を排斥する運動に加われなかったこと。兵藤の虐めと執着。高校時代には集団レイプされる。母の衰弱と死。愛犬を針金で殺害される。

 成人して兵藤は再び現れた。レイプ写真を恋人(後の夫)に見せて嫌がらせ。我を忘れて兵藤を打ち殺してしまう妻。殺したときの記憶はない。夫は妻から完全に兵藤を消し去るためにある工作をする。

 何という偶然。逃走犯が入った家にあったのは女の死体。「お前は妻を殺したのか」そういうことにしておく。二人で車を使って逃走。山道で妻の車と入れ替わり、警察の追跡から逃れる。妻には最低限しか知らせない。妻は逃げ延びた先で自ら縄で縛りガムテープを巻き被害者の自演をする。夫はコンビニで買ったとして犯人に妻がいつも持ち歩いていた毒薬を飲ませて殺す。夫は逃げる。そして二人はまだ会えない。

[]DDD 1 奈須きのこ(212)

DDD 1 (講談社BOX)

DDD 1 (講談社BOX)

 悪魔憑き。それは精神病の一種。アゴニスト異常症。レセプタクラッシュ。自分の感情をコントロールできなくなった精神障害者。その感情に応じて肉体までもが変化する。化け物になる。心は肉体に宿っているから、肉体を欠損すれば、心も欠損する。左腕を亡くして、恐怖を理解できなくなった主人公。

 叙述トリックばかり。

 カリョウカイエ。郊外の森にある古びた貯水庫の地下室に住む。彼の部屋は海の底にあるよう。天井は水で満たされ光が注がれる。鮫の魚影。彼には四肢がない。美しい少女のような少年。彼の義手義足の取り付け取り外しが主人公の仕事。

1.主人公は記憶できる時間が限られていることによる叙述トリック。断章の連続(読みにくい)。日中の彼のと日没後の彼はまるで別人。更に悪魔に支配され自我を失うこともある。手帳を見て思い出すしかない。それによって今回の敵が日中自分の知り合いであったことを知る。殺されたと思った友人が生きていたりする。

2.23は続き物。弟は両親を殺し、姉を半殺しにして精神病院へと連れてこられた。そこは悪魔憑きのための巨大精神病院医療施設にして研究施設。AからDまで4等に分けられた患者たち。絵を描く主人公との出会い。

 「全体的に頑丈に出来てるんじゃない」主人公の妹は言う。最強の妹。

 石杖アリカは一日ごとに新生しているのだ。

 二人の退院(石杖表記だが、実は石杖をコピーした姉)。更正者のための団地。ゲイの隣人。義手屋の紹介。街角。若者に襲われ返り討ちにする。

 何故俺が殺したことになってる? 男の死は主人公が関与していると。

3.姉貴の話。姉貴は天才だった。天才だったから孤立した。姉貴はスペックをわざと落として弟の真似をし始めた。完璧に。すると弟の居場所がなくなった。姉の罠で両親が殺される。どう見ても弟がやったように見える。そして姉は逃げて弟が捕まった。

 石杖(オリジナル)の退院。新居に行くと殺人容疑で警察がわらわら。事情説明。

 弟に嵌められた。弟は命を賭して姉に復讐した。姉は新しいコピー対象が欲しい。カイエを殺しに行く。しかし返り討ちにされる。

4.主人公の妹の話。

 最初に主人公の妹っぽく話されてたのはダミー。後の住宅街連続殺人で自分の殺人を妹のせいにしようとする。自分が殺しに行った家で妹が覚醒していた。更なる地獄がそこにあった。

 殺人鬼を隠すには殺人鬼の中。

[]一千万人誘拐計画 西村京太郎(213)

一千万人誘拐計画 (角川文庫 に 4-2)

一千万人誘拐計画 (角川文庫 に 4-2)

1.大学受験に遅刻しそう。狂言の電話をかけて試験を遅らせたら間に合ったがそれをネタに浪人生に強請られるようになった。我慢しきれず殺してやったら、最後の手紙には「君がくれる金のおかげでぼくは堕落するばかりだ。これから自殺する」

