「私は二歳」読了。

 松田道雄著「私は二歳」(岩波新書)読了。「私は赤ちゃん」の続編で、同じく朝日新聞で連載されたもの。途中から京都のおばあちゃんと同居することになって、「嫁と姑」の話がメインになっていくのは予想外の展開で驚いた。かなりカリカチュアライズされた家族なのだが、2世代が同居するって相当大変だろうなと思った。
 主人公の少年のゴテぶりが実に憎たらしくて面白い。子どもをよく見ている著者ならではのリアルさだ。この子がその後どうなっていくのか読みたい。「私は5歳」とか、さらに続きも書いてほしかった。例えばこんな感じ。

 私は足のいたさよりも、その無神経にいらいらしてきた。いらだって泣きだすとふしぎなものだ。原因なんか忘れてしまって、ただ泣きわめいて、パパとママを困らしてやりたいということが目的になってしまう。人間の争いってそういうものらしい。(119ページ)

私は二歳 (岩波新書)

私は二歳 (岩波新書)

 ちなみに、188ページ9行目に「おばゃあちん」という表記が出てくる。明らかな誤植だが、組版は直せないのだろうか。