「私は二歳」読了。
松田道雄著「私は二歳」(岩波新書)読了。「私は赤ちゃん」の続編で、同じく朝日新聞で連載されたもの。途中から京都のおばあちゃんと同居することになって、「嫁と姑」の話がメインになっていくのは予想外の展開で驚いた。かなりカリカチュアライズされた家族なのだが、2世代が同居するって相当大変だろうなと思った。
主人公の少年のゴテぶりが実に憎たらしくて面白い。子どもをよく見ている著者ならではのリアルさだ。この子がその後どうなっていくのか読みたい。「私は5歳」とか、さらに続きも書いてほしかった。例えばこんな感じ。
私は足のいたさよりも、その無神経にいらいらしてきた。いらだって泣きだすとふしぎなものだ。原因なんか忘れてしまって、ただ泣きわめいて、パパとママを困らしてやりたいということが目的になってしまう。人間の争いってそういうものらしい。(119ページ)
- 作者: 松田道雄
- 出版社/メーカー: 岩波書店
- 発売日: 1961/03/20
- メディア: 新書
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