2.電車内で殺人。続いて目撃者の女が殺される。女が殺された動機は自分の殺人を目撃したということだろうと田村が疑われるがそれこそが真犯人の狙い。真犯人が本当に殺したかったのは目撃者の女。動機の線で引っ掛けるためにまったく関係のない人間を先に殺した。

3.東京都知事東京都民全員を誘拐したという電話。自分はいつでも東京都民を殺せる。金の要求。払わなければ無作為に東京都民を殺すという。実際に二人死ぬ。誘拐犯に十津川「殺された二人はお前が殺したんじゃない。他の人間が殺したのをお前がでっち上げて乗っかってるるだけだ。そう報道されてる」。逆上した犯人、その間に逆探知

 実は十津川が虚偽情報をマスコミに流して報道させていた。

4.雪降る公園広場の中心に女優の蝋人形が死体を模して置かれていた。雪による密室状態。それを警察は犯行の練習と思う。その後の映画撮影の最中に、石庭の中心で女優が殺害。石庭の密室。そう思うが実は逆。予行演習と思わせるために雪の密室を作っていた。実際には別の場所で殺して石庭に放置ではなく、石庭で殺してから集まってきた人の中にまぎれて逃げた。

5.山の頂上で死体。近くの民宿の男が疑われる。しかし、犯人はヘリコプターで死体を山の頂上に投げて逃げた。

[]象と耳鳴り 恩田陸(214)

象と耳鳴り

象と耳鳴り

 退職したおじいさん判事による連続推理。

1.友人が毎日少しずつ毒を飲みながら自殺してしまったことに気づきお爺さん唖然。

2.渋谷でいきなり人が死ぬ。ヤク中で骨がスカスカの男がトラブルでボコされて人ごみに逃げたら携帯電話の一斉電波浴びすぎて死亡。

3.「人食い給水塔」。近くでに人死にが多い。推理→ここに人を埋めたやつらがいる。周辺が開発されてきて給水塔も建て替えになった。その前に死体を掘り出したい。だから夜作業中に人が通りかかる度に殺してる。作り話といわれてほっとしたとき、隠された警察の白看板に気づく。

4.象を見ると耳鳴りがする。イギリスに行った時、象に殺された人を見たから。それは全て作り話。彼女は渡英する途中でペストの集団感染に巻き込まれた唯一の生き残り。そのときのイメージが知らぬ象を作り上げた。

5.温泉作った社長さんの家へ。切り立った崖へ。病気を苦に一家心中した事件。四人のうち妻だけ行方不明。妻だけ泉水道具持って逃げ出した? いや、中年女の死体発見記事もある。逆だろ? 妻を三人で殺した水かきつけて海に流す。それから三人で心中する。そうやって妻を悪者に仕立て上げてやるんだ。悲しい復讐さ。

6.殺人鬼にあった。彼は医者で9人もの患者を殺した。彼は死刑になりたかった? 違う、彼の患者こそが殺されたかった。彼は自殺の代行者だった。

7.誰かに聞いた話。そう前置きをつけらればどう改変しても責任を取らずに済むだろ?

8.家を取り囲む庭園。婦人との逢瀬。それを覗く子供。農薬をばら撒いてどうか死にますように。

9.電車の緊急停止。ドリンクぶっかけてもどかない男。携帯電話の内容はおかしい「七時三分に迎えに来い」待ち合わせのせりふじゃない。それでおばさんグループに席を取られても待ち続けてどいたら又その席に座る。そこに現れた怪しい女。こいつらは麻薬の受け渡しにこの席を使っていた。

10.室内写真を見て誰の部屋か当てるゲーム。論理的推理と情緒的推理。犯罪者かそれとも容疑者の監視者か。答えは二人のお父さん(主人公)でしたあ。

11.往復書簡。新米新聞記者に嫌がらせの手紙。同時期に起こる連続放火。犯人は新米の先輩記者。妻をかばうため。

12.都市伝説赤い犬。独身OLの部屋の窓に浮く赤い犬。トーゴーさん連呼で回避。もういいよというと精力吸い取られる。ワーキングガールの悲哀? 観音様の手が影遊びの犬の形。それが赤いライトによって窓に反射したものが都市伝説に。トーゴーさんは市町村統合から。地方自治の話。